チーム最年長野手が19歳のプロ初勝利をアシストだ。山本の好投で2-1の1点リードで迎えた6回1死一、二塁の好機。武山の代打を告げられた藤井が集中力を高め、打席に向かう。
「初球からどんどん振っていこう」。阪神・青柳の141キロの直球をバット一閃(いっせん)。中前へきれいにはじき返し、二走・阿部を迎え入れた。「しっかり自分のスイングをすることができました。貴重な1点を打ててよかったです」
結果的には、この一打が高卒2年目右腕のプロ初勝利を演出した。山本降板直後の7回に救援の福が打たれて1点差。藤井の適時打がなければ初勝利はお預けとなっていた。「山本が頑張っていたんでね。人生も懸かっていたと思うので、本当によかったです」と19歳差の後輩の活躍に目を細めた。
自身としても12打席ぶりの安打。適時打に限って言えば6月17日のロッテ戦(千葉マリン)以来、約1カ月半ぶりだ。
「素直にホッとしているっていう感じですね。(自身の)気持ち的にもよかったです」と胸をなで下ろした藤井。正念場の後半戦こそ、ベテランの勝負強さが必要になる。 (谷大平)