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「差別と知って」 朝鮮学校補助金停止で保護者らが訴え

政治行政 神奈川新聞  2019年05月08日 12:06

横断幕を広げてチラシを配る朝鮮学校の保護者ら =横浜駅前
横断幕を広げてチラシを配る朝鮮学校の保護者ら =横浜駅前

 北朝鮮による拉致問題に絡めて県が朝鮮学校の子どもへの学費補助金の支給を停止している問題で、在日コリアンの保護者らが7日、横浜駅前で差別行政の是正を求める街宣活動に取り組んだ。朝鮮学校のことを知ってもらおうとチラシを配布。「県の措置がいかに理不尽かを知り、差別に反対する声を一緒に上げてほしい」と訴えた。

 県は教科書に拉致問題の記述がない点を不支給の理由にしている。一方で神奈川県弁護士会は、子どもと無関係な理由で教育を受ける権利を侵す人種差別と認定、支給を再開するよう警告を出している。

 チラシは、黒岩祐治知事が「支給は県民の理解が得られない」と繰り返していることから作製。朝鮮学校について▽日本の学校と同等の教育課程に加え、朝鮮の言葉や文化、歴史を教えている▽反日教育は行われておらず、ミサイルや拉致問題とも無関係▽日本政府は差別を是正するよう国連の各人権機関から再三勧告されている-ことを列記。笑顔の在校生の写真に「この生徒たちも同じ神奈川県民です」の文言を添えた。

 横浜朝鮮初級学校に子どもを通わせる母親(41)はチラシを受け取った男性から「反日教育をする学校はやはり問題だ」とのデマを面と向かって言われて傷ついたが、「子どもたちの未来が奪われるつらさを思えば我慢できる。放っておけば偏見が広がる一方だ」。街宣活動は毎月1回続けていくという。


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