『やすらぎの刻~道 #82 テレビ朝日開局60周年記念』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド)
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『やすらぎの刻~道 #82 テレビ朝日開局60周年記念』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
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やすらぎの刻~道 #82 テレビ朝日開局60周年記念[解][字]
巨匠・倉本聰氏が1年間をかけて描くのは、山梨を舞台に昭和~平成を生き抜いた無名の夫婦の生涯。そして『やすらぎの郷』のその後。2つの世界が織り成す壮大な物語!
詳細情報
◇番組内容
根来公平(風間俊介)の親戚である根来鉄兵(平山浩行)が、召集令状を破り捨てて山へ姿を消した。根来家も警察から調べを受ける。鉄兵の狩りの師匠・山おじ(麿赤兒)も捜索隊に加わるが…。そんなある夜、公平は航空服姿で庭に佇む兄・公次(宮田俊哉)の姿を目撃する。一方、突然根来家を出て行ったしの(清野菜名)から手紙が届き、皆ひと安心する。
「やすらぎの郷」には九重めぐみ(松原智恵子)が新たに入居してくる。
◇出演者
風間俊介、宮田俊哉(Kis-My-Ft2)、佐藤祐基、風間晋之介、井上希美、木下愛華、須森隆文
◇作
倉本聰
◇音楽
島健
◇演出
池添博
◇主題歌
中島みゆき『慕情』『進化樹』『離郷の歌』(株式会社ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎(テレビ朝日)
【プロデューサー】中込卓也(テレビ朝日)、服部宣之(テレビ朝日)、山形亮介(角川大映スタジオ)
◇おしらせ
☆番組HP
https://www.tv-asahi.co.jp/yasuraginotoki/
☆Twitter
https://twitter.com/yasuragino_toki
☆Instagram
https://www.instagram.com/yasuraginotoki/
(根来公平)〈鉄兵兄さんが
召集令状を破って
山へ 一人で逃げてしまった〉
〈いわゆる徴兵拒否である〉
〈徴兵拒否は 戦時下の日本で
何にも勝る大罪だったから
村始まって以来の
大騒ぎになった〉
〈警察は もちろん
軍隊まで出動して
大がかりな山狩りが行われた〉
〈軍用犬も動員され
たくさんの人が
兄さんを捜しに山へ入ったが
兄さんの行方は知れなかった〉
〈山おじと言われる
兄さんの山の師匠が
捜索隊に加わったのは
山狩りが始まって
2日目の事だった〉
〈山おじは 山を知り尽くしている
ここらの山の最古老だった〉
〈山おじは 兄さんの行く先に
何か想像がついているらしく
10日ほど山へ入ってくるから
付いてくるなと
公一兄ちゃんに言って
一人で山へ入っていった〉
〈それから2日が経過したが
鉄兵兄さんは
見つからないらしかった〉
〈それでも
山狩りは毎日続いていた〉
♬~
(セミの鳴き声)
〈夏が来て
畑は忙しくなっていた〉
〈麦は次第に茎を伸ばし
カボチャも
葉っぱが だいぶ大きくなった〉
〈鉄兵兄さんの事については
話題にする事を
みんな避けていた〉
〈しかし
それぞれが それぞれの中で
兄さんの事を気にしているのは
間違いなかった〉
♬~
〈鉄兵兄さんが捕まらないで
逃げおおせる事を
皆 祈っていた〉
(信子)公一兄ちゃん はい。
よいしょ。 三平兄ちゃん。
(三平)うん ありがとう。
〈兄さんは
今頃 どこにいるのか
山おじは
兄さんに接触できたのか…〉
(幸子)ありがと。
公一兄ちゃん
この前から話の中に出てくる
山の衆っていうのは
どんな人たちじゃ?
山窩って知っとるか?
サンカ…?
いや 知らん。
お前は 前に見た事あるはずじゃ。
(公一)竹細工 担いで
山から下りてきて
庭先で 家の古い鍋を
鋳掛けしてくれた
夫婦がおったろう。
ああ… なんとなく覚えとる。
あん人方が 山窩じゃ。
(4人)へえ~…。
昔から 世間と交わらずに
奥山で独自に暮らしとる。
言うてみれば 山の民。
日本の遊牧民じゃ。
そんな人たちがおるんか!
きちっとした住所は持たんで
瀬振りっちゅう仮小屋を建てて
山から山へ流れて暮らしとる。
(公一)明治の時代に
戸籍制度ができた時
戸籍に入る事を拒んだから
本当の実態は ようわからんのよ。
でも 20~30万は
今でも おると聞く。
結束が固くて
平地の人間とは付き合わんから
徴兵される事もないし
税金も納めんし
義務教育も受けようとせん。
徴兵できんと国は困るから
警察は
そういう人間を捜し出して
戸籍を取らせる事と
定住させる事を
一生懸命させようとしとる。
でも なかなか
うまくいかんらしい。
(公一)とにかく
我々とは付き合おうとせんから
詳しい事は何もわからんのよ。
鉄兵兄さんは そういう人たちと
付き合いあるんか?
あるんではないかと
山おじは 恐らく
見当をつけてるんだろうな。
山おじは その人たちと
連絡とれるんだろうか?
知らん。
だけども この前の口ぶりじゃ
少なくとも つなぎは
つけられるみたいだったな。
いつか 鉄兵兄さんが
タコ部屋から逃げ出した
朝鮮の人をかくまったのも
きっと この人たちを頼ったのか。
知らん。
今の話は あくまで推測の話じゃ。
この話は絶対よそで言うな。
うん。
うん。
山窩についての話もじゃ。
(信子)うん。
あの人方に迷惑が掛かる。
わかった。
わかった。
〈山窩なんて言葉
耳にするのも初めてで…
誰かに話したいという衝動に
駆られた〉
〈ニキビや青っ洟は
知ってただろうか
そんな人たちが山にいた事を〉
兄ちゃん。
あっ?
公平兄ちゃん 口が軽いわよ。
えっ?
(信子)そう!
誰かに すぐ話しちゃうわよ。
(信子)もう 今
話したそうな顔してる!
あっ… 馬鹿!
俺は 最近 口が堅くて…。
(公一)公平。
はい。
お前は昔から口が軽い。
はい。 あっ でも 今は…。
だが 今の話は絶対言うな。
はい!
鉄兵兄さんの命が懸かっとる。
はい!
そうです。 絶対に
よそでは しゃべりません!
(幸子)嘘だ~!
〈各家庭にある金属製品
鉄 銅 金銀 宝石類は
貴重な武器の材料だから
全て供出しなければいけない
という命令が出て
祥恩寺の鐘楼のつり鐘も
取り外されて
供出される事になった〉
〈明日 その鐘が
運ばれるという前日
満蒙開拓団に置いていかれた
小野ヶ沢の村の老人たちが
鐘を懐かしんで
三々五々 集まった〉
〈開拓団に加わらなかった
この村の古い住人たちも
ほとんどの人たちが
祥恩寺に集まった〉
〈昔は 夕暮れ時
死んだ柿本のじっちゃんが
子供が家に帰る時刻を
知らせるために
毎晩5時になると
鳴らしていた鐘〉
〈じっちゃんが死んでから
鳴らす人がいなくなった〉
〈大みそかの夜にしか
聞かれなくなった〉
〈その鐘の音が
久しぶりに響いた〉
(鐘)
〈ニキビ〉
〈祥恩寺の鐘の最後の音が
小野ヶ沢の谷間に
今 響いている〉
(鐘)
〈散々聞いてきた
あの懐かしい鐘が
明日 取り外され
持っていかれて
どこかで溶かされ
大砲の弾に変わっちゃうんだ〉
〈ニキビ〉
〈昔 いたずらして
変な時間に突いて
柿本のじっちゃんに
追っかけ回されたよな〉
♬~
〈青っ洟〉
〈鐘の中で歌を歌うと
声が響くって
みんなで潜り込んで
合唱したよな〉
〈ハゲ〉
(鐘)
〈フナを取ってて
薄暗くなりかけて
鐘の音を聞きそびれて
慌てて走ったよな〉
〈公次兄ちゃん〉
(鐘)
〈祥恩寺の最後の鐘の音です〉
〈昔 父さんや母さんや
みんなで聞いた あの鐘の音が
もう聞かれなくなって
しまいます〉
(公平の声)
「公次兄ちゃん お元気ですか」
「ミッドウェー海戦のニュース
この前 ラジオで聞きました」
(公平の声)
「それから ソロモン群島の
ガダルカナル上陸の大戦果も
聞きました」
「日本軍は
ものすごい勢いですね」
「連戦連勝じゃないですか」
「この分でいくと
敵の降参も時間の問題ですね」
♬~
(公平の声)
「兄ちゃんは 今 きっと
南の空を飛んでいるんですね」
「南洋の空は きれいですか」
「南十字星は見えますか」
♬~
(幸子)兄ちゃん 兄ちゃん。
公平兄ちゃん!
(ため息)
うっ…!
うん? うん…?
うん… うん?
どうした?
公次兄さんがいる。
えっ?
兄さん…。
どうしたの…?
いつ帰ってきたの?
南洋にいるはずじゃ…!
(戦闘機の飛行音)
消えた…。
♬~
嘘だろ…!?
でも 見たわ。
私も… 見た。
公次兄さん…
そこにいた。
嘘だろ!?
〈何がなんだか わからなかった〉
どうした?
公次兄ちゃんが…
家の前に立ってた!
俺のほう見て…
笑って… 敬礼した!
実は 今 俺も… 変な夢 見てた。
えっ…?
山淵の駅に軍用列車が着いて
血だらけの小隊が降りてきたんだ。
それが 駅前を
早瀬川のほうに行軍して
それから
三差路で いくつかに分かれて
それぞれの村に分かれて
行軍していったんだ。
小野ヶ沢のほうにも
何人か歩いてきた。
♬~
公次兄ちゃん
あの中にいたのかな…?
♬~
〈翌朝 公一兄ちゃんに
その話をしたら
兄ちゃんは全く笑わなかった〉
(アナウンサー)「大本営発表…」
〈その朝も ラジオからは
大本営発表の
赫々たる大戦果の報道が
流れていた〉
(アナウンサー)「駆逐艦 1隻 撃沈…」
〈でも 僕の頭には
公次兄ちゃんの
笑って敬礼した あの姿が
いつまでも
はっきり焼き付いて残った〉
〈あの懐かしい
除夜の鐘が聞きたい〉
〈お前らと一緒に
あの音を聞きたい〉
(三平)ああ…
兄貴は戦死したんだなって…。
〈日本は
どうなってしまうのか…〉