聖剣伝説 LEGEND OF MANA

【せいけんでんせつ れじぇんど おぶ まな】

ジャンル アクションRPG
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 1枚
(初版のみ体験版ディスク+1枚が付属)
発売・開発元 スクウェア
発売日 1999年7月15日
価格 6,800円
プレイ人数 1~2人
周辺機器 アナログコントローラ、ポケットステーション対応
レーティング CERO:A(全年齢対象) ※アルティメットヒッツ以降
廉価版 スクウェアミレニアムコレクション:2000年9月28日/3,800円
PS one Books:2002年2月21日/2,500円
アルティメットヒッツ:2006年7月20日/1,500円
配信 ゲームアーカイブス:2010年7月28日/600円
判定 良作
聖剣伝説シリーズリンク

概要

  • スクウェアを代表するアクションRPG『聖剣伝説』シリーズの外伝的タイトル。
    • プレイステーション用ソフトとしては唯一の作品である。
  • 『聖剣伝説』の名を冠したアクションRPGではあるが、様々な新システムが導入されている。
    • 本作の開発には、プロデューサーの河津秋敏に代表される、サガシリーズの開発に携わったメンバーが関わっており、システム部分の作風はサガシリーズと通ずる部分がある。
    • やり込み要素についても従来シリーズとは一線を画すものとなっている。

ストーリー

主人公は夢を見る。夢の中には神々しい大樹が浮かびそして、声が聞こえる。

過去の戦乱の記憶が今の人々の心にも傷を残し、そのために愛を求めることを恐れ、愛の化身であるわたし=声の主=マナの女神を目指そうとはしない、と。そして女神は、その現実を乗り越えて自分へと歩いてほしい、そう主人公に呼びかけて消える。

夢から目覚めた主人公は、その声に従うように、目覚めたばかりの世界へと足を踏み出す。

ゲーム内容

ランドメイクシステム

  • 何も無いワールドマップ上にプレイヤー自身でオブジェクトを配置し、箱庭のように世界を構築していくシステム。
  • 本作の舞台は「ファ・ディール」という世界の一地方なのだが、プレイヤーはゲーム開始時にワールドマップ上のどこを冒険の舞台とするかを指定し、そこに「アーティファクト」と呼ばれるオブジェクトを配置する。すると、アーティファクトは町やダンジョンなどの「ランド」に変化し、プレイヤーはそのランドを冒険できるようになる。
    • 一部のアーティファクトは置ける場所のタイプが決まっており、山の上に港町のランドを出現させたりはできない。
    • モンスターの強さや店の品揃えは、ランドの配置順やマイホームからの距離によって定められる。
  • 各々のランドには属性の強弱「マナレベル」が設定されており、それが隣接するランド間で互いに影響する。
    • マナレベルは特定のイベントの発生条件、モンスターの強さ、魔法の威力、果樹園での成長速度といった多くの要素に影響を与える。
  • 同じスクウェア製作の『ファイナルファンタジータクティクス アドバンス』に、ランドメイクシステムと類似したシステムが採用されている。

シナリオ

  • 本作は『ロマンシング サ・ガ』のフリーシナリオのような形式を採っており、世界各地で発生する様々なシナリオの集合によって構成されている。
  • どのシナリオを発生させるか、といった順番は基本的に自由。
    • 「宝石泥棒編」「エスカデ編」「ドラゴンキラー編」という特殊な一連のシナリオ群が存在し、これら3系統のうち、いずれかのシナリオを最後までクリアすると、ゲームクリアのための最終シナリオを発生させられるようになる。
      • 宝石泥棒編は、「珠魅」という種族の存亡に関わるストーリー。珠魅は宝石を核として生きる種族であり、宝石を失うと死んでしまう。本来人を傷つけない泥棒だったはずだが珠魅殺しをする様になった宝石泥棒サンドラ、珠魅である瑠璃や真珠姫がメイン。サンドラが珠魅殺しをする理由や珠魅が滅び行く意味の核心に迫っていく。テーマは『相手を思いやる気持ち』。
      • エスカデ編は4人の幼馴染の関係を巡るストーリー。アーウィンによって急激に年をとる事になってしまったマチルダを中心に話は進む。力を取り戻させマチルダの老衰を食い止めたいダナエ、正義感が強く悪魔族であるアーウィンの所業が許せない聖騎士エスカデ、立場を縛られたマチルダを開放したアーウィンとマチルダを巡って3人の心の対立やエゴが表れていく。事実上、アーウィンとマチルダが物語の中心。それでもエスカデ編と銘打たれているのは、彼が旧世代の思想・信条を持つキャラクターだからである。
      • ドラゴンキラー編は自らの復活のため、ドラゴン殺しを命じる竜帝に仕えるラルクと彼を止めようとする姉・シエラを中心に進むストーリー。主人公は序盤はラルクと共に竜帝側につくが、ドラゴンの役割を知るうちにシエラと共に竜帝に立ち向かう。他二つのシナリオに比べ、展開が早いので分かりにくいが『絆』がテーマでドラゴンとドラグーンの絆や姉弟の絆などが表れている。
    • これら以外にも多くのシナリオが用意されている。攻略本では登場人物などでそれぞれ「○○編」と分類されている。
  • シナリオをクリアすることでアーティファクトを入手して新たなランドに行けるようになったり、新たなシナリオが出現する場合もある。
  • 主人公はプレイヤー自身の分身的な位置付けであり、デフォルト名や個人的に背負った経歴などはなく喋ることも基本的にない。普通にプレイをしていても、全くと言ってもいいほど自分から喋ることは皆無で、シリーズ旧作や看板作であるFFシリーズなど喋る主人公が多い中でこの様な特徴も異例だった。
    • まったく喋る事の無いキャラクター性故に、例外的に一部のシナリオ終盤のみ少しだけ喋るシーンがあり、プレイヤーを驚かせた。
    • 基本的に、各地で出会ったキャラ達が抱える問題の解決のため主人公が助力する展開が多い。
    • 選択肢が豊富なのも、プレイヤーの意思をゲームに反映させる意図であろう。

グラフィック

  • 既に3Dポリゴンのゲームが主流になりつつあった1999年のゲームだが、本作はドット絵の2D画面であり、CGムービーなどもごく限られた部分でしか使用していない。
    • 特に、97年に『ファイナルファンタジーVII』を成功させて以降3DCGに傾倒しつつあった当時のスクウェアにとっては比較的珍しい作品である。
  • そのドット絵も大変に緻密で繊細なものとなっており、亀岡慎一のキャラクターイラストをはじめとした独特な美術デザイン・イラストレーションをかなり正確に再現している。
  • 全体的に絵本のような雰囲気で、表現力は聖剣シリーズの中では高い評価。

バトルシステム

  • 『3』から踏襲されていることであるが、移動モードと戦闘モードが明確に分離している。
    • 本作では、敵からは逃げられない。エンカウントした全ての敵を倒すことで勝利となり、戦闘モードが解除されてキャラクターのHPが全快する。
    • 戦闘に負けた場合は、戦闘の直前からコンティニュー可能。
  • 戦闘は従来と違って縦方向への武器攻撃は出来ず、横方向のみ攻撃可能のベルトアクション方式。
    • 『2』『3』にあったリングコマンドシステムは、バトルシステムでは採用されず、下記の育成・作成要素で使われている。
  • 弱攻撃、強攻撃、アクションアビリティ、コマンド技、必殺技、魔法を駆使して戦う。
    • アクションアビリティとは、「ジャンプ」「ダッシュ」「回避」などの動作で、攻撃よりは移動や回避、妨害をメインとして使えるコマンド。
      • 全26種が存在しているが、戦闘中に使えるものは事前にセットしておいた2種類までとなっている。
    • 必殺技と魔法も、事前にセットした4つまでが使用できる。必殺技は武器種ごとに異なり、1つの武器種につき12~20種存在する。
    • アクションアビリティや必殺技は、特定の武器やアビリティを付けて戦闘をこなすことで新しいものを覚えられる。
    • 必殺技と魔法以外の行動はタイミングよくボタンを押すことで行動同士を繋いでいくこと(コンボ)が可能で、方向キー入力によるコマンド技も繰り出せる。
  • 武器種は「短剣・片手剣・両手剣・片手斧・両手斧・ハンマー・槍・ロッド・ナックル・ヌンチャク・弓矢」の11種類。
    • 攻撃技の性能や移動速度は装備している武器の種類によって異なる。
    • また、レベルアップの際のステータス上昇値はレベルアップ時に装備している武器によって変わる。
  • 『3』で見られた必殺技や魔法の発動モーション時の硬直が無くなり、『2』同様、シームレスに戦えるようになった。

育成・作成要素

  • 「マイホーム」と呼ばれる主人公の自宅は拠点となっており、ストーリーを進めると各種施設が備えられる。
    • ペットを飼うペット牧場、果実を収穫する果樹園、武器防具や魔法やゴーレムを作成するための作成小屋といった施設があり、それぞれ独自のシステムを持つ。
  • ゲーム中に登場するアイテムは、インゴットや木材などの主原料アイテムと、それ以外の副原料アイテムとに大別される。
    • プレイヤーはこれらのアイテムを用いて、ペットの育成、果実の栽培、武器・防具・魔法楽器・ゴーレムの作成を行える。
  • ペット育成
    • ランドではモンスターのヒナを捕獲できることがある。捕獲したヒナは牧場で孵化し、成長すると戦闘に連れていける。
      • 食品系の副原料アイテムを、エサとして与えられる。エサによってレベルアップ時のパラメータ変動が変わるほか、性格の変化が起こる。
      • 性格とは戦闘中の思考パターンであり、性格がないとペットは殆ど行動してくれない。複数の性格を付けたり、性格を消すことも可能。
    • 一部のモンスターは「亜人種」と呼ばれており、通常のペットとは違い、条件を満たすとランド内を歩いている。話しかけると勧誘することができ、成長した状態で仲間に加入する。
      • ペット化した後は、他のペットモンスター同様にエサを与え、育てることが可能。
  • 果樹園
    • 特定の条件を満たすことで、マイホームの果樹園が利用可能になり、種子アイテムから果実を栽培できるようになる。
    • 果実は果樹園のマナレベルを基準に日数を経ることで自動的に成長し、成長が終わると収穫が可能となる。
    • 種子は全8種、果実は全37種。種子は同時に2つまで渡すことができ、その組み合わせで収穫できる果実の系統が決まる。
    • 果実の収穫を繰り返すと入手できるアーティファクト「黄金の種」を使用すると、マイホーム以外にもう1ヶ所果樹園を設置できる。
  • 武器防具作成
    • 1. 主原料を使って武器防具を作り出す。
      • 武器防具の性能を決定するときには「性能基準値」という隠しパラメータを使用しており、主原料が同じでも装備の種類ごとに性能が変化し、装備の種類の特徴が主原料の性質と合致するほど実用的な装備ができる。
      • また、主原料には副原料での改造による属性レベルの上がりやすさなども細かく設定されており、これを理解することが強力な装備を作る鍵となる。
    • 2. 副原料を使って武器防具を強化する。
      • 改造した時にどのような効果があるのかは全く表示されず、裏では膨大な隠しパラメータによる処理が行われている。副原料は改造してすぐに効果が出るものだけでなく、武器防具に属性レベルを上昇させるためのエネルギーを蓄積したり、多彩な効果を持つ「シークレットパワー」を宿らせるなど、非常に奥が深い。
  • 魔法楽器作成
    • 魔法を行使するのに必要な魔法楽器を作成する。
    • 楽器には「ハープ・マリンバ・フルート・ドラム」の4種が存在し、主原料・副原料の精霊貨・楽器種によって奏でられる魔法が決まる。
    • 魔法は全112種が存在する。
  • ゴーレム作成
    • ゴーレムとはマナの力で命を吹き込まれた戦闘用ロボットで、ペット同様の扱いで連れ歩ける。作成時に能力が決定され、レベル・成長の要素はない。
    • ペットと大きく違うのは、能力値や使う技のみならず距離などに応じた行動パターンを、プレイヤーがかなり自由にカスタマイズできるということ。
    • ただしゴーレムは故障率が存在し、行動するたびに最良でも15%の確率で行動に失敗して一時停止してしまう。
    • 作成行程にはボディの作成、ロジックブロックの作成、ロジック構築、といったステップがあり、武器防具や楽器を主原料に作成する。
  • どの要素も法則は非常に複雑であり、なおかつその要素のほとんどが隠しパラメータであるため、全てを把握するのは非常に困難である。
    • これらの要素は、特に活用しなくてもゲームクリアは十分可能なバランスになっている。

その他

  • 本作では、主人公やペット、武器防具などの名前を、いくつか設定されたものから「AUTO」(自動)で付けてもらうこともできる。
    • 特に主人公のオート名称は、多くは過去の聖剣シリーズに登場したキャラクターの名前が使われている。
    • また、「エレナ」(『新約聖剣伝説』のヒロインの半公式名称)や「リチア」(『聖剣伝説4』のヒロイン)など、本作より後のシリーズに登場したキャラクター名も見られる。
  • 別セーブデータの主人公を召喚して一緒に冒険できたり、お互いの作った武具を売買できるなど、1つのセーブデータに留まらない行動も可能。
  • 周回要素があり、プレイヤーの成長状態や装備品などを引き継いだ、いわゆる「強くてニューゲーム」で遊べる。
    • 2周目限定イベントはないが、敵のレベルが大幅に上昇した「ヘル・モード」と、敵のレベルが全て99になる*1「ノー・フューチャー・モード」が遊べる。

評価点

  • 独特で魅力的な世界観・シナリオ
    • シナリオはギャグもシリアスも電波もなんでもござれで実に多彩。
    • 登場するキャラクターで純粋な人間が主人公しかおらず*2、大部分は亜人や言葉を話す動物に魔法生物、果ては正体不明な種族が占めており、多種個性的。
      • 海賊船に乗るペンギンたち、歌えば船を沈めるというセイレーン、人間に似ているが宝石の核を持つ珠魅、植物の精である草人や花人、魔法生物…など非常に多様。
      • 登場するキャラクターの台詞にはある生物の名前を挙げたり、某元力士の名言だったり、某有名タレントの口癖まで色んなネタが仕込まれている。元ネタはアルティマニアでのスタッフの発言により明かされている。
      • モンスターとしてはラビやシャドウゼロなどのほか、ワッツやニキータなどシリーズの共通キャラも登場する。
    • 印象的なセリフ
      • 「まぁ、あなたってウソツキちゃん」「したらな!」「ぐま!」など独特の言い回しが多い。
      • 「鳥たちが僕の教師だから、この広い空の下全てが、僕の学校なんだ」、「学校にも行こうと思います。学校に行くんではないんです。学校にも行くんです」、「過去は人の心の中にだけある。過去も未来もどこにもない。人が望む時、過去の全てと未来の全てを自在に変えることが出来る」、「人は誰も愛さなくても、生きていける。けれど、愛すれば豊かになる」など、もはや哲学的。
    • サボテン君
      • 自宅二階の鉢に植えられている、言葉を喋ることができるサボテン。顔と腕がある。また、主人公には秘密にしているが足もあり、実は自由に動き回れる。
      • 普段は話しかけても無言だが、各シナリオのクリア直後に話しかけるとそのシナリオの感想を一言述べる。そして主人公が階下に降りると、鉢から出て日記帳にまとめを書く。このセリフおよび日記が非常に カオス コミカルで、後から主人公が読むこともできることから、コレクション要素もある。中には哲学的なものもある。
      • このサボテンくんがメインとなるシナリオもある。
  • グラフィック
    • PS最高峰のドット絵。2Dの表現力が聖剣らしさと捉える者も多い。別の視点では『聖剣4』のような3Dより、本作の2Dのよさを再認識した者もいる。また、SFC時代では出来なかった新たな表現力が表れている。
    • ゲーム容量の増大をふんだんに生かしており、キャラクターのモーションも増えてぬるぬる動く。ボスキャラも圧巻の一言で多彩な攻撃を繰り出すことが可能になった他、画面を埋め尽くさんとする巨大なボス*3や、オブジェに乗り移って攻撃するといった変り種も生まれた。
    • 「海賊船バルド」の荒い船揺れも海平線の背景を除けば画面ごと揺れる。これも容量の増大の賜物である。
    • 「魔法都市ジオ」にあるマダム・クリスティーの屋敷の宝物庫に過去作品のキャラクターのオブジェがずらりと置かれていたり、道祖神の扱いかセーブ可能の「ポポイ像」が設置されていたりとファンに対する心憎い演出もある。
  • 音楽
    • 下村陽子氏の音楽は好評。
      • 「懐かしき歌」「ホームタウンドミナ」「滅びし煌めきの都市」などを筆頭に名曲が多い。
      • ボス戦BGMもどれも熱いBGM揃いで広く支持されている。その理由は余談にて。

賛否両論点

  • 育成・作成要素が難解で複雑
    • 自分で武具を生成できるシステムは、膨大な材料の組み合わせと、エネルギーや付加能力などの複雑な計算式により、ゲーム製作者すら予期していない4桁の攻撃力を持つ武器も作れる。
    • 2周目要素があるので、やり込み要素をスルーしてクリアしてしまっても、やりこみ完遂のためにセーブデータを犠牲にすることはない。
    • チュートリアルもあるが、結局のところ習うより慣れろという感じで、初心者がシステムを理解するのは難しい。
    • 戦闘関連の要素については一切利用しなくても主人公のレベルを上げ、武具を町で売っている物に買い換えていくだけでも十分クリアは十分可能。
    • ステータスにこだわりたい場合はレベルアップボーナスを均一化するため装備する武器を絞らねばならずやや面倒。
    • 攻略情報を参照するなどしなければ、これらの要素を活用する・楽しむことは難しい。
  • 精霊の変更
    • 本作では「イメージ的にわかりづらい」として、木(ドリアード)の対属性が月(ルナ)から金(アウラ)になった*4。これについても「旧作を尊重しろ」「LoMグラでルナの魔法が見たい」という声から「対比がわかりやすい」「アウラの魔法もきれい」といった声まであり賛否両論に分かれている*5

問題点

  • マップの各所を通ると必ず戦闘になり、基本的に戦闘が回避できないにも関わらず、戦闘が退却不可能。
    • 戦闘が始まったら絶対に倒して進まないといけないので、マップ進行がやや面倒に感じることも。
    • エリアは限られるがどこを通ると戦闘になるかの地点を把握していればできるだけ戦闘を回避することは可能。
  • ロード時間がやや長い。
    • 各ランドに入った時やイベントが起きるマップに入ると10-15秒程度のロードを挟む。
  • ペットを育てられる数が少なめ。最大で同時に5匹までしか育てられない。そして連れ歩いて戦闘に出せるのは1匹。
    • 前述のようにエサを与えておくとレベルアップの際に補正がかかるのだが、エサはレベルアップ1回分しか投入できない。
      • レベルが上がる度に主人公の家のペット小屋までエサを入れに行くのはかなり手間。連れ歩いてるペットでもエサはペット小屋である。
      • ペットの能力にさほど拘らないのならエサ入れは不要だが、気が変わっても後で取り返しがつくことではない(また仲間にして育てるところからやりなおしになる)ので損な気分にはなる。
  • ペット及び仲間になるNPCの育成がやや面倒。
    • 経験値を手に入れるために必要な結晶(ジェム)を積極的に拾いにいこうとしないため、経験値がなかなか溜まらない。
    • 序盤で大抵発生する特定のイベントをこなすと「主人公の拾ったジェムの経験値がNPCにも平等に分配される」効果を持つ装飾品が貰え、育成がぐんと楽になる。ただし会話の選択肢で否定的な態度をとったり、クエストの途中でマイホームに戻ったりすると即失敗になる。またイベント発生、マップのまわり方の順によってはこのイベントが発生しないことも。
      • 同じ効果を持つ装飾品は後に作れるようになる。ただしそれでもLv99まで育成するのは非常に面倒。
  • 計画的に進めないとコンプリートが困難
    • イベントでサボテン君が出歩いて家に帰ってこなくなることがあり、すぐにイベントを終わらせて家に戻さないとこの間に進めた他のイベントの日記をつけることができず歯抜けになってしまう。
    • ランドメイクも、適当にアーティファクトを配置していると「特定の属性が3以上、特定の属性が0以下」といった条件のミニイベントが発生しないことがある*6
    • またアーティファクトを一定以上置くと消滅するイベントがあったりと罠のような仕組みがあったりする。
  • セーブポイントが少ない。
    • 戦闘に負けても無限かつノーリスクでコンティニューが可能なので、それとの兼ね合いだと思われる。ただし無限にコンティニューできるといっても逃げることはできないので、勝てない場合はそれまでの戦利を諦めてリセットするしかない。
  • ポケットステーションで遊べるミニゲームから以外では入手できない素材がある。
    • PSVitaを除き、ゲームアーカイブスで遊んでいる場合はポケットステーションが利用できない。
    • 一部の素材は宝箱からでも入手可能ではあるが、ミニゲームを利用せずに数を集めたい場合は、ゲーム本篇を何周もしながら集めるしかない。
    • さらに高級な素材はLv30以上の強敵*7が極めて低い確率で落とすか、このミニゲームで手に入れるしかない。
  • ナンバリングタイトルに比べて魔法の扱いが微妙。
    • アンチマジックといった補助魔法はなく、完全に攻撃魔法のみが揃っている。
    • 魔法を使うために必要な楽器の製作には「精霊貨」が必要だが、特に高威力の魔法楽器の制作に必要な「金貨」はそのランドのマナの量で出現確率が左右される*8
    • 魔法はグラフィックこそ派手なものの威力はお世辞にも高いとは言いがたく、たとえ弱点を突いたとしても高Lvの雑魚を掃討する用途には使い難いため、「レベルを上げて物理で殴ればよい」ということになっている*9
    • 特にボス戦では威力不足が顕著で、装備する武器によって青天井な威力を持つ必殺技や短時間で放てる通常攻撃と比べると完全に蟷螂の斧。魔法使用中は無敵状態になることを利用して、敵の必殺技を回避する用途にしか使えなくなる。
  • アクションアビリティ・必殺技の習得は「該当武器とアビリティを装備して勝利した回数が累計一定数(技ごとに違う)を超える」という攻略情報なしにはわかりにくいもの。
    • アクションアビリティは現状で覚えている各アビリティを装備しての戦闘勝利をそれぞれ18回、必殺技の方はとりあえず該当武器と一緒に各アビリティごとに30回ずつ戦闘勝利を積み重ねれば確実に揃う。二人プレイを利用するとそのプレイで2Pが稼いだ勝利回数もカウントされるため早く揃う。
    • また、一度に装備できるアクションアビリティは最大二つ、必殺技は魔法と合わせて合計4つまでという少なさ、特に前者も問題。これらは戦闘が終わるまで変更はできない。
    • 敵ごとにさまざまなアビリティを使いわけて楽しむというよりは使いやすいアビリティ二種類で進むことを強いられやすい。

総評

様々な新しい試みがなされた意欲作でありながら、多くの要素が高クオリティでまとまっており、全体的に優れたデザインのゲームである。
ある種シュールな世界設定やプレイヤーに委ねる部分も多いシナリオはシリーズでも独特だが、外伝ということもあって批判はさほどなく、一定の評価を得ている。
一部のシステムが複雑でとっつきにくい一面もあるものの、戦闘自体は単純でやり込みも行いやすい点からおおむね良い方向に働いている。
新鮮なゲームや、やり込めるアクションRPGを求める人にお勧め。


おまけディスク「SQUARE'S PREVIEW Vol.5」

  • 最初に発売されたバージョンのみ2枚組となっており、おまけディスクが付属していた。
  • 収録内容は以下の通り
  • 後に廉価版が複数発売されているが、廉価版にはこのおまけディスクは付属していない。

余談

  • 同時期に発売された『ファイナルファンタジーVIII』の記録的売り上げに端を発する、スクウェアの戦略変更に反発した社員が、1999年から2000年にかけて次々に退社する。本作の開発スタッフも例外ではなく、メインスタッフだった亀岡慎一、穴澤友樹、津田幸治、井上信行らが退社し「ブラウニーブラウン」として独立した。数年ぶりに聖剣シリーズは復活を遂げたが結果として、本作以降の作品はどれも出来の悪いものばかりになってしまい、聖剣ブランドの衰退と凋落を引き起こしてしまった。
  • 本作のファンは根強く、20年経った今でも「PSの名作は?」という問いに必ず名前が上がるほど。
    • 2018年12月に発売された「プレイステーション クラシック」にはラインナップから外れたものの、本作の収録を希望する声が多数上がっていた。
  • 月刊誌『ファミ通ブロス』(現在は廃刊)で、この作品のコミック版が連載されていた。作者は天野シロ。全5巻。愛蔵版(全2巻)も出ている。
    • 一作の漫画としては好評ではあるが、本来の哲学的な要素はほぼ切り落とされている為、ゲームファンには首をかしげる部分もある。
    • メイン3シナリオの中では比較的評価が低い「エスカデ編」は内容が大幅に改変され、特にラストの展開は原作と全くの別物となっているが、これが良改変として高く評価された。他方「ドラゴンキラー編」は、元々の展開がシンプルなためか1巻未満の短さでサックリと終了してしまう。
    • 氏の作風からギャグ成分も盛り込まれている。主人公が『ファイナルファンタジーVIII』のキャラクター・キスティスにぞっこんで、フィギュアまで持っているという設定は当時の読者には有名。
    • 主人公名には、本作オリジナルのオート名称のひとつである「トト」が使われている。
      • 終盤には女主人公も登場するが、こちらの名前はオート名称と無関係な「イム」となっている。
  • また、ファミ通文庫より『あまたの地、あまたの人』のサブタイトルでノベライズ版も出ている。
    • こちらは漫画版とは対照的に静観的な雰囲気の主人公で、哲学的な要素が色濃く出ている。
  • 『聖剣伝説レジェンドオブマナ カードデュエル』という対戦トレーディングカード(全150種類)が発売されていた。内容としては、アイテム・サポートカードを使用しながらランドメイク完成を目指し、モンスターで相手のランドメイクを妨害するというもの。
  • ドミナ村の教会のオルガンを調べると主人公が自動で演奏をするが、ゲーム開始時に8分の1の確率で主人公が「演奏下手」になってしまうという隠し要素がある。
    • 「演奏下手」になっていると、演奏時の曲がやたらとぎこちないものになる。サウンドトラックにも収録されている。
  • FFシリーズのマスコットキャラクター、チョコボがモンスターとして登場している。
    • シリーズ初作『聖剣伝説 ファイナルファンタジー外伝』ではその位置づけもあってチョコボが登場していたが、聖剣伝説というシリーズが独立してから逆輸入のような形で登場するのは初めて。
    • 敵モンスターとして登場するのは黒色のチョコボであり、おなじみの黄色チョコボはペットとして登場。メモリーカードにFF8のセーブデータが入っている場合、初回のペットイベントの対象がチョコボになる。入ってない場合はラビ。
  • 「サガ」シリーズのスタッフが関わったためか、本作にはプロレスを意識して作られた部分がある。
    • ハンマースルーや挑発といったアビリティもそうだが、グラブの必殺技の選定はまさに当時のプロレス技そのもの。ファンタジーな世界で「断崖絶壁喉輪落とし(田上明の持ち技)」や「タイガードライブ'91(三沢光晴)」が、それもドット絵の小さい主人公が必死にプロレス技をかける様は非常にシュール。
    • BGMを担当した下村陽子はどちらかといえばメロディックな曲調が持ち味だが、「ボス戦の曲はプロレスにしろ」と言われ、門外漢だった彼女はその雰囲気を掴むのに大変苦労したらしく、サントラのライナーノートにはそれに関する愚痴とも取れる内容が書かれている。
  • スタッフが近いためか、「乱れ雪月花」「無双三段」など、サガシリーズの代表的な技が登場している。
  • 本作の公式攻略本アルティマニアは効率的なランドマーク設置方法やゴーレムの作成方法といった攻略内容以外にもゲーム内では語られなかったファ・ディールの歴史や、賢者の設定、人物図鑑なども載っており、ファンであれば持っておいて損のない一冊になっている。
  • 本作から、シリーズタイトルが共通して『聖剣伝説 ○○ of MANA』というネーミング法則になっているが、これは本作が元というわけではなく、『聖剣伝説2』の海外版のタイトル『Secret of Mana』に倣ったものである。
    • このため、海外版は「聖剣伝説」の部分が省かれて『LEGEND OF MANA』のみのタイトルになっている。以降のシリーズも同様のネーミング法則に則っており、あちらでは「Manaシリーズ」として知られている。


*1 厳密には、属性の影響により数レベル変動するため必ずしもレベル99にはならない。

*2 主人公以外にも分類上は人間種とされているキャラクターはいるが、実際は他種族の特徴を備えている

*3 2や3でもあるにはあるが、SFC特有の拡大縮小機能を応用しただけに足らずドットは荒いものだった。

*4 なお完全に排斥されたわけではなく、とある街にはルナの彫像がある。

*5 なお、アウラが登場したのはこの作品のみで、後の作品には登場しない。LEGEND OF MANAをベースとしたネットワークRPG「聖剣伝説 FRIENDS of MANA」にも登場していない。

*6 とはいえそれで起きるミニイベントはほとんどが特殊ペットの獲得だけなのでストーリーに大きな影響はないのだが。例外はイベント「シャドウゼロを倒せ!」と「震える砂」。特に後者はボスの使い回しが多い本作では珍しく専用のイベントボスが出現する。

*7 モンスターには1-5までのランクがあり、ランク5の敵しか落とさない。

*8 最終ダンジョンは周囲4ランドのマナを全て最大まで上げる効果があるが、これはこれで全ての精霊が出現するようになるため今度は狙った精霊と出会いにくいというデメリットがある。

*9 ただし一部魔法にはマヒや炎上などの状態異常を引き起こす効果を持ち、それを利用すれば多少は戦いが有利になる…が結局「レベルを上げて物理で殴れば良い」ということになる。