Sylvia's Mother Ⅱ
翻訳 Sylvia's Mother II(Simon Smith作)の翻訳です。
F/fで母/娘。道具は平手、ヘアブラシ。
期末レポートの成績が悪かったシルビアがこっぴどくお仕置きを受けます。
原文は以下のアーカイブサイトで読めます。
http://www.geocities.ws/mhdses2/z263.html
翻訳は以下。
------
F/fで母/娘。道具は平手、ヘアブラシ。
期末レポートの成績が悪かったシルビアがこっぴどくお仕置きを受けます。
原文は以下のアーカイブサイトで読めます。
http://www.geocities.ws/mhdses2/z263.html
翻訳は以下。
------
注意:この物語はすべてフィクションであり、読者を楽しませることのみを目的として執筆されたものです。作者は、子供の体罰をことさらに推奨する立場をとりません。物語の中で描かれるお仕置きは、物語が設定された時代においては当然とみなす人々が大勢いましたが、現在のイギリスにおいては虐待に近く、違法であるとみなされることと思います。この物語は、1950年代のイギリスを舞台としています。イギリス英語圏にお住まいでない方は、「pants」は「underpants(パンツ)」、「vest」は「singlet(タンクトップ)」に読み替えてください。
シルビアのママ(2)
作:サイモン・スミス
あの出来事があってからというもの、私はシルビアを遊びに誘う気になれなかった。私は罪悪感を感じ、恥ずかしい思いをしていた。とはいっても、そうした気持ちはシルビアを慮ってのものではなく、自己中心的な性格をした私自身が感じている気持ちにすぎなかった。しかし、数日がたって、シルビアが私の家の裏口に姿を見せた。シルビアは身近な遊び相手に退屈して、お仕置きの記憶は都合良く脇において、私と遊ぶことに決めたのだろうと私は推測した。シルビアはお仕置きについて口にしなかったし、私も紳士的な態度をとるように努め話題に出すことはしなかった。あの恥ずかしい出来事はヴェールで覆われ、まるでなにも起こらなかったかのように、私たち二人は遊び仲間としての今まで通りの関係を取り戻した。シルビアはすぐに調子を取り戻す子だったので、彼女はすぐに今までと同じように私を配下の者として扱うような態度をとりはじめた。まるで、自分が裸のお尻にお仕置きを受けているところを見られたことがないみたいだった。それでも、シルビアの取る態度があまりにもひどいときには、私は、涙を浮かべた彼女が真っ赤なお尻をさらけ出して、さらなるお尻へのお仕置きを待っている姿を思い描くことができるのだった。
残念なことに、私が以前と同じようにしょっちゅうシルビアの家に遊びに行っても、シルビアへのお仕置きをほのめかすものは影も形もなく、耳にすることもなかった。そして、外からシルビアの家を眺めるときは、閉ざされた扉の内側でどんなことが起きているのか知りたくて、私はいつもうずうずしていた。
何週間かして、学期末がやってきた。私はシルビアより一日早く学期末を迎えていた。私は近所の男子校に通っていたが、シルビアは近くの村に建てられた大きなカントリーハウスを校舎に使った私立の女子校に通っていたからだ。両親がふたりとも出かける予定が入ったのは、ちょうどその学期末の日のことだった。両親は私の勝手にさせておくよりいいと判断して、私をシルビアの家に預けることにした。私は、やはりおばさんに近寄りがたい印象を覚えた。シルビアにまつわるあの出来事があった後なのに、というよりも、あんな出来事を経験してしまったからこそ、そう感じたのだろう。おばさんは、あの日からもずっと私にほがらかに接してくれていた。今ここで説明しておくと、彼女の夫はエンジニアで、海外で過ごすことが多い人だった。
それで、私は親切でいろいろと気を利かせてくれるおばさんと楽しい一日を過ごした。出してくれる物はおいしかったし、たいそう満ち足りた気分だった。午後4時を回ったころ、シルビアが学校から帰ってきた。彼女は家に転がり込むようにして入ってくると、かばんを投げ出して、制服から着替えるために階段を駆け上がろうとした。
「待ちなさい!」おばさんが言った。「期末レポートを見せなさい!」
シルビアは戻ってくると茶色の長封筒を母親に手渡した。とても嫌そうなそぶりだった。
「読むまで待ってなさい」おばさんは言った。
おばさんがナイフを使い封筒を開けているあいだ、シルビアは不安そうに、右足左足と立つ足を変えながら落ち着きなく立っていた。シルビアは学校の制服姿だった。緑色のギンガムチェックのワンピース。その上に、黄色の校章バッチが留まった緑色をしたブレザーを着て、足にはひざ丈の白い靴下とこげ茶の留め金付きのサンダルを履いていた。学校に行く時、彼女のはちみつ色をした豊かな金髪は、普段よりもきちんと、緑のリボンで二つ結びのおさげにまとめられていた。
通知表を読み進めてくうちに、おばさんの口は不快感もあらわに固く閉じられていった。私は期待に胸が高鳴るのを感じた。シルビアは指でスカートのすそをいじっていた。
「数学―<注意力散漫、やる気がみられません>、英語―<まったく努力した形跡がみられません>、歴史―<もっとがんばりましょう>、地理―<もっと勉強が必要です>、美術―<教室の調和を乱しています>、聖書―…もうたくさん。こんな通知表をもらってきて、ママは恥ずかしい」
「私が悪いんじゃない」シルビアはむっとした様子で言った。「先生たちが良い評価をくれないだけよ」
「あなた、先生たちはあなたについてうそをついているとでも言う気なの?」おばさんが娘に答えを促した。
シルビアはためらった。彼女は罠にかかってしまったのだ。先生がうそをついているのかどうか、シルビアがそれを否定しようが肯定しようが、事態は悪いほうへ悪いほうへころがっていきそうだった。「そんな感じ」シルビアは不機嫌な様子で取り繕った。
「そう、そうしたら、ママはブラッドショー先生に電話をかけて、校長先生としてお書きになったコメントを確かめる必要があるようね。『今学期、シルビアの成績が伸びなかったのは、能力がないからではありません。授業で努力せず、この学校のルールを守る意識に欠けているのが原因です』 あなたは、ブラッドショー先生がここでおっしゃっていることは正確ではないと言いたいのね?」
またしても、シルビアは罠にはめられ、なんとか気をきかせてそこから逃れなければならなかった。ほんとうに罠から抜け出るみたいに、彼女は身体をよじって言った。
「あの先生は私のことが嫌いなの」
「そうでしょうね。校長先生があなたが学校に通うことをいまだに許してくださっているのが不思議で仕方がないわ」
「退学になっても私は気にしないけど?」シルビアが言い放った。
「この子は!」おばさんは叫び、娘の腕をつかまえた。シルビアは抵抗したがバランスを崩され、この11年間のアドバンテージで、おばさんはキッチンの椅子に座り膝の上に娘を乗せることにやすやすと成功したのだった。これまでの経験から、次に何が来るのか私にはわかっており、その期待は裏切られなかった。おばさんが制服の緑色をしたギンガムチェックのワンピースのすそをまくると、濃い緑色のパンツがむきだしになった。シルビアがそのパンツを穿いたままでいられるのも時間の問題だった。少なくとも、パンツを普通の状態で穿いてはいられなかった。おばさんがふとももの下までパンツを下げて、裸のお尻を激しく平手で懲らしめはじめたからだ。
シルビアは足をけり上げ、もがき、叫んだ。「やめてママ!痛い!痛い!やめてってば!ひどいよママ!いったぁい!」おばさんはそんな娘の反応はまったく気に掛けず、片手で身体をしっかり押さえ、片手でお尻を力いっぱいひっぱたいていた。シルビアのお尻の肌の色は、白からピンク、そして赤へと変わっていった。しかし、がっかりするくらい短い時間(もちろん私にとって、である)で、おばさんは「たちなさい」と言うと、強烈な一発をお見舞いしてからシルビアを抑えていた手を放したのだった。
すぐさまシルビアが立ち上がると、ワンピースの裾が落ちてお尻を隠してくれた。シルビアは綿のワンピースの上からお尻をさすってから、腰をかがめてひざまで手を伸ばし、パンツをあげた。悲しいことに、おばさんはそれを許し、ブレザーをハンガーにかけて学校用のかばんを持ってくるように言いつけた。「ノートを全部出しなさい。このテーブルの上に置いて、座りなさい」 シルビアはむくれた様子で、たぶん不快な感触を抱きつつ、イスに座った。シルビアの前には、彼女の今学期の成績が中に書いてあるノートが薪のように積み上げられていた。おばさんはシルビアの左斜め向かいのイスに座り、私にはちょうど自分と向かい合うイスを勧めてくれた。おばさんは積み上げてあるノートから一冊をとりだしたが、そのノートには「国語」と書いてあり、そのノートを開いてぱらぱらとめくった。ページの半分はぞんざいに走り書きされところどころしみで汚れたインクの筆跡で埋まっているうえに先生がそこかしこに赤ペンを入れており、文学上の傑作とは程遠い様相を呈していた。ノートの終わりには、「非常に不出来です。2/10」と赤ペンで記してあった。
「これでも、あなたがとったひどい成績についてオーピー先生は誇張しておっしゃっていると言うつもり?」おばさんは尋ねた。
シルビアは肩をすくめた。
「立って机に伏せなさい」
シルビアは口をへの字に曲げると下唇をつきだし、ためらい続けたまま椅子に座って長いこと動かなかった。私が、シルビアはおばさんの命令に従わないつもりなのだろうかと疑うほど長い時間がたってから、彼女はおおげさに立ち上がると椅子を後ろに下げて腰から上を前に倒したので、上半身は机の上にうつぶせになり、お尻は机の端にのっかる格好になった。おばさんも椅子から立ち上がり、シルビアのワンピースをたくしあげると、パンツを下げた。「意味わかんない」シルビアは本気で腹を立てているようで、不満を述べ立てた。「成績のぶんならもうママ私のお尻叩いたじゃん!」
「何言ってるのシルビア、まだまだよ」おばさんが言った。「そのお仕置きはこれが済んだあとです。さっきあなたは、間違っているのは先生だと言ったわね?今からはじまるのは調査です。授業科目をひとつひとつ調査して、もし先生のコメントが正しければ、その都度あなたのお尻を叩いてあげます」
「はあ?意味分かんない…」シルビアは不平たらたらだった。
「あなたが悪い子なのがいけないんです。ぶつぶつ言わない」
おばさんはシルビアのお尻をひっぱたいた。強烈な8発。シルビアは机の向かい側の端を握っていたが、強く握られたこぶしからは血の気が失せていた。彼女は伸ばした両腕のあいだに顔をうずめていたが、お尻を叩かれている間ずっと、押し殺された小さな悲鳴が聞こえてきた。
「いいでしょう。座りなさい」 少し間を空けて、おばさんが促した。またも、シルビアのワンピースの裾は重力にしたがって落ち、シルビアが何もしないでも自然とお尻を隠した。シルビアは、慎重にお尻をさすり、パンツに手をかけて元の位置まで戻した。おばさんが言った。「パンツもそのままにしておきなさい、これからたくさんの科目のノートを一冊一冊見ていかなければならないし、どうしたってあなたはパンツを下げないわけにはいかないわよ」
「そんなの…」シルビアは反論しかけたが思い直したようで、そっと椅子に座った。
次のノートは「数学」のタイトルがついていた。シルビアの勉強成果を反映して、ノートのページは混乱きわまった計算の数字で埋まっており、たいていそれには赤ペンで×がついていた。ノートの終わりに、1/10の点数がついていた。
「私悪くない。分数とかぜんぜんわからないんだけど?」シルビアが声を荒げた。
「立って机に伏せる」
シルビアは立ち上がり、机に伏せた。おばさんはスカートをめくると、娘のむきだしのお尻を平手で叩いた。今回、シルビアが食らった平手の数は9発だった。シルビアのお尻は濃い赤色に変化しつつあり、シルビアはお尻を一発平手を食らうごとに上にはねあげ、びくっとひきつらせていた。シルビアの叫び声はどんどん大きくなっていき、机から起き上がるときには鼻をすすり涙をぬぐっていた。彼女はとても慎重に自分のイスに座った。学校指定の緑色のパンツが、スカートのすそのちょうど下、膝小僧あたりで丸まっているのが見えた。
それからはこの繰り返しだった。彼女は、10点満点から、自分が取った点を引いた数字と同じ数、お尻を叩かれているようだった。というわけで、おばさんが手に取った歴史学のノートには4/10と書かれていたから、シルビアは6発お尻を叩かれることになり、聖書の授業のノートに書かれた0/10にしたがってお尻には10発平手が飛ぶことになった。5点以上取っていた場合にはシルビアはお尻を叩かれずに済んだが、その点数をとることができたのは一教科だけだった。積み上げられたノートをおばさんが全部扱い終えるまでに、シルビアのお尻は真っ赤になっていて、間違いなく、とてもとても痛そうだった。シルビアは大きな声をあげてしばらくのあいだ泣き続けていた。
「よろしい」とおばさんは言いながら涙のまだ引かない娘の耳をつかみ、「ここで30分立っていなさい。それから『期末レポート』についてあなたとたっぷりお話することにします」
母親のこの言葉を聞いて、シルビアの目からはすごい勢いで涙があふれだした。おばさんはシルビアの耳を引っ張ってキッチンの隅まで連れて行くと、壁に向いて立たされた娘のワンピースのすそをたくしあげて、ワンピースと同じギンガムチェックの布地でできているウエストベルトの内側にたくしこんだので、お尻が真っ赤に染まった様子をシルビアはさらし続けなければならなかった。シルビアを横目に、おばさんと私ふたりは紅茶を飲み、ケーキを食べた。私たちがお茶の時間を楽しんでいる間に、シルビアのあげる泣き声はだんだんとめそめそ泣く声、それからくすんくすんと鼻をすする音に変化していき、しまいには何も聞こえなくなった。時計を睨みつけていた私が正確な時刻をおばさんに教えたので、30分後に彼女は言った。
「いいでしょう、シルビア。反省の時間は終わりです。二階に行って、制服とパンツを脱いで、ヘアブラシを持ってきなさい」
「だめ、無理、ママお願い!ヘアブラシは絶対いや。お尻が痛いの」
「すぐ行かないともっともっとお尻を痛くすることになりますよ。いまなら10発で済むけど、12発に増やしてあげましょうか。それもすぐに15発に増えるわよ…」
「やだーーー!」シルビアは猛ダッシュしてキッチンから出て行った。走ると、肉付きのいいシルビアのお尻の筋肉は上下にはずみ、その動きに合わせてぷるぷるとお尻の肉が波打った。シルビアにとって、強制的に無様な姿をさらけだされていることなどどうでもよく、彼女の頭の中はお仕置きでいっぱいなのだ、と私は思った。一分かそれくらいして、シルビアが二階から降りてキッチンに戻ってきた。いまのシルビアは白のタンクトップと靴下だけの姿で、サンダルをはいてヘアブラシを手に持っていたが、隠したいものを隠すために、それをちょうど下腹部のあたりに来るように持っていた。
「居間に行きなさい」おばさんが言った。「ヘアブラシをコーヒーテーブルに置いておくこと。置いたらソファの肘掛けに腹這いになって、ママが行くまで待っていなさい」
シルビアは踵を返してキッチンを出て行った。またしても、立派に成長したお尻の筋肉が、シルビアの走る動きにあわせてぷるぷると揺れるさまを鑑賞することができた。おばさんは、やり残したキッチンの仕事をいくつか済ませている気配で、急ぐ様子はまったくなさそうだった。15分が経った頃、彼女は「そろそろシルビアとお話をしに行く時間かしらね」と言うと、キッチンのドアにむけて歩き始めた。
私はどうにも動けなかった。読者の方はお気づきだと思うが、私は男子らしい細かいことは気にかけない態度とはすっかり無縁だったのだ。この期に及んでなお、シルビアがお尻をたたかれるのを見物しに居間に行くのが当たり前の行為だとは、私には思えなかった。いままではいつも、お仕置きが始まる時、私はその前からその場所にいたのだった。私が許可なくついていったら、おばさんは、私のことをずうずうしい子だと思うかもしれない。それで、決断できない苦しさと欲求不満に頭を抱えつつ、私は次の一歩を踏み出せずにいた。結局のところ、彼女についていく決断をする勇気が足りなかったのだ。しかし、おばさんに何か促されれば話は別だった。
おばさんが居間の扉から私に呼びかけた。「どうしたのフィリップ君。お馬鹿さんみたいに突っ立ってないで、こっちこっち。お楽しみがはじまるわよ」
これ以上ない後押しを受けて、私は無関心を装うこともせずに、おばさんのあとを足取りも軽く進んでいった。
居間に入ってすぐ私の目に飛び込んできたのは、クッション生地が張ってあるソファの肘掛けの上にシルビアの裸のお尻が乗っている光景だった。ソファの脇のコーヒーテーブルに目をやると裏側がすべすべした木でできている、楕円形をしたヘアブラシが置いてあった。私はコーヒーテーブルをやり過ごし、シルビアがいるソファと直角の方向、少し後ろの位置に置かれている肘掛け椅子に陣をとった。そこは、一番大切なお尻を鑑賞するのにおあつらえむきの場所だったが、シルビアが私のほうに振り返った場合には彼女の顔も目にしなければならない場所でもあった。シルビアは振り返ったが、私ではなくコーヒーテーブルに顔を向けて、母親がヘアブラシを手に取る様子をじっと窺っていた。しかしおばさんは、ヘアブラシをすぐに元の位置に戻すと、娘のお尻を納得いかない様子で眺めやった。
「ひとつクッションを肘掛けの上に載せなさい、シルビア。もっとお尻を上に持ちあげないとだめみたい。はい、すぐ動く」
「どうしてよママ?」シルビアは不平を言ったが、立ちあがってクッションを取り、ソファの肘掛けに乗せてその上に身体を乗せた。
「そうね」おばさんはまだ娘のお尻の位置に明らかに納得がいっていないようだった。「もうひとつ追加ね」と言うと、別のクッションを投げた。「重ねておなかの下に入れなさい」
シルビアはうめき声をあげたが、そのクッションを重ね、その上に身体を乗せてうまくバランスをとった。ようやく、上半身の重みでシルビアの姿勢は前のめりになり、彼女自身は年齢の割に背が高いほうだったけれど、両足は床から離れて宙に浮いた。
「よくできました」おばさんがほめた。
私はこの一連のやりとりのあいだ、集中してシルビアのお尻だけを鑑賞していたのだが、ふと、シルビアが怒りに満ちた目で私をにらみつけていることに気付いた。私は罪悪感を感じて頬を赤らめ、シルビアから眼をそらしたが、待てよと思いなおした。私とシルビアの現在の立ち位置を考えれば、にらみつけられたくらいで遠慮するのも滑稽だったからだ。それで私は、シルビアの目を見つめ返してのけると、ゆっくりその視線を彼女のお尻へと移していった。おばさんがヘアブラシを手にとった。
「さてシルビア。お仕置きの数は12発だったかしらね」
「違うママ!」シルビアが大きな声で必死になって言った。「10発って約束したよ!」
「どうしたものかしら。クッションで余計な手間をかけさせた分は追加でおしおきしてあげてもいいけれど、今日はきつーい10発で許してあげます」
おばさんはシルビアのお尻のすぐそばに陣取ると、ヘアブラシをお尻の上に高く振りかぶった。私は隙を見てシルビアの顔を盗み見たが、彼女は正面に向き直っていた。私がすぐさまお尻に目を戻したちょうどそのとき、ヘアブラシが振り下ろされ、パーン!とものすごい音を立てて左のお尻に命中する光景が目に入った。上履きを使ったときと同じく、おばさんは1発ごとに30秒の休みをとったから、計算上、10発のお仕置きが終わるには5分かかることになった。私にはその時間がとても長く感じられたけれど、シルビアにとってはそれこそ果てしない時間に感じられただろう。空中に高く突き出された彼女のお尻めがけて容赦なくヘアブラシが叩きこまれ、左のお尻、右のお尻、左右両方、それから上下と強烈な一発がお見舞いされていき、しまいには、楕円形の真っ赤な跡が重なりひとつに合わさってしまった。シルビアは取り乱し泣きわめていた。
10発の罰を終えると、おばさんは娘に、二階に上がって、次の1時間を自分の部屋で過ごすように言いつけた。シルビアはその措置にありがたく従い、泣きながら足早に居間をあとにした。おばさんはクッションを元の位置に戻し、それから30分ほどして両親が私を迎えに来た。両親はおばさんにたいそうお礼を言って、それから私たちは家路についたのだった。
シルビアのママ(2)
作:サイモン・スミス
あの出来事があってからというもの、私はシルビアを遊びに誘う気になれなかった。私は罪悪感を感じ、恥ずかしい思いをしていた。とはいっても、そうした気持ちはシルビアを慮ってのものではなく、自己中心的な性格をした私自身が感じている気持ちにすぎなかった。しかし、数日がたって、シルビアが私の家の裏口に姿を見せた。シルビアは身近な遊び相手に退屈して、お仕置きの記憶は都合良く脇において、私と遊ぶことに決めたのだろうと私は推測した。シルビアはお仕置きについて口にしなかったし、私も紳士的な態度をとるように努め話題に出すことはしなかった。あの恥ずかしい出来事はヴェールで覆われ、まるでなにも起こらなかったかのように、私たち二人は遊び仲間としての今まで通りの関係を取り戻した。シルビアはすぐに調子を取り戻す子だったので、彼女はすぐに今までと同じように私を配下の者として扱うような態度をとりはじめた。まるで、自分が裸のお尻にお仕置きを受けているところを見られたことがないみたいだった。それでも、シルビアの取る態度があまりにもひどいときには、私は、涙を浮かべた彼女が真っ赤なお尻をさらけ出して、さらなるお尻へのお仕置きを待っている姿を思い描くことができるのだった。
残念なことに、私が以前と同じようにしょっちゅうシルビアの家に遊びに行っても、シルビアへのお仕置きをほのめかすものは影も形もなく、耳にすることもなかった。そして、外からシルビアの家を眺めるときは、閉ざされた扉の内側でどんなことが起きているのか知りたくて、私はいつもうずうずしていた。
何週間かして、学期末がやってきた。私はシルビアより一日早く学期末を迎えていた。私は近所の男子校に通っていたが、シルビアは近くの村に建てられた大きなカントリーハウスを校舎に使った私立の女子校に通っていたからだ。両親がふたりとも出かける予定が入ったのは、ちょうどその学期末の日のことだった。両親は私の勝手にさせておくよりいいと判断して、私をシルビアの家に預けることにした。私は、やはりおばさんに近寄りがたい印象を覚えた。シルビアにまつわるあの出来事があった後なのに、というよりも、あんな出来事を経験してしまったからこそ、そう感じたのだろう。おばさんは、あの日からもずっと私にほがらかに接してくれていた。今ここで説明しておくと、彼女の夫はエンジニアで、海外で過ごすことが多い人だった。
それで、私は親切でいろいろと気を利かせてくれるおばさんと楽しい一日を過ごした。出してくれる物はおいしかったし、たいそう満ち足りた気分だった。午後4時を回ったころ、シルビアが学校から帰ってきた。彼女は家に転がり込むようにして入ってくると、かばんを投げ出して、制服から着替えるために階段を駆け上がろうとした。
「待ちなさい!」おばさんが言った。「期末レポートを見せなさい!」
シルビアは戻ってくると茶色の長封筒を母親に手渡した。とても嫌そうなそぶりだった。
「読むまで待ってなさい」おばさんは言った。
おばさんがナイフを使い封筒を開けているあいだ、シルビアは不安そうに、右足左足と立つ足を変えながら落ち着きなく立っていた。シルビアは学校の制服姿だった。緑色のギンガムチェックのワンピース。その上に、黄色の校章バッチが留まった緑色をしたブレザーを着て、足にはひざ丈の白い靴下とこげ茶の留め金付きのサンダルを履いていた。学校に行く時、彼女のはちみつ色をした豊かな金髪は、普段よりもきちんと、緑のリボンで二つ結びのおさげにまとめられていた。
通知表を読み進めてくうちに、おばさんの口は不快感もあらわに固く閉じられていった。私は期待に胸が高鳴るのを感じた。シルビアは指でスカートのすそをいじっていた。
「数学―<注意力散漫、やる気がみられません>、英語―<まったく努力した形跡がみられません>、歴史―<もっとがんばりましょう>、地理―<もっと勉強が必要です>、美術―<教室の調和を乱しています>、聖書―…もうたくさん。こんな通知表をもらってきて、ママは恥ずかしい」
「私が悪いんじゃない」シルビアはむっとした様子で言った。「先生たちが良い評価をくれないだけよ」
「あなた、先生たちはあなたについてうそをついているとでも言う気なの?」おばさんが娘に答えを促した。
シルビアはためらった。彼女は罠にかかってしまったのだ。先生がうそをついているのかどうか、シルビアがそれを否定しようが肯定しようが、事態は悪いほうへ悪いほうへころがっていきそうだった。「そんな感じ」シルビアは不機嫌な様子で取り繕った。
「そう、そうしたら、ママはブラッドショー先生に電話をかけて、校長先生としてお書きになったコメントを確かめる必要があるようね。『今学期、シルビアの成績が伸びなかったのは、能力がないからではありません。授業で努力せず、この学校のルールを守る意識に欠けているのが原因です』 あなたは、ブラッドショー先生がここでおっしゃっていることは正確ではないと言いたいのね?」
またしても、シルビアは罠にはめられ、なんとか気をきかせてそこから逃れなければならなかった。ほんとうに罠から抜け出るみたいに、彼女は身体をよじって言った。
「あの先生は私のことが嫌いなの」
「そうでしょうね。校長先生があなたが学校に通うことをいまだに許してくださっているのが不思議で仕方がないわ」
「退学になっても私は気にしないけど?」シルビアが言い放った。
「この子は!」おばさんは叫び、娘の腕をつかまえた。シルビアは抵抗したがバランスを崩され、この11年間のアドバンテージで、おばさんはキッチンの椅子に座り膝の上に娘を乗せることにやすやすと成功したのだった。これまでの経験から、次に何が来るのか私にはわかっており、その期待は裏切られなかった。おばさんが制服の緑色をしたギンガムチェックのワンピースのすそをまくると、濃い緑色のパンツがむきだしになった。シルビアがそのパンツを穿いたままでいられるのも時間の問題だった。少なくとも、パンツを普通の状態で穿いてはいられなかった。おばさんがふとももの下までパンツを下げて、裸のお尻を激しく平手で懲らしめはじめたからだ。
シルビアは足をけり上げ、もがき、叫んだ。「やめてママ!痛い!痛い!やめてってば!ひどいよママ!いったぁい!」おばさんはそんな娘の反応はまったく気に掛けず、片手で身体をしっかり押さえ、片手でお尻を力いっぱいひっぱたいていた。シルビアのお尻の肌の色は、白からピンク、そして赤へと変わっていった。しかし、がっかりするくらい短い時間(もちろん私にとって、である)で、おばさんは「たちなさい」と言うと、強烈な一発をお見舞いしてからシルビアを抑えていた手を放したのだった。
すぐさまシルビアが立ち上がると、ワンピースの裾が落ちてお尻を隠してくれた。シルビアは綿のワンピースの上からお尻をさすってから、腰をかがめてひざまで手を伸ばし、パンツをあげた。悲しいことに、おばさんはそれを許し、ブレザーをハンガーにかけて学校用のかばんを持ってくるように言いつけた。「ノートを全部出しなさい。このテーブルの上に置いて、座りなさい」 シルビアはむくれた様子で、たぶん不快な感触を抱きつつ、イスに座った。シルビアの前には、彼女の今学期の成績が中に書いてあるノートが薪のように積み上げられていた。おばさんはシルビアの左斜め向かいのイスに座り、私にはちょうど自分と向かい合うイスを勧めてくれた。おばさんは積み上げてあるノートから一冊をとりだしたが、そのノートには「国語」と書いてあり、そのノートを開いてぱらぱらとめくった。ページの半分はぞんざいに走り書きされところどころしみで汚れたインクの筆跡で埋まっているうえに先生がそこかしこに赤ペンを入れており、文学上の傑作とは程遠い様相を呈していた。ノートの終わりには、「非常に不出来です。2/10」と赤ペンで記してあった。
「これでも、あなたがとったひどい成績についてオーピー先生は誇張しておっしゃっていると言うつもり?」おばさんは尋ねた。
シルビアは肩をすくめた。
「立って机に伏せなさい」
シルビアは口をへの字に曲げると下唇をつきだし、ためらい続けたまま椅子に座って長いこと動かなかった。私が、シルビアはおばさんの命令に従わないつもりなのだろうかと疑うほど長い時間がたってから、彼女はおおげさに立ち上がると椅子を後ろに下げて腰から上を前に倒したので、上半身は机の上にうつぶせになり、お尻は机の端にのっかる格好になった。おばさんも椅子から立ち上がり、シルビアのワンピースをたくしあげると、パンツを下げた。「意味わかんない」シルビアは本気で腹を立てているようで、不満を述べ立てた。「成績のぶんならもうママ私のお尻叩いたじゃん!」
「何言ってるのシルビア、まだまだよ」おばさんが言った。「そのお仕置きはこれが済んだあとです。さっきあなたは、間違っているのは先生だと言ったわね?今からはじまるのは調査です。授業科目をひとつひとつ調査して、もし先生のコメントが正しければ、その都度あなたのお尻を叩いてあげます」
「はあ?意味分かんない…」シルビアは不平たらたらだった。
「あなたが悪い子なのがいけないんです。ぶつぶつ言わない」
おばさんはシルビアのお尻をひっぱたいた。強烈な8発。シルビアは机の向かい側の端を握っていたが、強く握られたこぶしからは血の気が失せていた。彼女は伸ばした両腕のあいだに顔をうずめていたが、お尻を叩かれている間ずっと、押し殺された小さな悲鳴が聞こえてきた。
「いいでしょう。座りなさい」 少し間を空けて、おばさんが促した。またも、シルビアのワンピースの裾は重力にしたがって落ち、シルビアが何もしないでも自然とお尻を隠した。シルビアは、慎重にお尻をさすり、パンツに手をかけて元の位置まで戻した。おばさんが言った。「パンツもそのままにしておきなさい、これからたくさんの科目のノートを一冊一冊見ていかなければならないし、どうしたってあなたはパンツを下げないわけにはいかないわよ」
「そんなの…」シルビアは反論しかけたが思い直したようで、そっと椅子に座った。
次のノートは「数学」のタイトルがついていた。シルビアの勉強成果を反映して、ノートのページは混乱きわまった計算の数字で埋まっており、たいていそれには赤ペンで×がついていた。ノートの終わりに、1/10の点数がついていた。
「私悪くない。分数とかぜんぜんわからないんだけど?」シルビアが声を荒げた。
「立って机に伏せる」
シルビアは立ち上がり、机に伏せた。おばさんはスカートをめくると、娘のむきだしのお尻を平手で叩いた。今回、シルビアが食らった平手の数は9発だった。シルビアのお尻は濃い赤色に変化しつつあり、シルビアはお尻を一発平手を食らうごとに上にはねあげ、びくっとひきつらせていた。シルビアの叫び声はどんどん大きくなっていき、机から起き上がるときには鼻をすすり涙をぬぐっていた。彼女はとても慎重に自分のイスに座った。学校指定の緑色のパンツが、スカートのすそのちょうど下、膝小僧あたりで丸まっているのが見えた。
それからはこの繰り返しだった。彼女は、10点満点から、自分が取った点を引いた数字と同じ数、お尻を叩かれているようだった。というわけで、おばさんが手に取った歴史学のノートには4/10と書かれていたから、シルビアは6発お尻を叩かれることになり、聖書の授業のノートに書かれた0/10にしたがってお尻には10発平手が飛ぶことになった。5点以上取っていた場合にはシルビアはお尻を叩かれずに済んだが、その点数をとることができたのは一教科だけだった。積み上げられたノートをおばさんが全部扱い終えるまでに、シルビアのお尻は真っ赤になっていて、間違いなく、とてもとても痛そうだった。シルビアは大きな声をあげてしばらくのあいだ泣き続けていた。
「よろしい」とおばさんは言いながら涙のまだ引かない娘の耳をつかみ、「ここで30分立っていなさい。それから『期末レポート』についてあなたとたっぷりお話することにします」
母親のこの言葉を聞いて、シルビアの目からはすごい勢いで涙があふれだした。おばさんはシルビアの耳を引っ張ってキッチンの隅まで連れて行くと、壁に向いて立たされた娘のワンピースのすそをたくしあげて、ワンピースと同じギンガムチェックの布地でできているウエストベルトの内側にたくしこんだので、お尻が真っ赤に染まった様子をシルビアはさらし続けなければならなかった。シルビアを横目に、おばさんと私ふたりは紅茶を飲み、ケーキを食べた。私たちがお茶の時間を楽しんでいる間に、シルビアのあげる泣き声はだんだんとめそめそ泣く声、それからくすんくすんと鼻をすする音に変化していき、しまいには何も聞こえなくなった。時計を睨みつけていた私が正確な時刻をおばさんに教えたので、30分後に彼女は言った。
「いいでしょう、シルビア。反省の時間は終わりです。二階に行って、制服とパンツを脱いで、ヘアブラシを持ってきなさい」
「だめ、無理、ママお願い!ヘアブラシは絶対いや。お尻が痛いの」
「すぐ行かないともっともっとお尻を痛くすることになりますよ。いまなら10発で済むけど、12発に増やしてあげましょうか。それもすぐに15発に増えるわよ…」
「やだーーー!」シルビアは猛ダッシュしてキッチンから出て行った。走ると、肉付きのいいシルビアのお尻の筋肉は上下にはずみ、その動きに合わせてぷるぷるとお尻の肉が波打った。シルビアにとって、強制的に無様な姿をさらけだされていることなどどうでもよく、彼女の頭の中はお仕置きでいっぱいなのだ、と私は思った。一分かそれくらいして、シルビアが二階から降りてキッチンに戻ってきた。いまのシルビアは白のタンクトップと靴下だけの姿で、サンダルをはいてヘアブラシを手に持っていたが、隠したいものを隠すために、それをちょうど下腹部のあたりに来るように持っていた。
「居間に行きなさい」おばさんが言った。「ヘアブラシをコーヒーテーブルに置いておくこと。置いたらソファの肘掛けに腹這いになって、ママが行くまで待っていなさい」
シルビアは踵を返してキッチンを出て行った。またしても、立派に成長したお尻の筋肉が、シルビアの走る動きにあわせてぷるぷると揺れるさまを鑑賞することができた。おばさんは、やり残したキッチンの仕事をいくつか済ませている気配で、急ぐ様子はまったくなさそうだった。15分が経った頃、彼女は「そろそろシルビアとお話をしに行く時間かしらね」と言うと、キッチンのドアにむけて歩き始めた。
私はどうにも動けなかった。読者の方はお気づきだと思うが、私は男子らしい細かいことは気にかけない態度とはすっかり無縁だったのだ。この期に及んでなお、シルビアがお尻をたたかれるのを見物しに居間に行くのが当たり前の行為だとは、私には思えなかった。いままではいつも、お仕置きが始まる時、私はその前からその場所にいたのだった。私が許可なくついていったら、おばさんは、私のことをずうずうしい子だと思うかもしれない。それで、決断できない苦しさと欲求不満に頭を抱えつつ、私は次の一歩を踏み出せずにいた。結局のところ、彼女についていく決断をする勇気が足りなかったのだ。しかし、おばさんに何か促されれば話は別だった。
おばさんが居間の扉から私に呼びかけた。「どうしたのフィリップ君。お馬鹿さんみたいに突っ立ってないで、こっちこっち。お楽しみがはじまるわよ」
これ以上ない後押しを受けて、私は無関心を装うこともせずに、おばさんのあとを足取りも軽く進んでいった。
居間に入ってすぐ私の目に飛び込んできたのは、クッション生地が張ってあるソファの肘掛けの上にシルビアの裸のお尻が乗っている光景だった。ソファの脇のコーヒーテーブルに目をやると裏側がすべすべした木でできている、楕円形をしたヘアブラシが置いてあった。私はコーヒーテーブルをやり過ごし、シルビアがいるソファと直角の方向、少し後ろの位置に置かれている肘掛け椅子に陣をとった。そこは、一番大切なお尻を鑑賞するのにおあつらえむきの場所だったが、シルビアが私のほうに振り返った場合には彼女の顔も目にしなければならない場所でもあった。シルビアは振り返ったが、私ではなくコーヒーテーブルに顔を向けて、母親がヘアブラシを手に取る様子をじっと窺っていた。しかしおばさんは、ヘアブラシをすぐに元の位置に戻すと、娘のお尻を納得いかない様子で眺めやった。
「ひとつクッションを肘掛けの上に載せなさい、シルビア。もっとお尻を上に持ちあげないとだめみたい。はい、すぐ動く」
「どうしてよママ?」シルビアは不平を言ったが、立ちあがってクッションを取り、ソファの肘掛けに乗せてその上に身体を乗せた。
「そうね」おばさんはまだ娘のお尻の位置に明らかに納得がいっていないようだった。「もうひとつ追加ね」と言うと、別のクッションを投げた。「重ねておなかの下に入れなさい」
シルビアはうめき声をあげたが、そのクッションを重ね、その上に身体を乗せてうまくバランスをとった。ようやく、上半身の重みでシルビアの姿勢は前のめりになり、彼女自身は年齢の割に背が高いほうだったけれど、両足は床から離れて宙に浮いた。
「よくできました」おばさんがほめた。
私はこの一連のやりとりのあいだ、集中してシルビアのお尻だけを鑑賞していたのだが、ふと、シルビアが怒りに満ちた目で私をにらみつけていることに気付いた。私は罪悪感を感じて頬を赤らめ、シルビアから眼をそらしたが、待てよと思いなおした。私とシルビアの現在の立ち位置を考えれば、にらみつけられたくらいで遠慮するのも滑稽だったからだ。それで私は、シルビアの目を見つめ返してのけると、ゆっくりその視線を彼女のお尻へと移していった。おばさんがヘアブラシを手にとった。
「さてシルビア。お仕置きの数は12発だったかしらね」
「違うママ!」シルビアが大きな声で必死になって言った。「10発って約束したよ!」
「どうしたものかしら。クッションで余計な手間をかけさせた分は追加でおしおきしてあげてもいいけれど、今日はきつーい10発で許してあげます」
おばさんはシルビアのお尻のすぐそばに陣取ると、ヘアブラシをお尻の上に高く振りかぶった。私は隙を見てシルビアの顔を盗み見たが、彼女は正面に向き直っていた。私がすぐさまお尻に目を戻したちょうどそのとき、ヘアブラシが振り下ろされ、パーン!とものすごい音を立てて左のお尻に命中する光景が目に入った。上履きを使ったときと同じく、おばさんは1発ごとに30秒の休みをとったから、計算上、10発のお仕置きが終わるには5分かかることになった。私にはその時間がとても長く感じられたけれど、シルビアにとってはそれこそ果てしない時間に感じられただろう。空中に高く突き出された彼女のお尻めがけて容赦なくヘアブラシが叩きこまれ、左のお尻、右のお尻、左右両方、それから上下と強烈な一発がお見舞いされていき、しまいには、楕円形の真っ赤な跡が重なりひとつに合わさってしまった。シルビアは取り乱し泣きわめていた。
10発の罰を終えると、おばさんは娘に、二階に上がって、次の1時間を自分の部屋で過ごすように言いつけた。シルビアはその措置にありがたく従い、泣きながら足早に居間をあとにした。おばさんはクッションを元の位置に戻し、それから30分ほどして両親が私を迎えに来た。両親はおばさんにたいそうお礼を言って、それから私たちは家路についたのだった。
スポンサーサイト