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これで元通り

翻訳
07 /23 2018
これで元通り
Getting_even
投稿者:匿名希望

 私はジェニーという女きょうだいと双子で生まれました。私達ふたりは普段は良い子でしたが、もちろん時々は悪いことをしてその報いを受けていました。母は優しい人でしたが、もし私たちがわざと一線を超えた悪さをしたときには、遠慮なく私達のおしりを叩きましたし、道具を使ってお仕置きをすることも躊躇しませんでした。母にとても悪い子だと判断されたときはたいてい、私達は膝の上に乗せられて思いきりおしりをひっぱたかれたものでした。しかし私達が普通では考えられないような悪さをしでかした場合には、キッチンの壁のフックにいつもかけてある丈夫な木製のパドルを母は使いました。普段は、パドルは主に私達への警告としてそこに鎮座していました。私たち双子がパドルでおしりを叩かれたのは子ども時代を通じてそれぞれ二回ほどに過ぎません。そしてそのうちの一回は、私が自分から親に頼み込んでお仕置きしてもらうというかなり特殊な状況だったのです。
 私たちが9歳だった夏、いとこのジェームズと私はテッド叔父さんからタバコを一箱「拝借」しました。私たちは森に忍び込んで何本も煙草を吸いました。気持ちが悪くなり、寒気を覚え、咳こんだり息を詰まらせたり。ジェニーは参加を拒否し、吸うのをやめないとガンになると言いました。

 ところで私はその夏休みに、学校の友人を訪問して一週間過ごす予定を立てていました。出発予定日前日、いまでは半分以下になったタバコの箱は、たまたまジェームズではなく私のところにありました。唐突に私は、家を空けている間に部屋を母が徹底的に掃除する可能性が高いことに気が付きました。部屋にタバコを隠すなどもってのほか。人目がないことを確認して、すぐに廊下を横切りジェニーの部屋に入ると、ベッドのマットレスの下にタバコを隠しました。ジェニーには後でそのことを教えておくつもりだったのですが、浮かれて旅行の支度をしているうちに忘れてしまいました。

 一週間後私は家に帰ってきて、すぐに気付いたのは、ジェニーが話をしてくれないことでした。ジェニーが荒れていることだけはわかったので、何か気分を害しているのか尋ねようとすると、彼女はありったけの力でドアを叩きつけるように閉めると部屋を出ていってしまいました。

 なにがなんだかわかりませんでした。 私は頭を捻り考えに考えて……ついにあのタバコの箱のことを思い出したのです。

 ジェニーはリビングルームでテレビを観ていました。私は隣に座り、ジェニーが部屋を飛び出そうとするところを、声を抑えて尋ねました。

 「お母さんがタバコを見つけたの?」

 「それが何?」ジェニーは私の顔を見ずに「最低」と吐き捨てました。

 「ごめん!」 私は必死に謝りました。「言うつもりだったんだけど………」

 この時母が部屋に入ってきたので、私達は母が部屋を出て行くまで話を止めました。

 「こっち」と私は自分の部屋へと階段をあがると、ジェニーもあとからついてきました。

 部屋に入ると、ジェニーは腕を組み私を睨みつけて言いました。 「ひどいよね?」

 「ジェニーほんとごめん……気をつけてって言うつもりだったのは信じて。だけど……その……言うのを忘れちゃったんだよ!」

 自分でもこれはひどい言い訳だと思いました。

 「何が起きたのか教えて」

 「何が起きたかって?お母さんは私のベッドを掃除してあのタバコを見つけたんだよ!」

 「それでお母さんにはなんて言ったの」

 「何も。告げ口するつもりなんてなかったし」

 「それで、それから?」

 ジェニーは私のベッドに腰を下すと、暗い声で言いました。 「おしりを叩かれた」

 それを聞いて私は完全に気分が悪くなり、病気にでもかかってしまったような感覚に陥りました。ジェニーはここのところずっと両親と何の問題もありませんでした。 私は彼女よりもずっと多くの面倒事を引き起こしていました。実に2年ぶりに、ジェニーはおしりを叩かれたのです。私のせいで!

 「まさかそんな……。タバコは僕のだって言ってくれれば良かったんだ。僕の代わりにお仕置きを受けただなんておかしいよ!」

 「おかしい?ほんとだね!」ジェニーは指をパチンと鳴らすと、「私だって信じられないよ。パンツ下げておしりぶたれた。すごく痛かったんだから!」

 「本当に?」
 弱々しい声で私は尋ねました。

 「本当に決まってるじゃん。あなたにはがっかりしたって何度も何度も言われた。ものすごく叩かれた。恥ずかしくて死ぬかと思った、だって私何もしていないんだよ?」

 ジェニーは私を許してくれそうもありませんでした。とりつくしまもありませんでした。いままでずっと仲良しだったのに、双子の私達はいつだってそばにいたのに、その仲がこうして突然壊れてしまったことは私にとって苦痛以外の何物でもありませんでした。 この事態を引き起こしたのは完全に自分の落ち度で、あまつさえジェニーはそれでお仕置きされてしまったのです。最悪でした。

 埋め合わせする方法は見つかりそうにありませんでした。そしてついに私は口を開きました。「お母さんに全部話す。そしておしりを叩いてもらう。それで許してもらえる?僕には必要な罰だし、お母さんはジェニーが何もしてないってわかる」 お仕置きは怖いけど、ジェニーに嫌われることに比べればなんでもない。それがその時の私の気持ちでした。現に自分はお仕置きを受けるだけのことをしでかしているし、そうしてお仕置きを受ければ、いまもこうして心をしくしくと痛めつける罪悪感は消えるのだ、と。

 ジェニーは少し考えてから言いました。「それでいいよ、お仕置きは絶対ね。でもそれだけじゃだめ。私のお仕置きよりきつくなきゃだめ。お母さんがパドルでおしりをぶたなきゃ許さない」

 パドル!私は尻ごみしました。いままでパドルを使われたのは一度きりで、それは私が学校でクラスメイトの男子の昼食用のお金を盗んだときでした。普通のおしりペンペンに比べてパドルのお仕置きがどれだけきつかったか、私は鮮明に覚えていました。

 それでもその日の夜、私はベッドの中で決心したのでした。包み隠さずお母さんに話そう。おしりを叩かれるのは確実として、もしお母さんがパドルを壁から下ろさないのなら、パドルを使ってくれるように自分から頼みこむしかない。私は、母の膝の上に横たわりずっしりとしたパドルでおしりを打たれる衝撃を想像しました。辛いだろう。でも、今感じている重圧から解放されるのは確かだ。

 翌朝、私は自分の考えをジェニーに話しました。ジェニーは半信半疑な様子だったけれど、私は彼女に自分と一緒に来てほしいと頼みました。下に降りて行くと、母はキッチンで朝食の準備をしているところでした。

 「お母さん」私は口を開きました。「言わなくちゃならないことがあります」

 「何かしら?」興味津々な母の返事。

 「ジェニのベッドの下にタバコを隠したのは僕です」

 しばらく母は押し黙っていました。母はジェニーと私を見つめると、ついに口を開き、「それは本当なの?」と尋ねました。

 「タバコを吸っていたのは僕たちで、ジェニーは一度も吸ってません。ジェニーは僕たちがガンになるって」

 「ジェニーが正しい。ジェニーは話してくれた?それでおしりを叩かれたって」

 「聞きました。それでほんとうのことを話さなくちゃと思って。だからジェニーは悪くないんです。ジェニーはタバコを吸ってないんだもの」

 母はエプロンを外すと言いました。「わかりました。トミー、立派ね。あなたが打ち明けてくれたことをお母さん誇りに思います。でもお仕置きはしなくては、わかっていると思うけれど」 母はそこでいったん言葉を切り、続けました。「さあトミー、自分の部屋に行って―」

 私は急いで口をはさみました。「お母さん、お願い。僕はタバコを吸っただけじゃない。ジェニーを巻き込んじゃった。だからジェニーより辛いお仕置きを受けないといけないと思う」 私は深く息を吸い込みと、母を見上げて言いました。「パドルを使って」

 母は眉をひそめました。「トミー、お母さんは……」

 「お母さん、お願い!それだけのことを僕はしたんだもの」

 「パドルはずっとずっと痛いんだから。何をお母さんにお願いしているか良く考えて」

 「もうずっと考えに考えて、それでも、お願いです」

 母はジェニーを見つめ、ジェニーも母を見つめ返しました。二人の視線が交錯しました。

 もう何も言わずに、母は歩いていって壁にかけてあったパドルを外すと、キッチンを出て二階にあがっていきました。ジェニーは私を見て、複雑な表情でにこりとしました。私達二人も母のあとについて二階に上がりました。

 普段私のお尻を叩く時、母は部屋のドアを閉めました。お仕置きはプライベートなものだったのです。でも今回は、母はジェニーを締め出すようなことはしませんでした。ジェニーは開けっぱなしのドアのそばに立って、見ていました。母がベッドに腰かけたので、私はそばにいきました。

 誰も一言もしゃべらない中、私はズボンとパンツを一緒に下まで下ろすと母の膝の上に乗りました。心臓にぽっかり穴があいたような感覚がして、無性におしっこに行きたくなりました。すでに目は涙でひりひりと痛み、パドルへの恐怖が私を襲っていました。それでも私の気持ちは揺らぎませんでした。これはやり遂げなければいけないことだし、ジェニーにお仕置きを見届けてほしかったのです。明らかに、それはジェニーの望みでしたから。

 母の手が私の小さな背中に置かれたのを感じた次の瞬間、パドルが私のむきだしのおしりに炸裂しました。私は強烈な痛みに息を呑み、身もだえを止めることができませんでした。母は私の身体をしっかりと抑えつけたまま、さっきと変わらない強さでパドルを振り下ろしました。全部で12発のパドルを受けた後、私は泣きわめき、おしりは熱に包まれずきずきと痛みました。母は私を膝から起こすと、部屋を出て行きました。

 私はベッドに身を投げ、枕に顔をうずめて泣きました。パドルでお尻をぶたれる痛みは想像していたよりもひどいものでした。それでも、痛みや屈辱感にもかかわらず、私は大きな重荷から解放されるのを感じていました。私は罰を受け、ジェニーへの償いは終わったのです。私は自由の身でした。

 私は徐々に落ち着きを取り戻し、ジェニーがまだドアの所に立っていることに気がつきました。ジェニーはお仕置きに立ち会い、私がそれで泣いている姿をいままでずっと見ていたのです。ジェニーは歩み寄ると、ベッドの脇に膝をつきました。ジェニーのひんやりした手が、熱に包まれた私のおしりにちょこんと触れました。「これで元通り」ジェニーは優しく言いました。「また私達、仲良しだね」

 ジェニーは部屋を出て、ドアを閉めました。涙で頬を濡らしたままだったけれど、私は笑顔を浮かべました。子ども時代を通じて一番厳しかったのがこのお仕置きでしたが、お仕置きをもらって本気で嬉しい思いをしたのもこの時だけでした。

iwayuru