最初に
このまとめは、二次創作、ファンコミュニティ、公式とファンのSNSを使用したコミュニケーション関係全般の問題提議と提案をするために作成したものです。
※長文が過ぎたので短くしましたけど、まだ長い。
作成者 あかい
トルーパーからの同人バブル世代の古の腐女子。二次創作同人歴は20年以上。職業はフリーランスのIT土方(上流)。
対象
腐女子(特に二次創作を愛する者)、夢、オタク、ドルオタ、とにかく愛する推しのいる方。
- 最初に
- 前提
- そもそも公式凸は何が問題なのか?
- 提案
- そもそもその意見は正しいの?
- 公開で意見・要望をするデメリット
- 空気は感染する
- 公式凸を注意したら、公式アンチはジャンルを去れと言われた件
- まとめ
前提
①SNSの普及で漫画家や制作側と直接ファンがコミュニケーションが取れるようになっている。それに伴うトラブル=公式凸が問題になっている。
→夢、腐、非公式のノマカプのいわゆる二次創作ファンが、絶対のはずの公式に自分の妄想を意見や要望として、一次創作に求めて良いのか、Twitterで議論になった。
※ここでは個人の理想の作品を二次創作とします。
→ついには公式凸がYahoo!ニュースにまでなってしまった。
②自ジャンルでは、公式アカウント、公式関係者、コラボ先企業などいわゆる公式アカウントへの公式凸が一年以上常態化しており、他ジャンルではあまり類を見ない状況になっている。
公式が自分の希望した展開と違う、自分が思うこうあるべき公式とは違う=公式が間違っていると一貫して主張し続けている。
※これらは極一部です。
そもそも公式凸は何が問題なのか?
様々な問題点が考えられる。
①コミュニケーションの質の問題。
⇨SNSの普及で昔ならば、一生口を利く事もなかったであろう、漫画家やアニメーターなどの表現者や制作側と、コミュニケーションが直接取れるようになっている。
当然だが向こう側にいるのは人間である。コミュニケーションの取り方を誤れば、筆を折るような大惨事にもなりかねない。
②グレーゾーンを守るための暗黙の了解の喪失問題。
⇨こっそりと隠れて作品公開した個人サイト時代には、公式に自分の理想の展開を求めて突撃するなんて考えられなかっただろう。
二次創作を愛する者はグレーゾーンで活動するため、「公式には当たらず障らず迷惑を掛けず」というのが暗黙の了解になっており、烏合の衆であっても「自衛」と「二次創作を守る」という目的で公式から提示された明確なルールがなくても、自制的な行動が取れていたが、現在ではその暗黙の了解が通じなくなってきている。(という懸念。)
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③個人の発言の責任&営業妨害にあたる可能性の問題。
⇨公式のアカウントはオタクだけではなく、一般の人や子供、企業関連の人が見る可能性がある企業の広報ツールである。営業妨害に当たるようなデマを流布すれば、個人も責任を追及される現代において、ファンや個人は免罪符にはならない。
④表現の自由の尊重の問題。
⇨①に類似するが、作品にファンは感想や感謝は伝えられても、方向性には口を出せない。作り手が「自分の良いと思った作品、作りたい作品を、自分の思い通りに作れる」ことを、「正義」としなければならない。
創作はサービス業ではないし、編集者でもクライアントでもないファンは、創作には関われない。
⑤ファンが減る可能性の問題。
⇨好きな漫画家が炎上して叩かれて、喜ぶ人は少ないだろう。アンチでもなければ。
民度という言葉があるように、特に女性はファンがめんどくさそうなファンの多いジャンルを避ける傾向がある。
なお今回の件で取られたアンケートでは以下の結果が出ている。
※RTに公平性があったとは言えないため、数値の信ぴょう性は怪しいが、少なくとも約3割が公式凸でファンが減る可能性がありうると答えており、約8割の人が公式凸が原因の炎上が悲しいと答えている。
公式凸が原因で、ファンが減る可能性は高い。
⑥金を払っていれば、どんな要望も意見も公式凸して、良しとするのかの問題。
金を払っている顧客であれば、子供向けの作品や男性ファンが多いような作品の公式アカウントに、マイノリティである大きなお友達や腐女子が空気を読まない要望や意見をする事を、良しとしてしまって本当に良いのか。オタク全体のマナーの話。
金を払っていれば何を言ってもいいのなら、あなたはこれも許しますか?
⑦公開で一部のファンの要望を答えることのファンへの公平性を損なう問題。
公式アカウントはファンへの公平性を担保しなければならない存在である。
公開で一部の声のでかいファンの要望を聞いてしまうことの、ファン同士の依怙贔屓感からくる争いにつながる危険性。
それ以外にも問題は多数あると思われるが、ここでは、特に②と⑤と⑥と⑦の問題をメインとして取り扱う。
提案
それでも作品の展開に、どうしてもここをこうしたらもっと売れるのに、面白くなるのにと、一言言いたくなってしまうことはあると思う。人間だもの。
(※差別的な表現や不具合など、公開で批判すべき内容はここでは除外する。)
その場合は、
①ご意見は第三者の見れる公式アカウントに直接ではなく、ご意見フォームなどのクローズドな場所で。
(意見を公式に言いたいという要件は、公開で公式アカウントに直接しなくても満たされるはずである。)
②感想や批判は匿名掲示板や自分のブログや自分のアカウントに、公式タグをつけずに好きなだけどうぞ。
(公式は見たければ検索して見るだろうから大丈夫。)
定番ではあるが、この二つを改めて強く提案したい。
公式を批判することを悪としているのではない。
公式アカウントは企業の広報ツールである。オタクだけが見るものではなく、一般の人、子供や、これからその作品とコラボしようと考えている企業関係者だって見るだろう、言うなればお店の入り口、玄関である。
スーパーの入り口でクレームを大声で叫んでいる人がいれば、他の客は入店を避けるし、「お客様、バックヤードへどうぞ」と必ず裏へ案内される。
もしその店のファンで、店を潰したくないのなら、料理に虫が入っていても、他の客に気づかれないようにそっとお店の人に教えるだろう。
好きな作品を潰さないための、ファンやオタクとしての質の向上の提案である。
そもそもその意見は正しいの?
⑥金を払っていれば、どんな要望も意見も公式凸して、良しとするのかの問題についてに関連する話。
オタクはマイノリティだ。Twitterでは自分と同じ嗜好の人だけをフォローしてるから、自分がさもマジョリティのような気がしてくるかもしれないが、腐女子やコミケに参加するような層が世間のマジョリティになることは絶対にない。
ゲームがマニアの意見ばかり採用していれば、マニアックになりすぎたり、難易度が上がりすぎて商品は売れなくなる。
女子が戦う幼女向け作品の子供もお母さんも見ている公式アカウントに、大きなお友達が、「キャラにパンチラをさせればもっと円盤は売れる!俺なら買う!」としつこく公開で要望するのは、本当に正しいことだと言えるだろうか?そりゃあなたは買うかもしれないけどさぁ。。。
だからあなた個人の意見が、商業的にも一般的にも正しいなんてことはありえない。下手するとあなたがボコボコに叩かれて終わりだ。
あなたの萌えは誰かの萎えかもしれないし、あなたが原作で見たくない気に入らない女性キャラは、必ず誰かの推しキャラだ。
あなたの意見が通った所で、絶対に売れるとは限らないのだ。
オタクには自分が「少数派」であるという自覚が必要である。
公開で意見・要望をするデメリット
⑦公開で一部のファンの要望を答えることのファンへの公平性を損なう問題の話。
公式アカウントは公平性を担保しないといけない存在である。
一部の意見を公開で聞いてしまうと、味をしめた層が必ずエスカレートする。ソーシャルゲーム系で発生する詫び石乞食と同じである。
クローズドの意見ならば、採用に至っても、誰の発した意見なのか、第三者に気づかれずに済むというメリットがある。
公式が公平性を欠くと必ずファン同士で争いが生まれる。自ジャンルの公式アカウントがあんなことになっているのは、これが原因である。
公式が公開のクレームに言うことを聞いてしまい、味をしめさせてしまった。公式が初手を間違えたのだ。
最近、許斐先生が炎上したのは、ファンへの公平性が疑われたからだ。この場合、公式だけではなく、贔屓されたと噂された罪のない一ファンが一方的に叩かれる悲しい方向に向かってしまった。
こちらもニュースになっている。
空気は感染する
今もどこかで公式凸は続いている。ただし、大抵は自浄作用が働き沈静化している。今の所。
ではなぜ、自ジャンルではいつまでたっても沈静化しないのか。
「これはいけないことである」という空気感を醸成できなかったのが原因だと考えている。
腐の世界では、棲みわけとして地雷=嫌なものは見ない自衛をする、ブロックして視界に入らないようにするというのが、Twitterの正しい使い方になっているが、それが悪い方向に作用してしまった。
いつだって、公式凸をする人間は少数だ。そのうち収まるだろうと見て見ぬ振りをしているうちに、公式凸する側の論理に影響を受ける人が増えてしまい、それが当然の権利だと感じる人が自ジャンルでは増えてしまった。空気は感染するのだ。
今回、私の呟きをリツイートしたのはいつもの人、数人が含まれる6人だった。いつものと書いたのは、いつも私の呟きを批判的にリツイートする公式凸が趣味?の人達である。
直接、意見をしてきたのはたった5人。
匿名で嫌味を送ってきたのは、WEB拍手1人、マシュマロ1人だった。
実際に公式凸している人数は少ないだろうと思っていたけど、やっぱり少なかった。
しかし、示威的なリツイートされた以下のアンケートでは、意見だから仕方がないと88%の人が答えている。(残念ながらバズらなかったので、偏った人しかリツイートしなかった。)
っていうか、公式の不備ってなんだろう・・・?自分が気に入らないの間違いでは?
繰り返しになるが、その不備によるとされる公式凸がこれである。
結果、公式凸を見たくないファンが公式アカウントをブロックするという、残念で本末転倒な方向に進んでいる。
完全に営業妨害である。
公式凸を注意したら、公式アンチはジャンルを去れと言われた件
さて、お待たせしました。表題の「公式凸を注意したら、公式アンチはジャンルを去れと言われた件」である。
これは
①旧来あったはずの暗黙の了解が通じなくなっている(腐は公式に見つからないよう潜むべきという価値観や、オタクは一般の人に迷惑をかけてはいけないという道徳の価値観)
②SNSで作者や制作側との距離感が、確実に変わってきている(作り手側に敬意がもてなくなり、完全に上からのお客様目線になっている)
③不快な人がいるからやめましょうという、ネットマナーは通じなくなってきている
④自分さえ良ければ良いという感覚を、恥とは思わない人がいる
⑤公式の出した設定や作品性にファンが口を出し変更させる事を、金を出す顧客の言うことを利くのが当然と感じるお客様意識の強い人が増えている
という分かりやすいサンプルにしようと、意図的に仕掛けたものである。
※昔からこの手の人は一定数いて、電話や手紙で処理されていたし、匿名掲示板で棲み分けをしていたとのだと思う。SNSの普及で見える化した問題である。これからも発生し続けるだろう。
拡散を狙って、いっその事、私が叩かれても良いから炎上してくんないかなー!と思っていたので、わざと挑発的に書いています。感じ悪くてごめんなさいねー!
なお全部転載すると長すぎるので全部の転載はしていません。(ダブっている内容や必要ない部分は省きました。)
全部が見たい方はTwitterでどうぞ。
このやりとりを見て、公式凸をする人達の意見の方が正しいと感じる人がいるかもしれない。
でもこれは間違ってると思う人を増やさないと、私達は大事な仲間を失い、作者や制作関係者を無駄に傷つけ、愛する作品の未来を奪い、グレーゾーンを守れず、秘密の花園やコミケを近いうちに追われてしまうだろう。
※なぜか二個ずつ表示されてしまう。。同時に会話してるので、分かりにくい部分があるかもしれません。
※見えなくなったので一旦画像で掲載します。
※9/11追記 御本人は公式凸はされていないとのことです。二次界隈とは公式のことで、二次創作や同人界隈のことでは無いとのことです。
注意してみました。公式凸をする権利の侵害というパワーワードに痺れます。。。
※ 検索に引っかかるのを狙いつつ煽ってみました。
以降、刺激が強いやりとりかもしれませんので別記事とします。
平気な人だけどうぞ。
まとめ
②グレーゾーンを守るための暗黙の了解の喪失問題に関する話になります。
私は今回、今も燃え続ける自ジャンルを何とかしたくてこんな文章を長々と書いている訳ではない。
自ジャンルに関してはもう公式が何とかしないと無理だと思うよ。
少なくともコラボ先や制作関係者の個人アカウントへの突撃は注意しようよ〜。。
こんな状態です。
昔、二次創作は公式や一般の人の目からは隠れなきゃいけないものだった。
それはグレーゾーンである秘密の花園を皆で守るという仲間意識と、生き残るための戦略としての公式に迷惑を掛けないという配慮や自衛からくるものだったはずだ。
pixivが出来て、SNSでオープンにオタクや腐女子が語るようになり、遠かった作者や制作側と直接コミュニケーションを取れるようになり、敷居は低くなり「コミケにお客様はいない」「二次創作はグレーゾーンであるがゆえに目立たないようにしないといけない」という、共通幻想は揺らいでいる。
我々は当然知っている、分かっているだろうと思い込んでいることを、実際に知らない人達がいる。
私は昔は良かったという話をしたいのではない。時代は変わる。その時代に合わせて、我々は変化し社会に合わせて常識を再構成し、今まで生き残ってきたはずだ。
グレーゾーンに生きるマイノリティの私達は、可能な限り、一般の人や、公式に迷惑を掛けないようにしないと生き残れない。
少なくとも公式には「敬意」と「感謝」と「誠意」を見せ続けないといけない。
向こう側にいるのは人間だ。心象ってものがある。
公式とファンの関係は、絶対にもっと幸福で、愛溢れる関係が築けるはずだと私は知っているし、信じている。
私達は新規の客を歓迎し、推しが違ってもファンが増え、推しを支える財布が増えたことを、コンテンツの寿命が伸びることを喜び、これからも布教活動に努めないといけない。
そして我々、過去の歴史を知る者は、新しく入ってきた何も知らない人達に、過去の悲しい事件を語り続けなければいけないし、教え、時に注意をしなければならない。
歴史を知っていれば防げたことを繰り返し、見せしめに磷付にされる運が悪く気の毒な人を、二度と出してはいけない。
推しの笑顔と自分の幸福ができるだけ長く続くように。
だから私達は、「コミケに徹夜で並んではいけない」と言い続けないといけないし、公式の営業妨害になりかねないし、ファンを減らしかねないから「公式凸はいけない」と言い続けないといけないし、「コミケにお客様はいない」と言い続けないといけない。
今ある自由が、当たり前に永遠に続く権利だと思ってはいけない。
公式に禁止されていないから、何をしても良いという空気を醸成してはいけない。必ず、公式に確認しようとする者が現れる。
私達にはもう腐が悪い、夢が悪い、NLが悪いと、罵り合ってるような余裕はない。
推しカプが違おうと、私達は同じ作品を愛するファンである。
推しジャンルは違っても二次創作を愛し、徐々に狭くなっていくグレーゾーンに生き、秘密の花園を守り、コミケのお客様ではなく参加者である同じ穴のムジナだ。
時代が変わり、法律も環境も変わり、我々が秘密の花園を完全に追われる日がくるかもしれない。
誰もが公式に禁止されていないと、好き勝手な事をして、一般や公式に迷惑をかけたり、ファン同士で争っていれば、必ずその日は早くやってくる。
その日が出来るだけ遠い遠い未来であることを、私は祈っている。
あなたが愛する推しと、一日でも長く一緒に幸福な日々を過ごせますように。
ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。
ご一考頂けますと幸いです。
※長々と書いた版はこちら。
※女性向け二次創作でコミケの重要度が下がっているのは認識していますが、ここでは二次創作を守るシンボルとして「コミケ」を使っています。
*1:※外から見れば二次創作のグレーゾーンなんか勝手に言ってるだけの著作権侵害だろ!知るか!って方がいるのは重々理解しております。
それでも我々は東に公式から訴えられる者あれば急ぎ当てはまる作品を消し、西に脱税で摘発される大手サークルがいれば慌てて確定申告に走りと、時代の変化に合わせて、同じ穴のムジナの連帯感とコミケにお客様はいません!の精神で、グレーゾーン=秘密の花園を守る努力と自衛をしてきた歴史があります。
なぜ同人女はすぐ学級会を開くのか。それはグレーゾーンの中での自由を守るためには、時代や環境の変化に合わせて変化=進化し、社会の中に適合し生き残っていく戦略として、我々には耐えず議論と情報収集とやってはいけないこと=マナーのアップデートが必要だからである。特定のジャンルの一人が公式に訴えられたけど、うちのジャンルには全く関係ないはありえないし、過去に起きた事件はくりかえし、戦争の悲惨さを語り継ぐように語り続けなければ我々はこの大事な秘密の花園を守れない。