日本の児童・生徒の自殺、過去30年で最多に
日本全国の学校で昨年度に自殺した児童・生徒は250人に上り、過去30年間で最多となったことが日本の文部科学省の調査でわかった。
文部科学省によると、全国の小中学校と高校から報告があった2017年度(2017年4月1日から2018年3月31日)の児童・生徒の自殺者数は250人だった。自殺した児童・生徒は前の年度より5人増え、1986年以降で最多となった。
子供たちが亡くなる前に明らかにしていた心配事としては、卒業後の進路など「進路問題」が33人、「家庭内不和」が31人、「いじめの問題」が10人と多かった。遺書などの書き置きを残さなかったため、自殺理由が「不明」の児童・生徒も140人いた。
自殺者を学校の種別でみると、最も多かったのは高校(中等教育学校後期課程を含む)の生徒だった。日本の高校生は、15歳から18歳までが多い。
日本の内閣府は2015年、1972年から2013年の42年間について、18歳以下の子供が自殺した日を調査した。調査の結果、9月1日の自殺者数が131人と突出していた。9月1日は日本の多くの学校で夏休みが明け、第2学期の初日となる。
世界保健機関(WHO)によると、日本は2015年には世界で最も自殺率が高い国の1つだったが、自殺予防対策が実施されて以降、自殺率は減少傾向にある。
警察庁の統計によると、2017年の日本の自殺者総数は2万1321人だった。1978年以降で自殺者数が最も多かったのは、2003年で3万4427人。
しかし、子供の自殺率は相対的に高止まりしており、若者の死因は「自殺」が最も多い。
文科省は最新統計について、児童・生徒の自殺数が高止まっているのは問題で、対策が必要だと語った。
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(英語記事 Suicides among Japanese young people hit 30-year high)