第80話
- 根来(浅井)しの・・・清野菜名
- 根来公平・・・風間俊介
- 根来公一・・・佐藤祐基
- 根来三平・・・風間晋之介
- 根来信子・・・井上希美
- 根来幸子・・・木下愛華
- 荒木・・・須森隆文
- 名倉・・・芳野正朝
- 石田直巳
- 冴羽 一
- 家紋健大郎
- 小手山 雅
- 湯田宗登
- 犬山の旦那・・・デビット伊東
- 特高・・・加山 徹
- 根来鉄兵・・・平山浩行
鉄兵と突然の別れ
荒木から鉄兵が赤紙を破り捨てたことを聞いた公平と三平は鉄兵の家へと向かい、畑にいた公一も後を追った。
鉄兵のところに着いた公平と三平が、赤紙のことを聞くと破ってそこら辺に捨てたと答える鉄兵。
公平が辺りを見回すと、軒先に破り捨てられた赤紙を発見し拾い集めた。
赤紙を破り捨てたことを三平が責め立てると、「戦争は嫌いじゃ。わしゃいかん」と答える鉄兵。
三平が国の命令に逆らうのかと問うと、「そういう事になるかのう」と返す鉄兵。
公平は破られた赤紙を米粒で必死につなぎ合わせようとしていた。
そこに公一もやって来て、破れた赤紙を見て「徴兵拒否は重罪だぞ!」と声を荒げた。
鉄兵は、「殺し合いは嫌じゃ。食うためでもないのに生き物を殺すのは性に合わん。殺すのも嫌だし、殺さるのもかなわん。わしゃ逃げる」と言った。
公一が逃げ切れないと説得するが、山に入ったら誰にも捕まらない、山は自分の味方だと言って聞く耳を持たな鉄兵。
三平も説得するが全く聞き入れなかった。
公平が、朝鮮人を匿った山の民のところへ行くのか聞くと、鉄兵は「公平・・・なんの話をしとるのか分からん。お前、何か聞き違いをしとる」とシラを切った。
そして、「公一、もうわしの事は全部忘れろ。ここで会ったことも言っちゃならん。来てみたらもういなかったと言うんじゃ。そうせんとお前らに迷惑がかかる。絶対ついてくるな。捜してもいかん」そう言って3人の顔を見渡し、「別れじゃ」と言って鉄砲と少しの荷物を持って山へ消えていった。
公平と鉄兵は涙を流し、公一は破り捨てられた赤紙を小さく丸め、口に含んで水と一緒に飲み干した。
鉄兵捜し
3人が家に帰ると、荒木と警察がやって来て鉄兵がいないか家中を探し回った。
公平たちはひとりひとり、鉄兵の居場所を知らないか尋問を受けた。
鉄兵の家に公一、荒木、警察、憲兵そして鉄砲を担いだ軍人も向かった。
もぬけの殻の家で、公一は憲兵たちに囲まれ鉄兵の足取りを聞かれた。
しばらくすると、町の青年団と軍隊による山狩りが始まった。
三平の取り調べ
夕方、三平だけが憲兵に町に連れて行かれた。
取調室に三平がひとりでいると、2人の男が入ってきた。
男は鉄兵の逃亡先や付き合いのある人間について聞いて来たが、全て知らないと答える三平。
すると男は室井先生の話をし、以前甲府のくすの樹という喫茶店で三平が小夜子先生と会っていたことを持ち出した。
そして、小夜子先生と鉄兵がかつて男女の仲だった事を知っていたか聞いてきた。
〈公平のナレーション〉
三平兄ちゃんの戻ってきたのは、その夜10時を回っていた。
第80話終了。
コメント