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富山富山市岩瀬地区観光ガイド 魚谷日出子さん(72) 地元貢献 思い乗せて
江戸時代から北前船の港町として栄え、今も当時の風情を残す富山市の岩瀬地区で、魚谷日出子さん(72)は観光ガイドとして活躍している。七月からは人力車を活用した案内も新たに開始。国内外の観光客を笑顔でおもてなししている。(山中正義) -岩瀬の魅力は。 北前船によって先人たちが築いてきた歴史が魅力。私たちが現在、快適な生活を送るための原点だったと思う。廻船(かいせん)問屋は私腹を肥やすだけでなく、地元に還元する心の広さを持っていた。ガイドをするようになり、町を愛するようになった。 -人力車の活用はなぜ。 主人の古希の記念やフランス人留学生を案内する際に、県内の知人から借りたことがあった。町中を引くと注目され、主人がその魅力に気付いてアイデアを出してくれた。人力車はこの知人から譲り受けた。利用者からは「心に残る思い出づくりになった」と言われ、評判は上々。「地元への貢献を」という持ち主だった知人の思いを大事にしている。 -なぜガイドに。 二十五年前に知人に誘われて黒部峡谷自然解説員(ナチュラリスト)になったのがきっかけ。当時は登山ブームや自然回帰の時代でナチュラリストは人気だった。主婦で終わるはずの人生が大きく変わり、人生のターニングポイントだった。 -岩瀬でガイドを始めた経緯は。 富山ライトレールの開業に合わせて、岩瀬地区を案内する住民ボランティアグループが発足し、住民が無料で観光客を案内していた。当時は人だらけでどこに行っても混雑していた。私は友人が訪れた際にグループにガイドをお願いしていたけど、引き受けてもらえないこともあって「それなら自分でやろう」と決めた。最初はガイドに付き添いながら学び、お客さんの質問に答えようと勉強するうちにガイドが楽しくなっていった。二〇一二年に県の「とやま観光未来創造塾」の中級コースを修了し、独立した。 -ガイドの心得は。 「感動・感謝」「興味」「工夫」「健康」「恋心」の頭文字をとった「かきくけこ」を基本にしている。いろいろな人と接すると、自分にも新しい発見がある。お客さんと気持ちが通じたり、喜んでもらったりするときがうれしい。これからも観光客や地元住民とコミュニケーションを取って、学びながらガイドを続けていきたい。とやま観光未来創造塾に生み育ててもらい、主人にも理解してもらっているから続けられている。 うおたに・ひでこ 富山市水橋地区の出身。滑川高校を卒業し、滑川市の電気会社に就職。仕事をしながら富山市内の料理専門学校にも通った。結婚を機に岩瀬地区へ。1994年に黒部峡谷自然解説員(ナチュラリスト)になり、2012年に県の「とやま観光未来創造塾」の観光ガイドコース中級を修了。14年に同塾の上級認定ガイドになった。富岩水上ラインガイドや県自然解説員、立山カルデラ砂防博物館解説員なども務める。 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報
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