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【藤井かすみの体感して ゴルフ上達ドリル】ドリル(16)一定したパッティングのリズムが身に付きます2019年7月25日 紙面から 前回に続き、今週もパッティング練習のドリルです。パッティングで大事なのは一定したスイング・リズムです。どんな状況でも、いかに同じタイミングで打てるか。やさしいようで、むつかしいのがこのスイングリズムです。 (取材・構成 児玉光雄)
緩めるとヒットせずパッティングで一番大事なことは、パターフェースの芯でしっかりボールをヒットすることです。故意に芯を外して転がりを遅くする方法もありますが、基本的には芯で打たないと、一定した転がりにはなりません。 といって、芯でパチンパチンと無造作に打っていいわけではありません。要は同じタイミング、リズムで振ることが、芯で打つのと同じくらい大切です。打つ度にスピードが変わっていたのでは、距離が合うはずはありません。一定したスピード感を出すための練習方法はないのでしょうか。 そこで、私がお勧めするのが10円玉のドリルです。L字型ではできませんが、ピン型やマレット型などの背面には硬貨を乗せられる箇所があるので、そこに10円玉を置いてパッティングします。 つまり、この10円玉を落とさないで、しっかりヒットするのが今回のドリルです。さあ、やってみてください。 10円玉が落ちないように力を緩めてしまうと、正しくヒットできません。逆に、しっかりヒットしようとスピードを速めると、10円玉は落ちるはずです。 何回も何回もトライ地味な練習ですが、何回も何回もやっていると、一定のスピードが身に付いてきます。また、強く打つより、その方が確実に芯をヒットできるようになるはずです。 この感覚が身に付くと、パッティングが一気に上達します。振り幅だけで、距離感も出せるようになります。 ショートパット改善パッティングミスの多くは振り急ぎです。入れたいばかりに、つい力が入ったり、カップを先に見たりしてしまう。そんなミスも、この一定したリズムを身に付けると減少します。 何より、ショートパットのミスが激減します。なぜなら、ショートパットのミスの原因はインパクトで余計な力が入ってしまうことだからです。パチンと、いつもとは違うリズムで打ってカップの右をすり抜けてしまったり、逆にソロリと打ち過ぎて芯を外す。こうなると、芝目に負けて曲がり過ぎてしまいます。 弱いと芝目に負ける芯に当たったボールは芝目に負けませんが、力の弱いボールは簡単に曲がります。よく、ショートパットを外して「いやあ、こんなに曲がるなんて」とライのせいにしていますが、これは確実に芯でヒットできなかったせいなのです。 パットの練習は地味で、おもしろくもありませんが、この一定のタイミング、リズムを会得すればパッティング名人になれますよ。もっとゆっくりとタイミングを覚えたいのなら、10円玉より軽いもので試してください。 【かすみのひとりごと】常にファンファーストの石川遼選手 優勝きっとご褒美最近のうれしいことといえば、石川遼選手の優勝です。日本の誰もが喜んだ瞬間ではないでしょうか。彼は日本のゴルフ界を盛り上げるために、いろんなことをして頑張ってきました。昨年の岩手県オープンのことです。待っているファンの最後の1人にまで丁寧にサインをしているのを見ました。しかも、予選落ちしていたにもかかわらずです。 成績が良ければ機嫌もいいので、できるかもしれません。でも、うまくいっていない時に自分の感情を置いてできるでしょうか。自分に置き換えてみましたが、私には到底できないことです。 ゴルフ界のため、そこまでする石川選手に感動すら覚えました。周りを盛り上げながら自分も頑張るって、なかなかできないことですよね。それもあの若さで。頭が下がります。私はそこまで注目されたことがないので、彼の本当のつらさはわかりません。でも、これから先のゴルフ界のことをちゃんと考えて行動できる彼はすごいですね。大逆転優勝はそんな彼へのご褒美だったのかな…。 <藤井かすみ(ふじい・かすみ)> 1967(昭和42)年11月30日生まれ、山口県岩国市出身の51歳。身長162センチ。ヴィクトリアゴルフ所属。学生時代はソフトボールの選手で東京女子体育短大のとき日本代表にも選ばれた。23歳からプロを目指し、3度目のプロテスト受験だった95年8月にトップ合格。2001年ベルーナレディースカップでツアー初優勝。02年には3勝を挙げ賞金ランク2位。ツアー通算10勝。師弟関係は岡本綾子。現在は兵庫県でジュニア育成に力を入れている。 取材協力 中日カントリークラブ(三重県鈴鹿市東庄内町1447)(電)059(371)1188 (毎週木曜日の紙面に掲載)
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