ラグビーW杯前哨戦のパシフィック・ネーションズ杯(PNC)は27日に開幕し、釜石鵜住居復興スタジアムで、世界ランク11位の日本は同9位のフィジーから前半で4トライを奪い、34-21で快勝した。過去の対戦成績は3勝14敗で4連敗中の難敵に8年ぶりの勝利。ジョセフヘッドコーチ就任以来、世界ランク上位に勝つのは初めて。悲願のベスト8以上を目指すW杯に向けて弾みをつけた。
昨年8月の落成試合では6500人だった観客が、この日は1万3135人と倍増。常設の約6000席に加え、W杯用に約1万の仮設席を備えるなど、落成当時よりグレードアップしたスタジアムには、試合開始を待ち切れないかのように3時間以上前から長蛇の列ができた。
スタジアム建設地は釜石東中と鵜住居小の跡地で、試合前の両国国歌斉唱は釜石東中の生徒たちが担当。元日本代表主将の広瀬俊朗さんらの指導も受け、フィジー国歌の練習も重ね、震災当時4歳前後だった子の歌声がスタジアムに響いた。
試合は日本の快勝で終わり、リーチ主将は「釜石の人たちの前でいい試合をしたかった」。ただ「これがピークじゃない」とも。日本代表も、釜石のスタジアムも、ここからW杯へ向けてさらに進化、進歩する。 (大友信彦)