ウォール街がCDSの信用事由巡る見直しに同意、近く発表-関係者
Ben Bain、Silla Brush、Sridhar Natarajan- 信用事由を正当な金融ストレスに確実に連動させることを目指す
- ブラックストーン傘下GSOと住宅建設会社の契約が転機となった
ウォール街の複数の米銀やヘッジファンドは、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のクレジットイベント(信用事由)を巡り、デフォルト(債務不履行)要件をトレーダーのデリバティブ(金融派生商品)投資のポジションではなく、正当な金融ストレスに確実に連動させることを目指す国際スワップデリバティブ協会(ISDA)の見直し案に同意した。
事情に詳しい関係者3人によれば、米銀ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェース、アポロ・グローバル・マネジメントを含む大手金融機関が、数カ月にわたる交渉を経て同意した見直し案について、ISDAが6日にも発表する可能性がある。
ISDAの市場インフラ・テクノロジー担当ディレクター、ジョナサン・マーティン氏は「細かく調整された信用事由が、CDS市場全体の効率や信頼性、公正さに悪影響を及ぼす懸念がある。これらの提案がその問題に対処するものと期待している」とコメントした。
米ブラックストーン・グループ傘下のGSOキャピタル・パートナーズが、住宅建設会社ホブナニアン・エンタープライゼズとの間で、融資条件を有利にする見返りとして債務の利払いを履行しないよう仕向ける契約を結んだことが、今回の動きを促す転機となった。
デフォルトへの保証を提供するCDSを販売する企業は、利払い不履行に伴い損失を被る危険がある。ヘッジファンド1社がその後GSOを提訴し、同社は取引の解消に最終的に同意した。
ISDAの決定は、いわゆる「マニュファクチャード・デフォルト」が一部の投資家を市場から遠ざけかねないとの認識に基づいており、厳しい規制や監視強化を回避するため、この問題に業界が自ら対処できると各国監督当局に示す狙いもありそうだ。
原題:Wall Street Said to Curb Shady CDS Deals to Hold Off Watchdogs(抜粋)