▽シューマン:アラベスク ハ短調 op.18
最初の一音から、音が立っていた。芯のある柔らかな音色。ファンタジーかつ何処か陰のある音色。
▽シューマン:クライスレリアーナ op.16
シューマンの、躁鬱の繰り返しが顕著な曲ですが、激しい場面は激しくとも音が上擦ることがない。落ち着いた場面では、矯めのあるフレーズと音色。
休憩
▽ショパン:バルカトーレ op.60
舟歌の方が馴染み深い。イタリアで学んでいるからなのか、低音の音色にコクがある。深みのあるワインみたいな音。
▽ショパン:ノクターン 第3番 ロ短調 op.9-3
ショパンの躁鬱的な対比で激しい場面も、タッチのコントロールで濁りのある上擦る音になっていない。曲線美のあるタッチの線を感じる。
▽ショパン:3つのマズルカ op.60
マズルカ三曲を連続で。最後の32番の矯めとコクが良い。
▽ショパン:バラード第4番 へ短調 op52
初めて聴いたクラシックピアノリサイタルは、旧ソ連の故 オレグ・ボシュニアコビィチ。この時にバラード4番を初めて聴いた。後に、CD復刻されてボシュニアコビィチのショパンは愛聴盤。
特にコーダが大好きで、ナマで、幾人かのピアニストでバラード4番を聴いてもコーダが自分的にしっくりくる演奏は無かった。ボシュニアコビィチのバラード4番のコーダは、抑えて地を這うくらいの音色の重心。
宮野恭輔さんのバラード4番は、抑えて重心を低くした音色で弾いていた。イタリアの柔らかさはあるけれど、日本人ピアニストでバラード4番のコーダを、ボシュニアコビィチ並みに弾いたのは初めて聴いた。
▽ショパン:ポロネーズ 第6番『英雄』op.53
華やかに豪快に弾きまくっていた。
アンコール
メンデルスゾーン:無言歌よりエレジー
ショパン:
予想以上に素晴らしいピアニストでした。また秋田に来た時だけでなくて、他の地域でリサイタルがあれば行きたいね。気持ちの良いピアノリサイタルでした。
ノクターンとバラード4番が自分的には良い演奏だった。