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住民基本台帳事務処理要領 改正「2002年7月12日総行市第136号」
改正「1999年年12月13日 自治振第170号」版に追加・修正された個所を色分けしまし
たが、削除された個所は記載しておりません。
原文と比較し確認を行いましたが、確認漏れ等があるかも知れません。
そのときは、ご容赦ください。
84 住民基本台帳事務処理要領について
第2章 事務処理要領関係
○住民基本台帳事務処理要領について
法務省民事甲第2671号、保発第
昭和42年10月4日 39号、庁保発第22号、42食糧業
第2668号(需給)、自治振第150号
法務省民事局長、厚生省保険局長、社会保険庁年金
保険部長、食糧庁長官、自治省行政局長から各都道
府県知事あて通知
改正 1969年 4月 1日 自治振 第60号
1969年 7月25日 同 第140号
1971年10月13日 同 第379号
1972年 9月19日 同 第390号
1981年12月25日 同 第100号
1983年12月20日 同 第87号
1984年 9月 7日 保 発 第84号
自治振 第71号
1986年 2月 4日 法務省民二第795号
自治振 第11号
1986年 3月28日 庁保発 第11号
自治振 第34号
1986年12月27日 保 発 第157号
自治振 第130号
1990年 6月19日 自治振 第58号
1992年 1月28日 同 第9号
1994年 9月30日 同 第188号
1994年11月22日 同 第216号
1994年12月15日 同 第232号
1998年12月15日 同 第155号
1999年 2月 1日 法務省民二第165号
自治振 第11号
1999年12月13日 自治振 第170号
2002年 7月12日 総行市 第136号
住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)および住民基本台帳法施行令(昭和
42年政令第292号)が、きたる昭和42年11月10日から施行されることと
なつたことに伴い、別添のとおり、「住民基本台帳事務処理要領」を定めたので、
管下市町村に示達のうえ、よろしくご指導願いたい。
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住民基本台帳事務処理要領について 85
住民基本台帳事務処理要領
目 次
第1 総説…………………………………………………………………………… 88
1 住民基本台帳制度の運用の方針………………………………………… 88
2 定義………………………………………………………………………… 89
3 住所の意義および認定…………………………………………………… 89
4 世帯の意義および構成…………………………………………………… 89
5 戸籍との関係……………………………………………………………… 90
第2 住民基本台帳………………………………………………………………… 90
1 住民票……………………………………………………………………… 90
(1)様式および規格………………………………………………………… 90
(2)記載事項………………………………………………………………… 93
2 住民票の記載等の手続…………………………………………………… 98
(1)届出に基づく処理……………………………………………………… 99
(2)職権に基づく処理………………………………………………………102
(3)住民基本台帳の記録に誤りがある場合の処理………………………106
(4)住民票コードの記載の変更請求があった場合の処理………………107
(5)住民票コードに係る住民票の記載の修正……………………………107
3 住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付………107
(1)住民基本台帳の閲覧……………………………………………………107
(2)住民票の写し等の交付…………………………………………………110
(3)消除した住民票の閲覧及び写し等の交付……………………………114
4 住民票の改製および再製…………………………………………………114
(1)住民票の改製……………………………………………………………114
(2)住民票の再製……………………………………………………………115
第3 戸籍の附票……………………………………………………………………116
1 戸籍の附票…………………………………………………………………116
(1)様式及び規格……………………………………………………………116
(2)記載事項…………………………………………………………………117
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86 住民基本台帳事務処理要領について
(3)記載事項の特例…………………………………………………………117
2 戸籍の附票の記載等………………………………………………………117
(1)戸籍の届出に基づく処理………………………………………………117
(2)住民基本台帳法の届出又は職権による住民票の記載等に基
づく処理……………………………………………………………………118
(3)他の市町村からの通知に基づく処理…………………………………118
(4)その他の処理……………………………………………………………118
3 戸籍の附票の写しの交付…………………………………………………119
(1)請求の受理………………………………………………………………119
(2)作成及び交付……………………………………………………………120
4 戸籍の附票の改製および再製……………………………………………120
第4 届出……………………………………………………………………………120
1 届出書の様式および規格…………………………………………………120
2 届出の受理…………………………………………………………………121
(1)形式的審査………………………………………………………………121
(2)実質的審査………………………………………………………………121
3 転出証明書…………………………………………………………………123
第5 その他…………………………………………………………………………124
1 通知…………………………………………………………………………124
2 住民票および戸籍の附票等の保管………………………………………126
(1)住民票および戸籍の附票の保管………………………………………126
(2)保存………………………………………………………………………126
3 本人確認情報の保存………………………………………………………127
(1)本人確認情報の適切な保存……………………………………………127
(2)保存期間…………………………………………………………………127
4 本人確認情報の提供………………………………………………………127
(1)都道府県知事が行う国の機関等への本人確認情報の提供…………127
(2)都道府県知事が行う当該都道府県の区域内の市町村への
本人確認情報の提供………………………………………………………127
(3)都道府県知事が行う他の都道府県への本人確認情報の提供………127
(4)都道府県知事が行う他の都道府県の区域内の市町村への
本人確認情報の提供………………………………………………………127
(5)市町村長が行う他の市町村への本人確認情報の提供………………127
(6)都道府県における本人確認情報の利用………………………………127
(7)指定情報処理機関の事務………………………………………………127
(8)報告書の作成等…………………………………………………………127
5 本人確認情報の開示、訂正………………………………………………127
(1)本人確認情報の開示……………………………………………………127
(2)本人確認情報の訂正……………………………………………………127
6 都道府県知事による勧告等………………………………………………127
7 調査…………………………………………………………………………127
8 選挙管理委員会への協力…………………………………………………129
9 違反事件の通知……………………………………………………………129
第6 法施行に伴う経過措置………………………………………………………130
1 住民票の作成………………………………………………………………130
(1)現に存する各種台帳からの転記………………………………………130
-------------------------------(086)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 87
(2)旧住民票の利用…………………………………………………………131
2 届出…………………………………………………………………………131
(1)転出証明書の交付を受けなかった者に係る転入届の受理…………131
(2)選挙人名簿の登録の申出………………………………………………131
3 転出証明書…………………………………………………………………131
-------------------------------(087)----------------------------------------
88 住民基本台帳事務処理要領について
第1 総説
1 住民基本台帳制度の運用の方針
(1)住民基本台帳制度の運用に当たっては、住民基本台帳法第1条の趣旨にのっ
とり、住民の利便の増進及び行政の合理化に資することを旨とし、事務処理の
能率化及び合理化に努めるとともに、住民の正確な把握に努め、あわせて住民
のプライバシーの保護を図る観点から住民に関する記録の適正な管理を図らな
ければならない。
(2)市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)は、住民基本台帳に関する事
務について、最新の機器、技法を活用して届出及び台帳の管理に関する事務処
理の改善に努めることはもとより、さらに、住民基本台帳が住民に関するあら
ゆる行政の基礎であることに鑑み、関係組織間の密接な連携の下に適切な管理
及び利用を図ることにより、市町村(特別区を含む。以下同じ。)における行
政運営全体の能率化及び合理化に寄与するように努めなければならない。
(3)また、住民基本台帳の記録が正確であることは、この制度の生命ともいうべ
きものであるが、最も重要なことは、その記録の基本的な内容が住民の実態と
合致していることである。したがって、あらゆる手段を講じてその内容の正確
性を確保することに努めなければならない。住民基本台帳の記録の内容が著し
く住民の実態と相違しているようでは、その他のあらゆる要件を具備していて
も住民に関する行政の基礎としての住民基本台帳の任務を果たし得るものでは
ない。これがため、市町村長は.次の点に留意のうえ、人間生活の流動化に即
応しつつ、積極的かつ能動的に住民の実態の把握に努めなければならない。
ア 住民に対して制度の趣旨の周知徹底を図るほか、あらゆる機会をとらえて
正確な届出が行われるような措置を講ずること。
イ 届出についての厳正な審査を行うこと。
ウ あらゆる行政事務の処理に当たって、住民基本台帳の記録の誤りを発見し、
是正する体制を整備すること。
エ 定期の調査を励行すること。
(4)さらに、社会一般のプライバシー意識の高揚や情報化社会の進展が著しい今
日においては、住民に関する記録の適正な管理を図り住民のプライバシーの保
護を図ることは.市町村長に課された基本的な責務であり、市町村長はその責
務を果たすため、
-------------------------------(088)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 89
ア 住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写しの交付等の制度の適正
な運用
イ 住民票及び戸籍の附票を磁気ディスクをもって調製した場合における住民
及び当該市町村の区域内に本籍を有する者のプライバシーの保護及び当該磁
気ディスクの保全
等の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(5)都道府県知事は、市町村長から電気通信回線を通じて送信を受けた本人確認
情報の漏えい、滅失及びき損の防止その他の当該本人確認情報の適切な管理の
ために必要な措置を講ずるとともに、当該都道府県の区域内の市町村相互間に
おける電気通信回線を通じた本人確認情報の送信等の事務の処理に関する必要
な連絡調整、当該市町村の住民基本台帳に住民に関する正確な記録が行われる
ための必要な協力等を行わなければならない。
2 定義
この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところ
による。
(1)法 住民基本台帳法をいう。
(2)令 住民基本台帳法施行令をいう。
(3)規則 住民基本台帳法施行規則(平成11年自治省令第35号)
をいう。
(4)住民票省令 住民基本台帳の閲覧及び住民票の写し等の交付に関す
る省令をいう。
(5)戸籍の附票省令 戸籍の附票の写しの交付に関する省令をいう。
(6)個人票 個人を単位として調製された住民票をいう。
(7)世帯票 世帯を単位として調製された住民票をいう。
(8)転入届 法第22条の規定による届出をいう。
(9)転居届 法第23条の規定による届出をいう。
(10)転出届 法第24条の規定による届出をいう。
(11)世帯変更届 法第25条の規定による届出をいう。
(12)本人確認情報 法第30条の5第1項に規定する本人確認情報をいう。
(13)転出確定通知 令第13条第3項の規定による通知をいう。
(14)転出証明書 令第23条第1項に規定する転出証明書をいう。
3 住所の意義および認定
住民基本台帳法上の住民の住所は、地方自治法第10条の住民としての住所と
同一であり、各人の生活の本拠をいうものである(法第4条)。
住所の認定にあたっては、客観的居住の事実を基礎とし、これに当該居住者の
主観的居住意思を総合して決定する。住所の認定に疑義または争いがあるときは、
事実の調査を行ない、関係市町村とも協議のうえ、その真実の発見に努めるもの
とする。なお、認定しがたいときは、法第31条の規定による助言または勧告を
求めることができる。この場合において、他の市町村長と意見を異にし、その協
議がととのわないときは、法第33条の規定による決定を求める旨を申し出るも
のとする。
4 世帯の意義および構成
世帯とは、居住と生計をともにする社会生活上の単位である。世帯を構成する
者のうちで、その世帯を主宰する者が世帯主である。単身世帯にあっては、当該
単身者が世帯主となる。
-------------------------------(089)----------------------------------------
90 住民基本台帳事務処理要領について
世帯主との続柄は、当該世帯における世帯主と世帯員との身分上の関係をいう
のである。したがって必ずしも戸籍に記載又は記録がされた父母との続柄と一致
するものではない。
なお、「その世帯を主宰する者」とは、「主として世帯の生計を維持する者で
あって、その世帯を代表する者として社会通念上妥当とみとめられる者」と解す
る。
5 戸籍との関係
戸籍は、身分関係を公証する唯一の公簿であり、住民票は居住関係を公証する
唯一の公簿であって、いずれも刑法第157条第1項にいう「権利、義務二関ス
ル公正証書」の原本に該当する。
住民票の記載(法第6条第3項の規定により、磁気ディスク(これに準ずる方
法により一定の事項を確実に記録しておそことができる物を含む。以下同じ。)
をもって調製する住民票にあっては、記録。以下同じ。)事項中本人の氏名、出
生の年月日、男女の別、本籍及び戸籍の筆頭に記載又は記録がされた者(以下
「筆頭者」という。)の氏名は、戸籍の記載又は記録と正確に一致しなければな
らない。
このため、市町村に本籍を有する者のすべてについて、戸籍の附票を作成し、
相互の連けいを保たなければならない(法第3章)。
第2 住民基本台帳
1 住民票
(1)様式および規格
ア 住民票(法第6条第3項の規定により磁気ディスクをもって調製される住
民票を除く。以下このア及びイにおいて同じ。)の様式は、法定されていな
いから.市町村において住民の利便を考慮し、簡明かつ平易な様式について
創意工夫されたい。なお、住民票は、原則として、個人又は世帯につき一葉
とされることが望ましいが、法第7条第1号から第8号まで及び第13号に
規定する事項(以下「基本事項」という。)と同条第9号から第11号の2
までに規定する事項(以下「個別事項」という。)とをそれぞれ別葉にする
等複葉とすることも、それが統合管理されているものである限り、差し支え
ないものであること。
参考までに、基本事項及び個別事項についての様式の例を示せば、おおむ
ね、次のとおりである。
-------------------------------(090)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 91
《住民票:別紙1》
(注)
1.基本事項を記載する欄とその他の事項を記載する欄との区界を明確に
することが適当である。
2.索引の便等を考慮し、氏名および世帯番号の欄は最上部におくことが
適当である。
3.個別事項の記載欄を縦に配列することも考えられる。
-------------------------------(091)----------------------------------------
92 住民基本台帳事務処理要領について
《住民票:別紙2》
-------------------------------(092)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 93
(注)
1 世帯主の氏名、住所等の世帯員全部に共通する事項を記載する欄(共
通欄)を上部に設けて記載することにより、各人ごとの記載を省略する
ことが適当である。
2 戸籍の表示、従前の住所等の記載事項で各人ごとの記載事項が同一の
者が数人ある場合には、1人にのみ具体的に記載し、その他の者の記載
は、「1に同じ」等の例により略記することができる。
3 共通欄および各人の記載欄は、それぞれ太線等をもってその区界を明
確にすることが適当である。
イ 住民票の規格は、法定されていないが、個人票は日本標準規格(紙の仕上
寸法)で定めるA6判(105mm×148mm)以上A5判(148mm×210mm)以内
が、その利用上および管理上適当である。
なお、こ住民票の紙質は、その写しの作成方法との関連を考慮しつつ、で
きるだけ丈夫なものとすること。
ウ 法第6条第3項の規定により住民票を磁気ディスクをもって調製する市町
村における、当該住民票の仕様及び当該磁気ディスクの規格についても、特
に法定されていないので、市町村において、事務処理の合理化の観点から適
当なものとすること。
エ 市町村長は、事務処理の合理化を図る見地より住民票の様式若しくは規格
又は住民票の仕様等を変更しようとする場合には、全部の住民票を一斉に改
製することなく、新たに作成する住民票より逐次変更する取扱いとすること
も差し支えない。
(2)記載事項(法第7条)
ア 氏名(第1号)
戸籍に記載又は記録がされている氏名を記載(字体も同一にする。)する。
世帯票の場合には、氏を同じくする世帯員が数人いる場合であっても、氏を
省略することなく氏名を記載する。本籍のない者又は本籍の不明な者につい
ては、日常使用している氏名を記載する。
世帯票の場合における世帯員の記載順序は、次によることが適当であり、
転入等により既設の世帯に入る者については、末尾に順次記載する。
-------------------------------(093)----------------------------------------
94 住民基本台帳事務処理要領について
第1順位 1 世帯主
2 配偶者
3 長女
4 二男
5 二女
第2順位 6 長男
7 長男の妻
8 長男の長男
世帯主の家族(夫婦とその子の一団に属しないもの)
9 母
10 姉
11 弟
12 祖母
世帯主の家族以外の者
13 同居人
14 家事使用人
(注)氏名の文字に誤字があるもの、又は常用漢字の原字等により戸籍
に記載又は記録がされているもの等については、本人からの申出に
より、市町村長の職権で、それに対応する文字又は字体に更正でき
ることとされている(戸籍先例)ので、その更正を希望する者に対
しては、その旨を指導するのが適当である。
また、氏名には、できるだけふりがなを付すことが適当であるが、その場
合には、住民の確認を得る等の方法により、誤りのないように留意しなけれ
ばならない。
イ 出生の年月日(第2号)
戸籍に記載又は記録がされている出生の年月日を記載する。この場合にお
いて、年号を印刷しておき該当年号を○で囲むこと、叉は生年月日の記載で
あることが明らかである限り、「明治、大正、昭和」の年号を「明、大、昭」
と、「10年10月10日」を「10.10.10」と略記することは、い
ずれも差し支えない。
ウ 男女の別(第3号)
男女と印刷しておき、該当文字を○で囲むこととしても差し支えない。
エ 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名および
世帯主との続柄(第4号)
(ア)個人票の場合
世帯主については、世帯主との続柄の欄に「世帯主」または「本人」
と記載すれば足りる。
-------------------------------(094)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 95
(イ)世帯票の場合
世帯主の氏名は、共通欄を設けて記載し、各個人ごとの記載は省略す
るのが適当である。続柄については、各個人ごとに続柄欄を設け、世帯
主については「世帯主」または「本人」と、世帯員については、世帯主
との続柄をそれぞれ記載する。
(ウ)世帯主が外国人である場合の世帯主の氏名の記載方法
外国人と日本人との混合世帯の場合には、外国人が実際の世帯主であ
っても、外国人は法の通用から除外されているので(法第39条)、日
本人の世帯員のうち世帯主にもっとも近い地位にあるものの氏名を記載
し、実際の世帯主である外国人の氏名を備考として記入する(法第6条
第3項の規定により磁気ディスクをもって調製する住民票にあっては、
記録する。以下同じ。)。
(エ)世帯主との続柄の記載方法
世帯主との続柄は、妻、子、父、母、妹、弟、子の妻、妻(未届)、
妻の子、縁故者、同居人等と記載する。
世帯主の嫡出子、養子及び特別養子についての「世帯主との続柄」は、
「子」と記載する。
内縁の夫婦は、法律上の夫婦ではないが準婚として各種の社会保障の
面では法律上の夫婦と同じ取扱いを受けているので「夫(未届)、妻
(未届)」と記載する。
内縁の夫婦の子の世帯主(夫)との続柄は、世帯主である父の認知が
ある場合には「子」と記載し、世帯主である父の認知がない場合には
「妻(未届)の子」と記載する。
縁故者には、親族で世帯主との続柄を具体的に記載することが困難な
者、事実上の養子等がある。夫婦同様に生活している場合でも、法律上
の妻のあるときには「妻(未届)」と記載すべきではない。
オ 戸籍の表示(第5号)
本籍および筆頭者の氏名を記載する。
本籍のない者および本籍の明らかでない者については「本籍なし」または、
「本籍不明」と記載することとなるが、これらの者については、戸籍法上に
よる出生届または就籍手続を行なうよう指導するのが適当である。
カ 住民となった年月日(第6号)
同一市町村内(指定都市にあっては、その市)に引き続き住むようになっ
-------------------------------(095)----------------------------------------
96 住民基本台帳事務処理要領について
た最初の年月日を記載する。
市町村の廃置分合または境界変更があったときは、その処分前の市町村の
区域内に最初に住所を定めた年月日をそのままとし、その処分により修正す
べきではない。
キ 住所
都道府県、郡、市、区(指定都市の区をいう。)及び町村の名称並びに市
町村の町又は字の区域の名称のほか、住居表示に関する法律(昭和37年法
律第119号)に基づく住居表示が実施された区域においては、街区符号及
び住居番号を、その他の区域においては地番を記載する。
なお、団地、アパート等の居住者について、上記の記載のみでは住所が明
らかでない場合には、アパート名、居室の番号まで記載し、間借人が別個に
世帯を設けている場合には「何某(間貸人氏名)方」まで記載する。
また、都道府県、郡、市、区及び町村の名称は、別個に記載することとし
ても差し支えない。この場合において都道府県の名称は、指定都市等におい
ては省略してもよい。
ク 住所を定めた年月日(第7号)
一の市町村の区域内において転居をした者については、現在の住所に転居
をした年月日を記載する。転居をしたことのない者については、記載をする
必要はない。
ケ 転入をした者については、その届出の年月日(職権で記載した場合には、
その年月日)(第8号)
転入届により記載した者については、その届出の年月日、職権により記載
した者については、その記載の年月日をそれぞれ記載する。
コ 従前の住所(第8号)
転入をした者について転出地の住所を記載する。従前の住所は、原則とし
て、転出証明書に記載された住所と一致する。
サ 選挙人名簿に登録されている旨(第9号)
選挙人名簿に登録されている者について、その旨を記載するが、当該欄を
設け符号により記載する方法でも差し支えない。
シ 国民健康保険の被保険者の資格に関する事項(第10号、令第3条)
国民健康保険の被保険者の資格を取得した年月日、又はその資格を喪失し
た年月日を記載するとともに、退職被保険者又はその被扶養者(以下「退職
被保険者等」という。)にあっては、退職被保険者等である旨並びに退職被
-------------------------------(096)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 97
保険者等となり、又は退職被保険者等でなくなった年月日を記載する。
被保険者の資格を喪失した年月日及び退職被保険者等でなくなった年月日
については、その欄を別個に設げて記載しても、被保険者の資格の取得の年
月日又は退職被保険者等となった年月日を消除して○年○月○日喪失又は非
該当と記載してもよい。
なお、退職被保険者等である旨の記載については、退職被保険者又はその
被扶養者の略号(例、「退」、「被扶」等)を印刷しておき、該当するもの
を○で囲む方法で差し支えないこと。
ス 介護保険の被保険者の資格に関する事項(第10号の2、令第3条の2)
介護保険の被保険者となった年月日又は介護保険の被保険者でなくなった
年月日を記載する。
被保険者でなくなった年月日については、その欄を別個に設けて記載して
も、被保険者となった年月日を消除して○年○月○日喪失と記載してもよい。
セ 国民年金の被保険者の資格に関する事項(第11号)
(ア)国民年金の被保険者(法第7条第11号に規定する国民年金の被保険者
をいう。以下同じ。)となった年月日若しくは国民年金の被保険者でなく
なった年月日又は国民年金の被保険者の種別の変更があった年月日(令第
5条第1号及び第2号)
国民年金の被保険者となった年月日若しくは国民年金の被保険者でなく
なった年月日又は国民年金の被保険者の種別の変更があった年月日を記載
する。国民年金の被保険者でなくなった年月日及び国民年金の被保険者の
種別の変更があちた年月日については、国民年金の被保険者となった年月
日又は国民年金の被保険者の種別の変更があった年月日を消除して○年○
月○日喪失又は種別変更と記載してもよい。
(イ)国民年金の被保険者の種別(令第5条第2号)
国民年金の被保険者の種別を記載するが、1、3、任の文字を印刷して
おき、該当するものを○で囲み、又は当該欄を設け、符号により記載する
方法でも差し支えない。
(ウ)国民年金手帳の記号及び番号(令第5条第3号)
国民年金の被保険者が現に所有し、又は新たに交付された国民年金手帳
の記号及び番号を記載する。
-------------------------------(097)----------------------------------------
98 住民基本台帳事務処理要領について
ソ 児童手当の支給を受けている者の資格に関する事項(第11号の2)
児童手当の支給が始まり、または終った年月を記載載する。
タ 住民票コード(第13号)
(ア)(イ)を除き、直近に住民票の記載をした市町村長が当該住民票に直近
に記載した住民票コードを記載する(法第30条の2第1項)。
直近に住民票の記載をした市町村長が当該住民票に直近に記載した住民
票コードが判明しないときは、その者に係る住民票に都道府県知事から指
定された住民票コードのうちから選択するいずれか一の住民票コードを記
載する(令第30条の2第1項)。
(イ)新たにその市町村の住民基本台帳に記録されるべき者につき住民票の記
載をする場合において、その者がいずれの市町村においても住民基本台帳
に記録されたことがない者であるときは、その者に係る住民票に都道府県
知事から指定された住民票コードのうちから選択するいずれか一の住民票
コードを記載する。
(ウ)住民票コードを記載したときは、速やかに、当該記載に係る者に対し、
その旨及び当該住民票コードを書面により通知する(法第30条の2第3
項、令第30条の2第2項)。
なお、帰化又は国籍取得(国籍の再取得も含む。)の場合は新規に住民
票コ-ドを記載し、以前住民票コードを記載されたことのある海外転出者
が国内に転入する場合は、都道府県知事又は指定情報処理機関から本人確
認情報の提供を受け、以前記載された住民票コードを確認した上で、当該
以前記載されキ住民票コードを住民票に記載する。
チ 任意事項
市町村長は、法第7条第14号及び令第6条の2の規定により、住民の福
祉の増進に資する事項で住民票の写し等の請求により個人の秘密を侵すおそ
れがないと認められるもののうち、市町村長が住民に関する事務を管理し及
び執行するために必要であると認めるもの(以下「任意事項」という。)を
住民票に記載することができることとされているので、住民基本台帳に基づ
き各種行政事務を処理するため、次のような事項を記載する等の措置を講じ、
積極的に活用されることが適当である。
(ア)国民健康保険の被保険者については、被保険者証の記号および番号
(イ)国民健康保険の被保険者でない者については現に加入している他の医療
保険制度の名称
(ウ)介護保険の被保険者については、被保険者証の番号
(エ)国民年金(福祉年金を含む。)の受給者については、その受けている年
金の名称
(オ)国民年金の被保険者でない者については、現に加入している公的年金の
名称
上記の記載方法については、当該欄を設け、略号又は符号(健保、国共、
地共等の例)により、若しくはあらかじめ略号を印刷しておき該当文字を
○で囲む等の例により記載す、ることが適当である。
2 住民票の記載等の手続
住民票の記載等については、次の点に留意しつつ、適正に行われなければなら
ない。
ア 住民票(法第6条第3項の規定により磁気ディスクをもって調製される住民
票を除く。イにおいて同じ。)の記載等は、墨汁、インキ、タイプライター
等たい色、汚損のおそれのない良質のものを用いて行うこと。
イ 住民票の消除に当たっては、該当部分に朱線を引き、又は見やすい場所に
「除票」の印を押す等住民票を消除したことが明確であり、かつ、消除された
文字がなお明らかに読むことができるような方法により行うこと。
ウ 法第6条第3項の規定により磁気ディスクをもって調製された住民票の消除
は、住民票を消除したことが明確であり、かつ、消除された記録がなお明らか
となるような方法により行うこと。
エ 修正は、前の記載を消除するとともに、新たな記載をする方法によること。
-------------------------------(098)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 99
オ 記載等をしたときは、その記載等の事由、事由の生じた年月日、届出年月日
等住民票についての処理経過を明らかにする事項を必要に応じ、備考として記
入することが適当である。
(1)届出に基づく処理
ア 転入届
(ア)個人票の場合
A その者の住民票を作成し、転入届及び転出証明書に基づいて所定の事
項を記載するとともに、作成の事由(転入)を記入する。
B 作成した住民票は.転入により新たに世帯を構成した場合にあっては、
その世帯をもって編成し、既にある世帯に属することとなった場合にあ
っては、その世帯に編入する。
(イ)世帯票の場合
A 転入により新たに世帯を構成した場合にあっては、その世帯の住民票
を作成し、転入届及び転出証明書に基づいて所定の事項を記載するとと
もに、作成の事由(転入)を記入する。
作成の事由は、個人票の例により、各人ごとに記入する。
B 既存の世帯に属することとなった場合にあうては、その属することと
なった世帯の住民票の末尾に転入届及び転出証明書に基づいて記載をす
るとともに、記載の事由(転入)を記入する。
イ 転居届
(ア)個人票の場合
A 住所の記載を修正し、新住所を定めた年月日(法第7条第7号)を記
載するとともに修正の事由(転居)を記入する。
B 転居に伴い世帯主または世帯主との続柄が変更した場合には、Aのほ
か、世帯主の氏名および世帯主との続柄の記載を修正する。
C 転居に伴いその属する世帯を変更した場合には、その世帯にその者の
住民票を編入するほか必要に応じ整理する。
(イ)世帯票の場合
A 世帯の全員がそのまま転居をした場合
住所の記載を修正し、新住所を定めた年月日(法第7条第7号)を記
載する。
B 世帯の全員が転居をして他の世帯に属した場合
属することとなった世帯の住民票の末尾にその者の記載をするととも
-------------------------------(099)----------------------------------------
100 住民基本台帳事務処理要領について
に、前住民票を消除する。
C 世帯員の一部が転居をして新たに世帯を設けた場合
新世帯の住民票を作成するとともに、前に属していた世帯の住民票の
その者の記載を消除する。
D 世帯員の一部が転居をして他の世帯に属した場合
属することとなった世帯の住民票の末尾にその者の記載をするととも
に、前に属していた世帯の住民票のその者の記載を消除する。
上記のほか、次の例により、作成、記載、修正及び消除の事由を記入す
る。
A 作成及び記載の事由は、「(転居前の住所)から転居」等の例による。
B 修正の事由は「転居」とする。
C 消除の事由は「(転居先の住所)へ転居」等の例による。
(ウ)一の市町村の区域内に個人票と世帯票が混在する場合
前記(ア)又は(イ)の場合に準じて作成若しくは記載、修正又は消除
する。
ウ 転出届
(ア)転出届があったときは、たとえば次の例により消除の事由(転出)、転
出先の住所および転出の予定年月日を「○年○月○日 へ転出(予定)」
等の例により記入し、転出の予定年月日に消除する。
(イ)法第9条第1項の規定による転入の通知があったとき、または転出の事
実を確認したときは、消除された住民票にその旨を記入するとともに、そ
の住民票に記入された転出先の住所と転入先の住所が異なるときはその記
入を訂正する。
なお、転出届により住民票の消除を行なった場合においても、転入通知
があるまでの間は、なお従前の市町村長において国民年金の被保険者の管
理を行なうものである。
エ 世帯変更届
(ア)属する世帯の変更
A 甲世帯の世帯員が、新たに乙世帯を設けた場合
個人票の場合には、乙世帯に属することとなった者の住民票の世帯主
の氏名及び世帯主との続柄の記載を修正し、修正の事由(世帯分離)を
記入したうえ、乙世帯として編成する。
世帯票の場合には、乙世帯の住民票を作成し、作成の事由(世帯分離)
-------------------------------(100)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 101
を記入するとともに、甲世帯の住民票に消除の事由(世帯分離)を記入
したうえ、その者の記載を消除する。この場合には、共通欄中の住所を
定めた年月日は、乙世帯に属する者各人について相違する場合があるの
で、前住民票から移記は要しない。
B 甲世帯の全員が乙世帯に入った場合
個人票の場合には、その者の住民票中世帯主の氏名および世帯主との
続柄の記載を修正し、修正の事由(世帯合併)を記入したうえ乙世帯に
編入する。
世帯票の場合には、乙世帯の住民票の末尾にその者の記載をし、記載
の事由(世帯合併)を記入するとともに、甲世帯の住民票に消除の事由
(世帯合併)を記入したうえ、これを消除する。
C 甲世帯の世帯員の一部が乙世帯の世帯員となった場合
個人票の場合には、世帯主の氏名および世帯主との続柄を修正し、修
正の事由(世帯変更)を記入したうえ乙世帯に編入する。
世帯票の場合には、乙世帯の住民票の末尾にその者の記載をし、記載
の事由(世帯変更)を記入するとともに、甲世帯の住民票に消除の事由
(世帯変更)を記入したうえ、その者の記載を消除する。
(イ)世帯主の変更
世帯主の氏名および世帯主との続柄の記載を修正し、修正の事由(世帯
主変更)を記入する。
オ 転入届の届出書に附記がされた場合
A 国民健康保倹の被保険者である場合(令第27条)
令第27条第1号に掲げる事項が附記された場合には、国民健康保険の
被保険者の資格を取得した年月日並びに退職被保険者等にあっては、退職
被保険者等である旨及び退職被保険者等となった年月日を記載する。
B 介護保険の被保険者である場合(令第27条の2)
令第27条の2に定める事項が付記された場合には、介護保険の被保険
者となった年月日を記載する。
C 国民年金の被保険者である場合(令第28条)
(A)令第28条第1号イに掲げる事項が附記された場合には.国民年金手
帳の記号及び番号.国民年金の被保険者の種別並びに国民年金手帳の記
載に基づき国民年金の被保険者となった年月日及び国民年金の被保険者
の種別の変更の年月日を記載する。
-------------------------------(101)----------------------------------------
102 住民基本台帳事務処理要領について
(B)令第28条第1号ロに掲げる事項が附記された場合には、国民年金手
帳の記号及び番号、変更後の国民年金の被保険者の種別並びに国民年金
手帳の記載に基づき国民年金の被保険者となった年月日及び国民年金の
被保険者の種別の変更の年月日を記載する。
(C)令第28条第1号ハに掲げる事項が附記された場合には、国民年金の
被保険者となった年月日、国民年金の被保険者の種別並びに国民年金手
帳の記号及び番号を記載する。
(2)職権に基づく処理(令第12条第2項)
ア 戸籍に関する届出および職権記載ならびに通知に基づく処理(第1号)
(ア)出生届に基づく記載
住民票を作成し、又は出生をした者に係る世帯の住民票にその者の記載
をする。
(イ)帰化届又は国籍取得届に基づく記載
住民票を作成し、又は帰化をした者若しくは国籍を取得した者に係る世
帯の住民票にその者の記載をし、その事由(帰化又は国籍取得)及びその
事由の生じた年月日を記入する。
(ウ)死亡届または失踪宣告届に基づく消除
消除の事由(死亡または失踪宣告)およびその事由の生じた年月日を記
入したうえ、消除する。
(エ)国籍喪失届又は国籍喪失報告に基づく消除
消除の事由(国籍喪失)及びその事由の生じた年月日を記入したうえ、
消除する。
(オ)住民票の記載の修正
上記のほか、戸籍の届出があった場合において、必要があるときは、住
民票の記載の修正をし、その事由(氏名変更、本籍変更等)およびその事
由の生じた年月日を記入する。住民票の記載の修正を要する戸籍の届出は、
おおむね、次のとおりである。(次頁の表)
(カ)職権で戸籍の記載又は記録をした場合及び法第9条第2項の規定による
通知を受けた場合においては、(ア)から(オ)までの例により住民票を
処理する。
イ 選挙管理委員会からの通知に基づく処理(第2号)
選挙管理委員会から選挙人名簿に登録した旨の通知を受けたときは、その
旨を記載し、選挙人名薄から抹消した旨の通知を受けたときはその記載を
消除する。
-------------------------------(102)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 103
┌──────本人が世帯主である場合
↓ ┌他の者が世帯主である場合
┌──────┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─────────────────┐
│ 修正事項→│世│氏│生│世│本│筆│ │
│ │帯│名│年│帯│籍│頭│ │
│ │主│ │月│主│ │者│ │
│ │氏│ │日│と│ │氏│ │
│ │名│ │ │の│ │名│ │
│ │ │ │ │続│ │ │ │
│↓届出事件名│ │ │ │柄│ │ │備考 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│出生 │ │ │ │ │ │ │出生届出未済者、無籍者、本箱不明者│
│ │○│○│○│○│○│○│等の既に住民票に記載されている者に│
│ │ │ │ │ │ │ │つき届出と相違する事項 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│認知 │○│○│ │○│○│○│嫡出子の身分を取得し父母の戸籍に入│
│ │ │ │ │ │ │ │る子、在籍のまま認知された者等 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│縁組 │○│○│ │○│○│○│養子およぴその配偶者ならぴに同氏の│
│ │ │ │ │ │ │ │子、新戸籍を編製する養親等 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│離縁 │○│○│ │○│○│○│離縁した養子および配偶者等 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│婚姻 │○│○│ │○│○│○│新戸籍を編製する夫婦、他の者の氏を│
│ │ │ │ │ │ │ │称した配偶者等 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│離婚 │○│○│ │○│○│○│復氏した者およぴこれと氏を同じくす│
│ │ │ │ │ │ │ │る者 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│復氏 │○│○│ │ │○│○│同上 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│入籍 │○│○│ │ │○│○│入籍した子、入籍届により新戸籍を編│
│ │ │ │ │ │ │ │製する者および配偶者、同氏の子等 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│氏名の変更 │○│○│ │ │ │○│改氏した者および同籍者、改名した者│
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│分籍 │ │ │ │ │○│○│分籍した者 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│転籍 │ │ │ │ │○│ │転籍した者 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│就籍 │○│○│○│ │○│○│既に住民票に記載されている者で、戸│
│ │ │ │ │ │ │ │籍の記載又は記録と相違する事項 │
├──────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─────────────────┤
│戸籍訂正 │○│○│○│○│○│○│同上 │
└──────┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─────────────────┘
(注)○印は、修正該当事項を示す。
-------------------------------(103)----------------------------------------
104 住民基本台帳事務処理要領について
ウ 国民健康保険法の規則による届出等に基づく処理(第3号)
(ア)国民健康保険の被保険者の資格の取得の届出又は退職被保険者等となっ
たことの届出があったとき、その他国民健康保険の被保険者の資格の取得
に関する事実又は退職被保険者等となった事実を確認したとき。
被保険者の資格を取得した年月日又は退職被保険者等である旨及び退職
被保険者等となった年月日を記載する。
(イ)国民健康保険の被保険者の資格の喪失の届出又は退職被保険者等でなく
なったことの届出があったとき、その他国民健康保険の被保険者の資格の
喪失に関する事実又は退職被保険者等でなくなった事実を確認したとき。
被保険者の資格を喪失した年月日又は退職被保険者等でなくなった年月
日を記載する。
(ウ)(ア)又は(イ)により、国民健康保険法の規定による届出に基づかな
いで国民健康保険の資格を取得し、若しくは喪失した年月日又は退職破保
険者等である旨及び退職被保険者等となり、若しくは退職被保険者等でな
くなった年月日を記載したときは、職権記載である旨及びその記載をした
年月日を記入する。
エ 介護保険法の規定による届出等に基づく処理(第3号の2)
(ア)介護保険の被保険者の資格の取得の届出があったとき、その他介護保険
の被保険者となった事実を確認したとき。
被保険者となった年月日を記載する。
(イ)介護保険の被保険者の資格の喪失の届出があったとき、その他介護保険
の被保険者でなくなった事実を確認したとき。
被保険者でなくなった年月日を記載する。
(ウ)(ア)又は(イ)により、介護保険法の規定による届出に基づかないで
介護保険の被保険者となり、又は被保険者でなくなった年月日を記載した
ときは、職権記載である旨及びその記載をした年月日を記入する。
オ 国民年金法の規定による届出等に基づく処理(第4号)
(ア)国民年金の被保険者となった旨の届出があったとき、その他国民年金の
被保険者となった事実を確認したとき。
被保険者となった年月日、被保険者の種別並びに国民年金手帳の記号及
び番号を記載する。
-------------------------------(104)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 105
(イ)国民年金の被保険者の種別の変更の届出があったとき、その他国民年金
の被保険者の種別の変更に関する事実を確認したとき。
被保険者の種別の変更があった年月日及び被保険者の種別を記載する。
(ウ)国民年金の被保険者でなくなった旨の届出があったとき、国民年金の被
保険者の資格の喪失の承認があったとき、その他国民年金の被保険者でな
くなった事実を確認したとき。
被保険者でなくなった年月日を記載する。
(エ)国民年金法第12条第1項の規定による氏名変更届又は同法第105条
第4項の規定による死亡の届出があったとき。
戸籍に関する届出等との関係について審査のうえ、アに準じて住民票の
記載等を行う。
カ 児童手当法(昭和46年法律第73号)第7条の規定による認定をしたと
き、または児童手当を支給すべき事由の消滅に関する事実を確認したとき。
児童手当の支給を受けている者について、児童手当の支給が始まり、また
は終った年月を記載する。
キ 不服申立てについての裁決もしくは決定その他の決定または訴訟の判決に
基づく処理(第6号)
次の不服申立てについての裁決もしくは決定その他の決定または訴訟の判
決の内容が住民基本台帳の記録と異なるときは、その裁決もしくは決定その
他の決定または訴訟の判決の趣旨に従い、必要な住民票の記載等をし、その
住民票にその事由およびその記載等をした年月日を記入する。
(ア)法第31条の3の規定による審査請求についての裁決もしくは異議申立
てについての決定または同条の処分についての訴訟の確定判決
(イ)法第33条第2項の規定による住民の住所の認定に関する決定または同
条第4項の規定による訴訟の確定判決
(ウ)公職選挙法第24条第2項(同法第27条第3項において準用する場合
を含む。)の規定による異議の申出についての決定または同法第25条
(同法第27条第3項において準用する場合を含む。)の規定による訴訟
の確定判決
(エ)地方税法(昭和25年法律第226号)第19条に規定する不服申立て
についての決定または同条の処分についての訴訟の確定判決
-------------------------------(105)----------------------------------------
106 住民基本台帳事務処理要領について
(オ)国民健康保険法第91条第1項の規定による審査請求についての裁決ま
たは同項の処分についての訴訟の確定判決
(カ)介護保険法第183条第1項の規定による審査請求についての裁決また
は同項の処分についての訴訟の確定判決
(キ)国民年金法第101条第1項の規定による審査請求についての決定もし
くは再審査請求についての裁決または同項の処分についての訴訟の確定判
決
ク 住所の表示の変更があづた場合の住民票の処理(第7号)
行政区画、郡、区、市町村内の町もしくは字もしくはこれらの名称の変更、
地番の変更または住居表示の実施もしくは変更に伴い住所の表示の変更があ
ったときは、住所の記載の修正をし、その事由「○○につき職権記載修正」
等の例により、その事由を記入し、ならびにその事由の生じた年月日および
記載の修正をした年月日を記入する。
(3)住民基本台帳の記録に誤りがある場合の処理
住民税の賦課徴収その他の事務を管理し、及び執行することにより、又は選
挙管理委員会からの選挙人名簿の抹消に関する通知、市町村の委員会からの住
民基本台帳の脱漏等に関する通報、本籍地の市町村長からの戸籍との照会に関
する通知若しくは調査等によって、住民基本台帳に脱漏若しくは誤載があり又
は住民票に誤記若しくは記載漏れがあることを知ったときは、次の例により、
職権で、住民票の記載等をする。
ア 届出がない場合(令第12条第1項)
(ア)届出に基づき住民票の記載等をすべき場合においてその届出がないとき
は、届出義務者に届出をするよう催告する。この場合において、転入者に
ついては、前住所地市町村長の発行する転入届に添付すべき書類として発
行された旨の記載された転出証明書に準ずる証明書または消除された住民
票の写を添付させるものとするが、消除された住民票が廃棄されたこと等
により上記証明書等が発行されない場合には戸籍の附票の写を添付させる
ことが適当である。
催告してもなお届出がないときは、当該記載等をすべき事実を確認して
(転入者については、前住所地または本籍地市町村長に照会して記載事項
および前住所地について確認を行なうものとする。)、(1)の届出に基
づく住民票の記載等の例により、住民票に「○○につき職権記載」等その
事由および記載等を行なった年月日を記入する。なお、住民票に記載等を
すべき事実の確認については、実地調査を行なうことが適当である。
-------------------------------(106)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 107
(イ)(ア)により住民票の記載等をしたときは、その記載等の内容を本人に
通知する。この場合において、通知を受けるべき本人の住所および居所が
明らかでないときその他通知をすることが困難であるときは、その旨を公
示する(令第12条第4項)。
イ その他の場合(令第12条第3項)
法第14条第2項の規定により自己又は自己と同一の世帯に属する者に係
る住民票に誤記又は記載漏れがある旨の申出があったとき、その他住民基本
台帳に脱漏若しくは誤載があり、又は住民票に誤記若しくは記載漏れ(住民
票コードに係る誤記及び記載漏れを除く。)があることを知ったときは、当
該記載等をすべき事実を確認して、住民票の記載等をするとともに、その住
民票に「○○につき職権記載」等の例により記載等の事由を記入し、さらに
その記載等をした年月日を記入する。
(4)住民票コードの記載の変更請求があった場合の処理
住民基本台帳に記録されている者は、その者が記録されている住民基本台帳
を備える市町村の市町村長に対し、理由の如何を問わず、住民票コードの記載
の変更を請求することができる(法第30条の3第1項)。
ア 請求の受理(法第30条の3第2項)
(ア)変更請求書の記載事項
住民票コードの記載の変更を請求する者に対し、請求者の氏名、住所及
び住民票コードを記載した請求書を提出させる(規則第4条)。
なお、住民票コードの変更理由を記載する必要はないものであること。
(イ)変更請求書の提出の際に提示させる書類
変更請求書を提出する際には、次に掲げる書類を提示させ(令第30条
の3及び規則第3条)、住民票コードの記載の変更を請求する者が本人で
あることを確認する。
A 運転免許証、健康保険の被保険者証その他法律又はこれに基づく命令の
規定により交付された書類であって当該請求者が本人であることを確認す
るため、市町村長が適当と認めるもの。
例示した書類のほか、法律又はこれに基づく命令の規定により交付され
た書類としては、海技免状、電気工事士免状、無線従事者免許証、動力車
操縦者運転免許証、運航管理者技能検定合格証明書、猟銃・空気銃所持許
可証、特殊電気工事資格者認定証、認定電気工事従事者認定証、航空従事
者技能証明書、宅地建物取引主任者証、船員手帳、戦傷病者手帳、各種年
金証書等が考えられる。
なお、戸籍謄本、住民票の写し等本人以外の者でも取得できる書類は、
本人であることを確認するための書類に該当しない。
B Aに掲げる書類をやむを得ない理由により提示することができない場合
には、当該請求者が本人であることを確認するため市町村長が適当と認め
る書類。
市町村長が適当と認める書類とは、Aの書類が更新中の場合に交付され
る仮証明書や引換証類、地方公共団体が交付する療育手帳、敬老手帳、生
活保護受給者証等、申請者本人であることを確認するため、郵便その他市
町村長が適当と認める方法により当該申請者に対して文書で照会したその
回答書その他市町村長が総合的に勘案して書類の所持者が本人であると判
断できるものである。
なお、本人確認を行う場合には、必要に応じ、適宜、口頭で質問を行っ
て補足する等慎重に行うことが適当である。
イ 住民票コ-ドの記載の変更(法第30条の3第3項及び第4項)
当該変更請求をした者に係る住民票に従前記載されていた住民票コードに
代えて、都道府県知事から指定された住民票コードのうちから選択するいず
れか一の新たな住民票コードをその者に係る住民票に記載するとともに、住
民票コードの記載の変更をした旨及び記載の変更をした年月日を記入する。
新たな住民票コードを記載したときは、速やかに、当該変更請求をした者
に対し、住民票コードの記載の変更をした旨及び新たに記載された住民票コ
ードを書面により通知する。
ウ 郵送による住民票コードの記載の変更請求については、ア-(イ)に掲げ
る書類(これらの書類を複写機により複写したものを含む。)等を添付させ
ることにより本人確認を行う。この場合において、必要に応じ、適宜、電話
等により質問を行って補足する等慎重に行うことが適当である。
エ 法定代理人による請求
住民票コードの変更請求については、個人情報保護の観点からは、本人が
自ら請求をするべきであるが、未成年者や成年被後見人のように自ら請求す
ることが困難な者もあることから、未成年者及び成年被後見人の法定代理人
に限り、本人に代わって請求することができることとするのが適当である。
この場合において、戸籍謄本その他その資格を証明する書類を提示させると
ともに、当該法定代理人に係るア(イ)に掲げる書類により、法定代理人本
人であることを確認する。ただし、本籍地が管内であり、市町村が法定代理
人であることを確認できる場合は、市町村の判断により、戸籍謄本その他そ
の資格を証明する書類の提示を省略することができる。
(5)住民票コードに係る住民票の記載の修正
ア 住民票に住民票コードに係る誤記又は記載漏れがあることを知ったときは、
当該事実を確認して、職権で、当該住民票の記載の修正を行い(令第30条
の4第1項)、職権により住民票コードの記載の修正をした旨及び記載の修
正をした年月日を記載する。
イ 住民票コードの記載の修正をしたときは、速やかに、当該記載の修正に係
る者に対し、住民票コードに係る記載の修正をした旨及び新たに記載された
住民票コードを書面により通知する(令第30条の4第2項)。
3 住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付
住民基本台帳の一部の写しの閲覧は、何人でも市町村長に対してこれを請求す
ることができるが(法第11条第1項)、市町村長は、住民基本台帳の一部の写
しの閲覧により知り得た事項を不当な目的に使用されるおそれがあることその他
の当該請求を拒むに足りる相当な理由があると認めるときには、その請求を拒む
ことができる(法第11条第3項)。
住民基本台帳に記録されている者は、自己又は自己と同一の世帯に属する者に
係る住民票の写し(法第6条第3項の規定により磁気ディスクをもって住民票を
調製している市町村にあっては、当該住民票に記録されている事項を記載した書
類。以下同じ。)及び住民票に記載をした事項に関する証明書(以下「住民票記
載事項証明書」という。)の交付を、何人でも、自己又は自己と同一の世帯に属
する者以外の者に係る住民票コードの記載を省略した住民票の写し及び住民票コ
ードに関する事項を除いた住民票記載事項証明書の交付を、市町村長に対して請
求することができるが(法第12条第1項及び第2項)、住民票の写し又は住民
票記載事項証明書(以下「住民票の写し等」という。)の交付について、当該請
求が不当な目的によることが明らかなときには、それぞれその請求を拒むことが
できる(法第12条第5項)。
(1)住民基本台帳の一部の写しの閲覧
ア 請求の受理
(ア)請求に際して明らかにさせなければならない事項
住民基本台帳の一部の写しの閲覧を請求する者に対し、次に掲げる事項
を明らかにさせなければならない(法第11条第2項及び住民票省令第1
条)。
なお、これらの事項は、事務の適正・迅速な処理に資するよう、定型的
な請求書様式を作成し、原則としてこれに記載させることとするのが適当
である。
-------------------------------(107)----------------------------------------
108 住民基本台場事務処理要領について
A 請求事由
住民基本台帳の一部の写しの閲覧を請求する理由を具体的に明らかにさ
せることとし、それか明確でない場合には、必要に応じ請求者に質問等
をし、その内容につき確認するものとする。
なお、確認をした際には、その確認内容及び方法を、請求書の余白に
記載する等の方法により記録するととが適当である。
B 請求者の氏名及び住所
請求者の氏名については、請求の意思を明らかにさせるため、自署又は
押印を求めるととが適当である。
C 請求に係る住民の範囲
閲覧を請求する住民の範囲は、町・字の区域等により可能な限り限定さ
せることが適当である。
(イ)請求事由等を明らかにさせることを要しない場合
A 次に掲げる場合には、当該請求者に請求事由等を明らかにさせることを
要しない(法第11条第2項及び住民票省令第3条)。
(A)住民票に記載されている者又はその者と同一の世帯に属する者が(ア)
のB及びCに揚げる事項を明ちかにして請求する場合
(B)国又は地方公共団体の職員がその職名、職務上の請求である旨並びに
(ア)のB及びCに掲げる事項を明らかにして請求する場合
(C)弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理
士、海事代理士又は行政書士がそめ資格、職務上の請求である旨並びに
(ア)のB及びCに掲げる事項を明らかにして請求する場合
(D)市町村長(指定都市にあっては区長)が相当と認める場合
B Aの(A)、(B)及び(C)に掲げる者の職名、資格等については、
請求書等において「本人」、「本人と同一の世帯に属する者」、「○○市
△△課長」、「弁護士」等具体的に明らかにさせる必要がある。また、こ
れらの字句をあらかじめ請求書に印刷しておき、該当するものを○で囲む
方法でも差し支えない。
さらに、これらの者の職名、資格等については、原則として請求書の記
載、押印等により判断すれば足りるが、請求書の記載等から請求者の資格
等に疑わしい点がある場合など特に必要がある場合には、身分証明書の提
示を求め、又はAの(B)若しくは(C)に掲げる者の所属する官公署若
しくは団体に電話で照会する等の方法により確認することが適当である。
-------------------------------(108)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 109
また、このような確認をした際には、その確認内容及び方法も請求書の
余白に記載する等の方法により記録することが適当である。
なお、国又は地方公共団体の職員が請求に際してその職名を明らかにす
ることがその職務に支障を及ぼす場合においては、職名を明らかにさせる
ことに代えて、身分証明書等その身分を明らかにする書類を提示させるこ
とで足りるものである。
C Aの(B)及び(C)の「職務上の請求である旨」とは、請求書の請求
事由欄に「職務上」と記載させる等、当該請求が職務上の請求であること
を明らかにさせれば足りるものである。
D 国又は地方公共団体の職員が請求に際して明らかにする住所は、当該職
員が所属する官公署の所在地で足りるものである。
E 日本道路公団、日本下水道事業団、日本放送協会等の特殊法人の役員又
は職員が、その職務上、請求事由等を明らかにして請求する場合において
は、これらの法人が特別の法律によって設置されたものでありその業務が
高い公共性を有することに鑑み、当該特殊法人の業務に支障を及ぼすこと
のないような対応を行う必要がある。
イ 閲覧
市町村長は、閲覧に供するため、住民基本台帳のうち氏名、出生の年月日、
男女の別、住所に係る部分の写し(法第6条第3項の規定により磁気ディス
クをもって住民票を調製することにより住民基本台帳を作成している市町村
長にあっては、当該住民基本台帳に記録されている事項のうち氏名、出生の
年月日、男女の別、住所を記載した書類〉を作成するとともに、その内容に
変更があったときにおけるその改製又は修正の手続、時期等を定めなければ
ならない(令第14条)。
-------------------------------(109)----------------------------------------
110 住民基本台帳事務処理要領について
民基本台帳に記録されている事項又は当該事項のうち氏名、出生の年月日、
男女の別、住所を記載した書類を作成しなければならないものとされている
が(令第2条第3項)、できるだけ後者を作成し、その活用を図ることが望
ましい。市町村長が、これらの書類の内容に変更があったときにおけるその
改製又は修正の手続、時期等を定めなければならないことは、(イ)と同様
である。
(2)住民票の写し等の交付
住民票の写し等の交付を請求する者に対し、請求事由、請求者の氏名及び住
所並びに請求に係る住民の氏名及び住所を明らかにさせなければならない(法
第12条第3項及び住民票省令第2条)。これらの事項は、住民基本台帳の一
部の写しの閲覧の請求の場合と同様に、定型的な請求書様式を作成し、原則と
してこれに記載させることとするか、又は請求者識別カードの使用により端末
機に入力させることとするのが適当である。
① 請求書による請求の場合(ただし、②に係るものを除く。)
ア 請求の受理
(ア)次に掲げる事項を請求書において明らかにさせる。
A 請求事由
請求事由については、(1)-ア-(ア)-Aに準じて取り扱う。
B 請求者の氏名及び住所
請求書の自著又は押印については、(1)-ア-(ア)-Bに準じて
取り扱う。
C 請求に係る住民の氏名及び住所
氏名及び住所のほか、索引の便に供するため、世帯主の氏名を明らかに
させるこことが適当である。
(イ)請求事由等を明らかにさせることを要しない場合は(1)-ア-(イ)
-Aと同様であり、その取扱いについては(1)-ア-(イ)-Bから
Eまでに準ずる。
(ウ)自己又は自己と同一の世帯に属する者に係る住民票コードを記載した住
民票の写し等の交付の請求があった場合には、請求者が本人であることを
確認するための書類を提示させることとし、その取扱いは、第2-2-
(4)-ア-(イ)に準じて取り扱うこと。
なお、住民票コードを記載した住民票の写し等の交付請求については、
本人又は同一世帯に属する者からの請求に限られており、国若しくは地方
公共団体の職員による職務上の請求又は弁護士、司法書士、土地家屋調査
士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士若しくは行政書士によ
る職務上の請求であっても認められないものであること。また、住民票コ
ードについては、法第30条の42及び第30条の43において、告知要
求の制限、利用制限等に係る規定が設けられているところであり、市町村
長は、住民票コードを記載した住民票の写し等の交付に当たっては、慎重
に取り扱うことが適当である。
(エ)法第12条第6項の規定により、郵便により、住民票の写し等の送付を
求められた場合についても、(ア)から(ウ)に準じて取り扱うことが適
当であるが、送付された書面の記載のみでは請求事由等が具体的に明らか
にならない場合等、これらの事項に疑義がある場合は交付すべきでないこ
とはいうまでもない。
なお、住民票コードを記載した住民票の写しの送付の求めがあった場合
は、第2-2-(4)-ア-(イ)に掲げる書類(これらの書類を複写機
により複写したものを含む。)等を添付させることにより本人確認を行う。
この場合において、必要に応じ、適宜、電話等により質問を行って補足す
る等慎重に行うことが適当である。
イ 作成
(ア)住民票の写し等を交付するに当たっては、特にその住民票が正確である
-------------------------------(110)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 111
かどうかについて留意する。したがって、
A 届出、通知等により修正、消除等をすべき住民票を未処理のまま、そ
の住民票の写し等を交付するようなことのないようにする。
B 再製した住民票について戸籍と未照合であるため戸籍の表示の記載に
誤りのある疑いがある等の住民票については、調査をし、職権による修
正等の措置を講じたうえで交付するのが建前であるが、やむを得ない場
合においては、その旨を附記して交付する。
(イ)住民票の写しは、特別の請求がある場合を除き、次の事項は省略しても
よい。
A 法第7条第4号、第5号及び自己又は自己と同一の世帯に属する者に
係る住民票の写しの交付の請求があった場合は第13号に掲げる事項
B 法第7条第9号から第11号の2までに掲げる事項(個別事項)
C 任意事項及び法第7条に規定する記載事項以外の事項
D 消除された従前の表示
(ウ)住民票の写しは、事務処理の能率化及び誤記の防止の見地より、複写機
又はプリンター等によることが便宜であるが、手書き又はタイプライター
によっても差し支えない。なお、この場合において、法第6条第3項の規
定により住民票を磁気ディスクをもって調製している市町村以外の市町村
における用紙の様式は原本と同一とする。
また、法第6条第3項の規定により住民票考磁気ディスクをもって調製
している市町村において作成する、法第12条第1項の請求に対して交付
する住民票に記載されている事項を記載した書類の様式及び規格について
は、1-(1)-ア及びイに準じて取り扱うことが適当である。
(エ)手書き又はタイプライターにより作成する場合で誤記又は遺漏による訂
正、加入及び削除をした場合には、欄外に「何字訂正」、「何字加入」叉
は「何字削除」と明記してこれに職印を押す。
(オ)世帯に属する全部の者の住民票の写しの請求があった場合において、そ
の住民票の写しが複葉にわたる場合には、毎葉のつづり目に、職印で契印
をする。世帯票の場合で空白の世帯員欄があるものを手書き又はタイプラ
イターにより写しを作成したときは、末尾に記載された者の下に「以下余
白」と記入することが適当である。
(カ)世帯票の場合において、各人の記載事項を共通欄に記載することにより
省略したとき又は先順位者との共通記載事項を略記しているときは、その
省略又は略記事項が明確にわかる方法で作成しなければならない。
-------------------------------(111)----------------------------------------
112 住民基本台帳事務処理要領について
(キ)住民票記載事項証明書の様式及び規格については、法定されていないが、
市町村において住民の利便を考慮し、簡明かつ平易な様式について創意工
夫されたい。なお、住民票記載事項証明書の交付を請求する者が自ら用紙
を持参した場合については、原則としてこれに証明することとして差し支
えない。
(ク)住民票記載事項証明書を作成する場合で誤記又は遺漏による訂正、加入
及び削除をした場合には、(エ)に準じて取り扱う。
(ケ)住民票の写しの交付の請求があった場合においても、その請求事由等か
ら住民票記載事項証明書によって十分その目的が達成できると判断される
場合にあっては、請求者の了解を得た上でできるだけ住民票記載事項証明
書により対処することが適当である。
ウ 交付
(ア)住民票の写しを交付する場合には、その住民票の写しの末尾又は裏面に
原本と相違ない旨(以下「認証文」という。)を記載する(令第15条)
とともに、作成の年月日を記入して記名押印をする。
認証文は、次の例によることが適当である。
A 世帯全員の場合
「この写しは、世帯全員の住民票の原本と相違ないことを証明する。」
B その他の場合
「この写しは、住民票の原本と相違ないことを証明する。」
(イ)住民票記載事項証明書を交付する場合には、その証明書に記載された事
項が住民票に記載された事項と相違ない旨を記載するとともに、作成の年
月日を記入して記名押印をする。
② ファクシミリによって伝送された請求書による請求の場合
ア 請求の受理
(ア)市町村長は、次に掲げる要件を満たす場合において住民票の写し等の交
付の請求を行えるものとしてあらかじめファクシミリを指定したときには、
請求者が当該ファクシミリを使用して行った住民票の写し等の交付請求
(以下「ファクシミリによる請求」という。)を受理することができる。
A 手数料が確実に納入されること
B ファクシミリによる請求のもととなった書類(以下「原請求書」とい
-------------------------------(112)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 113
う。)を市町村長が受け取ることができること
(イ)ファクシミリによる請求が認められるのは、請求者が本人又は本人と同
一の世帯に属する者に係る住民票の写し等の交付を請求する場合に限られ
る。
(ウ)原請求書においては次に掲げる事項を明らかにさせる。
なお、(イ)の取扱いにより、請求事由については明らかにさせること
を要しない。
A 請求者の氏名及び住所
請求者の氏名については、請求の意思を明らかにさせるため、原請求
書において自署又は押印を求めることが適当である。
B 請求に係る住民の氏名及び住所
請求に係る住民の氏名及び住所については、①-ア-(ア)-Cに準
じて取り扱う。
イ 作成
作成については、①-イに準じて取り扱う。
ウ 交付
(ア)ファクシミリによる請求に対する住民票の写し等の交付の方法について
は、住民票に記載された請求者の住所あて郵便により行う。
(イ)その他交付については、①-ウに準じて取り扱う。
③ 請求者識別カードによる請求の場合
ア 請求の受理
(ア)市町村長は、必要と認める場合には、請求者が市町村の電子計算機と電
気通信回線で接続された端末機に請求者識別カード(請求者を識別するた
めの磁気又は集積回路を付したカードで、市町村長が申請に基づいて住民
基本台帳た記録されている者に対して交付するものをいう。以下同じ。)
及び請求者暗証番号(請求者識別カードの不正な使用を防止するために暗
証として入力される番号で、請求者識別カードの交付を受ける者が市町村
長に届け出たものをいう。)を使用して入力することによって行った住民
票の写し等の交付請求(以下「請求者識別カードによる請求」という。)
を受理することとすることができる。
(イ)請求者識別カードによる請求が認められるのは、請求者が本人又は本人
と同一の世帯に属する者に係る住民票の写し等の交付を請求する場合に限
られる。
(ウ)請求者の氏名及び住所並びに請求に係る住民の氏名及び住所については、
-------------------------------(113)----------------------------------------
114 住民基本台帳事務処理要領について
請求者識別カードによる入力により明らかにさせる。
なお、(イ)の取扱いにより、請求事由については明らかにさせること
を要しない(法第12条第2項及び住民票省令第3条第1号)。
イ 作成
(ア)あらかじめ作成したプログラムに従って、請求の審査及び住民票の写し
等の作成を行う。
(イ)住民票の写しの記載の省略については、①-イ-(イ)に準じて取り扱
う。
(ウ)世帯に属する全部の者の住民票の写しの請求があった場合において、そ
の住民票の写しが複葉にわたる場合については、①-イ-(オ)前段に準
ずる。
(エ)世帯票の場合において、各人の記載事項を共通欄に記載することにより
省略したとき又は先順位者との共通記載事項を略記しているときの取扱い
は、①-イ-(カ)に準ずる。
(オ)住民票記載事項証明書の様式及び規格については、①-イ-(キ)に準
ずる。
ウ 交付
(ア)住民票の写しを交付する場合については、①-ウ-アに準ずる。
(イ)住民票記載事項証明書を交付する場合については、①-ウ-(イ)に準
ずる。
(ウ)住民票の写し等の交付の方法は、端末機からの出力による。
エ 交付状況の記録
住民票の写し等の交付の状況を記録しておくこことが適当である。
(3)消除した住民票の閲覧及び写し等の交付
既に住民票の全部が消除された住民票については、その閲覧の請求に応じる
必要はなく、また、その写し又は記載をした事項に関する証明書の交付の請求
については、住民票に準じて取り扱うことが適当である。
4 住民票の改製および再製
(1)住民票の改製(令第16条)
住民票は汚損したとき、消除又は修正された記載事項の多いとき等市町村長
が必要と認めるときは、いつでも改製することができる。
また、市町村長は、事務処理の合理化を図る見地より、住民票の様式又は規
格等を変更し、全部の住民票を改製することももとより差し支えない。
-------------------------------(114)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 115
ア 新住民票に旧住民票の改製をする時点において、有効な記載事項のみを移
記すれば足り、すでに修正または消除された事項は移記することを要しない。
国民健康保険、介護保険または国民年金の被保険者の資格喪失年月日につ
いても移記を省略してもよい。
ィ 新住民票には、改製の事由およびその年月日を「○年○月○日改製」の例
により記入し、旧住民票は、改製由事由およびその年月日を「○年○月○日
改製につき消除」の例により記入のうえ消除する。
ウ 住民票の一部を改製する場合についても上記に準ずる。
エ 本庁、支所又は出張所相互間の転居のため本来ならばその者の住民票を新
住民票を管轄する事務所に移管すべき場合においても、旧住所地の住民票を
消除し新任新地め住民票を新たに作成することとしても差し支えない。この
場合においては、旧住民票を転居届があった場合の取扱いの例によりその記
載を修正するとともに、上記により改製するものとする。
(2)住民等の再製(令第17条)
住民票が火災、盗難その他の災事により滅失したときは、直ちに、職権でこ
れを再製しなければならない。
ア 住民票を再製する場合には、法第34条第2項の規定により調査をするこ
とが適当である。
イ 住民票を再製する場合には、戸籍に関する事項についての記載は、戸籍又
は法務局にある戸籍の副本と照合し、他市町村に本箱を有する者については
戸籍に記載又は記録がされている事項及び戸籍の附票の記載事項(法第16
条2項の規定により磁気ディスクをもって調製する戸籍の附票にあっては、
記録事項。以下同じ。)について照会し、その回答に基づいて行う。その他
の記載事項についても、たとえば、社会保険庁または都道府県における国民
年金の被保険者の資格に関する記録についての照会等の方法により確認した
うえ、記載することが適当である。
ウ 再製した住民票には、再製の日および滅失により再製の旨を「○年○月○
日減失により再製」の例により記入する。
エ 住民票を再製したときは、その旨を告示するとともに、その告示をした日
から15日間当該住民票(法第6条第3項の規定により磁気ディスクをもっ
て住民票を調製している市町村にあっては、当該住民票に記録されている事
項を記載した書類)を関係者の縦覧に供さなければならない(令第17条第
2項)。
なお、縦覧に当たっては、住民票コードについては本人又は同一世帯の者
のみが縦覧できるような措置を講ずること。
-------------------------------(115)----------------------------------------
116 住民基本台帳事務処理要領について
第3 戸簿の附票
1 戸簿の附裏(法第16条)
市町村長は、その市町村の区域内に本籍を有する者について戸籍を単位として、
戸簿の附票を作成しなければならない。
戸籍を単位として作成することとされているので、夫婦と氏を同じくする子ご
とに作成する(戸籍法第6条)
したがって、婚姻、分簿等の届出があって戸籍法の規定に基づいて新戸籍が編
製される場合には、その戸籍の附票を作成する(令第18条第1項)。また、す
でにある戸籍に入った者があるときは、その戸籍の附票にその者に関する記載
(法第16条第2項の規定により磁気ディスクをもって調製する戸籍の附票にあ
っては、記録。以下同じ。)をする(令第18条第2項)。
(1)様式及び規格
戸籍の附票(法第16条第2項の規定により磁気ディスクをもって調製され
る戸籍の附票を除く。以下ア、イ、ウ及びエにおいて同じ。)の様式及び規格
については、法令等で規制されていないが、従来の住民登録法における様式を
そのまま使用することは何ら差し支えない。様式を変更する場合は、次の点に
留意しつつ、その様式の合理化について検討することが望ましい。
ア 冒頭に本籍欄及び氏名欄を設けること。
イ 本籍及び筆頭者の氏名欄の次に各人ごとの欄を設け、その住所・住所を定
めた年月日、名の各欄を設けること。
ウ 各人ごとの欄は、太線等をもってその区界を明確にすることが適当である
こと。
エ その他市町村の事務処理の必要に応じ、戸籍の附票記載事由欄、住所記載
事由欄、世帯主氏名欄、番号欄等を設けてもよいものであること。
なお、参考までに様式の例を示せば、おおむね次のとおりである。
《参照票は省略》
-------------------------------(116)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 117
オ 法第16条第2項の規定により戸籍の附票を磁気ディスクをもって調製す
る市町村における当該戸籍の附票の仕様及び当該磁気ディスクの規格につい
ても、特に法定されていないので、市町村において、事務処理の合理化の観
点から適当なものとすること。
(2)記載事項(法第17条)
ア 戸簿の表示(第1号)
戸籍の表示(戸簿法第9条)と同一であり、筆頭者の氏名及び本籍につい
て記載をする。筆頭者が改氏、改名をした場合は氏名を、また行政区画等の
変更があり、本簿の表示が変更した場合は本籍をそれぞれ修正する。
イ 氏名(第2号)
戸籍に記載又は記録がされている者の名について記載をする。同一戸籍に
ある者は、必ず同氏であるから氏の記載は必要ない。
ウ 住所(第3号)
戸簿の届出により、又は住所が移動したときは、転入地、転居地又は転出
地の市町村長からの通知(法第19条)等により、新住所について記載をす
る。
エ 住所を定めた年月日(第4号)
ウと同じく戸籍の届出又は住所地市町村長からの住所変更に関する通知等
によって出生の年月日又は当該住所に転入、転居等をした年月日について記
載をする。
オ その他
法第17条に規定する記載事項のほか、戸籍の附票記載事由、世帯主の氏
名等を同一の用紙に記入することは差し支えない。ただし、住民票コードを
記入することはできない。
(3)記載事項の特例(法第17条の2第1項)
法第17条に規定する事項のほか、在外選挙人名簿に登録された者について
は、その旨及び当該登録された市町村名を記載する。
2 戸簿の附需の記載等(法第18条)
戸簿の附票の記載等は、職権で行なう。
戸籍の附票の記載等の手続については、住民票の取扱い(第2の2)に準ずる。
(1)戸簿の届出に基づく処理
ア 転籍、分籍、婚姻、養子縁組等の届出により、新たに戸籍が編製される場
合には、それに伴い、戸籍の附票を作成する(令第18条第1項)。
-------------------------------(117)----------------------------------------
118 住民基本台帳事務処理要領にづいて
この場合において住所及び住所を定めた年月日は、現住所のみに関する記
載をすればよい。
イ 出生、婚姻、養子縁組等の届出により、すでにある戸籍に入籍した者があ
る場合には戸籍の附票にその者に関する記載をする(令第18条第2項)。
ウ 死亡、婚姻、養子縁組等の届出により、戸籍の全部又は一部の者が除籍さ
れる場合には、その戸籍の附票の全部又は一部を消除する(令第19条)。
(2)住民基本台帳法の届出又は職権による住民票の記載等に基づく処理(令第
20条)
ア 転入届又は転居届があったときは、これに基づき従前の住所及び住所を定
めた年月日を消除し、代りに新住所及びその住所を定めた年月日について記
載をする。
イ 転出届(国外移住の場合に限る。)があったときは、国外移住をする者に
つき、移住先及び転出の予定年月についそ記載をする。
ウ 職権により住民票の記載等をしたときも、アまたはイに準ずる。
(3)他の市町村からの通知に基づく処理(令第20条)
ア 住所地の市町村長は、届出又は職権で住民票の記載等をした場合に本籍地
における戸籍の附票の記載事項を修正すべきときは、遅滞なく当該修正すべ
き事項を本籍地市町村長に通知しなければならない(法第19条第1項)。
なお、この場合において、本籍地の市町村長は通知を受けた事項が、戸籍
の記載又は記録と一致しない場合は、その旨を住所地市町村長に通知しなけ
ればならない(法第19条第2項)。
イ 原籍地市町村長は、本籍が他の市町村へ転属したときは、遅滞なく戸籍の
附票に記載がされている事項を新本籍地の市町村長に通知しなければならな
い(法第19条第3項)
ウ 市町村の選挙管理委員会は、在外選挙人名簿に登録したとき、又は在外選
挙人名簿から抹消したときは、遅滞なく、その旨を当該登録され、又は抹消
された者の本籍地の市町村長に通知しなければならない(法第17条の2第
2項)。
これらの通知を受けた市町村長は、その者の当該通知に基づき、(1)又
は(2)の要領によって、戸籍の附票の記載等を行う。
(4)その他の処理(令第20条)
その他戸籍の附票に記載をした事項に変更があちたとき、又は戸籍の附票に
-------------------------------(118)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 119
誤記若しくは記載漏れがあったときは、(1)又は(2)に準じその記載を修
正しなければならない(令第20条)。
3 戸籍の附裏の写しの交付(法第20条及び法第12条)
戸簿の附票の写し(法第16条第2項の規定により磁気ディスクをもって戸籍
の附票を調製している市町村にあっては、当該戸籍の附票に記録されている事項
を記載した書類。以下同じ。)の交付は、何人でも市町村長に対してこれを請求
することができる(法第20条及び法第12条第1項)が、市町村長は、当該請
求が不当な目的によることが明らかなときには、これを拒むことができる(法第
20条及び法第12条第4項)。
なお、戸籍の附票に記載をした事項等に関する証明の請求があった場合には、
当該市町村における証明に関する事務一般の取扱いによる。
(1)請求の受理
ア 戸簿の附票の写しの交付を請求する者に対し、次に掲げる事項を明らかに
させなければならない(法第20条及び法第12条第2項並びに戸籍の附票
省令第1条)。
なお、これらの事項は、住民票の写し等の交付の請求の場合と同様に、定
型的な請求書様式を作成し、原則としてこれに記載させることとするのが適
当である。
(ア)請求事由
請求事由については、住民票の写し等の交付に準じて取り扱う。
(イ)請求者の氏名及び住所
請求者め自署又は押印については、住民票の写し等の交付に準じて取り
扱う。
(ウ)請求に係る戸籍の附票に記載がされた戸籍の表示
イ 次に掲げる場合には、当該請求者に請求事由等を明らかにさせることを要
しない(法第20条及び法第12条第2項並びに戸籍の附票省令第2条)。
(ア)戸籍の附票に記載がされている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直
系卑属がアの(イ)及び(ウ)に掲げる事項を明らかにして請求する場合
(イ)国又は地方公共団体の職員がその職名、職務上の請求である旨並びにア
の(イ)及び(ウ)に掲げる事項を明らかにして請求する場合
(ウ)弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、
海事代理士又は行政書士がその資格、職務上の請求である旨並びにアの
(イ)及び(ウ)に掲げる事項を明らかにして請求する場合
-------------------------------(119)----------------------------------------
120 住民基本台帳事務処理要領について
(エ)市町村長(指定都市にあっては区長)が相当と認める場合
なお、これらの場合については、住民票の写し等の交付に準じて取り扱
う。
(2)作成及び交付
戸薄の附票の写しの作成及び交付については、住民票の写しの作成及び交付
に準じて取り扱う。なお、法第16条第2項の規定により戸籍の附票を磁気デ
ィスクをもって調製している市町村において交付する、法第20条の戸簿の附
票に記録されている事項を記載した書類の様式及び規格については、第3-1
-(1)-ア、イ及びウに準じて取り扱うことが適当である。
写しの交付の際の認証文は、次の例によることが適当である。
「この写しは、戸籍の附票の原本と相違ないことを証明する。」
4 戸籍の附票の改製および再製(令第21条)
戸籍の附票の改製および再製については、住民票の改製および再製に準じて処
理する。
第4 届出
1 届出書の様式および規格
届出書の様式および規格は、法定されていないが、市町村ごとに届出書の用紙
を備えつけておくこととするのが適当である。
なお、届出書の様式は、住民の利便および事務処理の合理化の見地より、次の
点に留意しつつ、合理的な様式について創意工夫されたい。
(1)届出人が記載しやすいように平易かつ簡明なものであること。
(2)一の事由に基づく届出その他の行為については、この法律の規定による届出
により行うものとされたもの以外の届出等についても、できるだけ一の届出書
で足りるようにすること。
(3)事務処理の合理化のため届出書の写しを次のような方法に活用することを検
討すること。
ア 本籍地および前住所地の市町村長への通知書として利用すること。この場
合においては、その通知書となる届出書の写しの部分が官製葉書大(長さ
14.8センチメート、幅10センチメートル)となるように設計すること
が適当であること。
イ 転出証明書として利用すること。
ウ 委員会への通知その他の市町村内部における連絡のため利用すること。
-------------------------------(120)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 121
(4)各種の届出ごとに異なった様式を用いることなしに、共通の様式を用いるこ
とも適当であろう。
なお、参考までに法の規定による届出についての様式の例を示せば、おおむ
ね次のとおりである。(次頁)
2 届出の受理
届出の受理にあたっては、次の事項について審査しなければならない。
(1)形式的審査
ア 届出書に届出をすべき事項および附記すべき事項が記載されているかどう
か、および添付書類等の記載と相違する点がないかどうか。
なお、国民健康保険の被保険者である者が届出書に附記すべき国民健康保
険の被保険者証の記号及び番号又は被保険者資格証明書が交付されている旨
とは、転居届又は世帯変更届の場合にあっては、その者が属していた世帯及
びその者が属することとなった世帯に既に国民健康保険の被保険者の資格を
取得している者がある場合におけるその世帯の世帯主に交付されている国民
健康保険の被保険者証の記号及び番号又はその世帯の世帯主に被保険者資格
証明書が交付されている旨をいうものである。
イ 届出書に添付すべき書類が添付されているかどうか(法第22条第2項、
令第30条)。
なお、国民健康保険の被保険者である者が転居届または世帯変更届に添え
るべき国民健康保険の被保険者証又は被保険者資格証明書とは、アなお書の
被保険者証又は被保険者資格証明書をいうものである。
ウ 届出書に届出人の住所および届出の年月日が記載され、届出人が署名し、
または印を押しているかどうか(令第26条)。
(2)実質的審査
届出をしまたは附記をした事項が、届出書の記載の内容その他の事情を総合
的に判断し、事実に反する疑いがあるときは、法第34条第2項の規定により
調査し、その事実を確認する。
なお、審査にあたっては、次の点に留意する。
ア 国外から転入をした者及びいずれの市町村の住民基本台帳にも記録されて
いないことその他やむを得ない理由により転出証明書を提出できない者から
転入届があった場合には、戸籍と照合し、又は他市町村に本籍を有する者に
ついては、戸籍に記載又は記録がされている事項について照会する等の方法
により、その事実を確認したうえ、住民票の作成又は記載を行う。
-------------------------------(121)----------------------------------------
122 住民基本台帳事務処理要領について
《住民異動届の様式例:別紙3》
-------------------------------(122)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 123
イ 国民健康保険の被保険者の資格に関する附記がされた届出が世帯員からあ
ったときは、世帯主の確認を求める等の方法により、その資格の異動に関す
る事実を確認するのが適当である。
ウ 届出書に国民健康保険または国民年金の被保険者の資格に関する附記がな
い場合においては、その者が現に加入している医療保険制度の名称または公
的年金の名称を記載させ、またはきく等の方法によりその事実を確認するこ
とが適当である。
エ 国民健康保険の被保険者の資格に関する附記がされた転入届を受理するに
あたって、その届出書に記載された「転入をした年月日」が転出証明書に記
載された「転出の予定年月日」と連続していない場合において、転入をした
年月日の審査にあたっては、その間の傷病等についての保険給付等国民健康
保険に関する事務の処理に支障が生じないように特に留意すること。
上記の審査の結果、届出書の内容に不備がある場合において、それが補正す
ることができるものであるときは、補正を求めたうえで受理するのが適当であ
る。
なお、審査の結果、事実に反すると認められる届出については、これに基づ
き住民票の記載等をすべきではないことは当然である。
3 転出証明書
転出届があったときは、国外に転出をするときを除き、転出証明書を交付する
(令第24条)。
(1)転出証明書の作成は、住民票の写しまたは転出届の写しに必要な記載をして
行なう等簡易な方法により行なうことが適当である。
(2)転出証明書には、転出証明書である旨を表示するとともに、その末尾または
その裏面に次の例により、転出届があった旨の記載をし、市町村長が記名押印
をする。
(例)
上(表)記の者について、当市(町村)から転出をする旨の届出が
あったことを証明する。
昭和 年 月 日 ┌─┐
都道府県 市(町村)長氏名 │印│
└─┘
-------------------------------(123)----------------------------------------
124 住民基本台帳事務処理要領について
なお、転出証明書には、次のような注記をすることが適当である。
(例)
転入をした市町村に、転入をした日から14日以内に、この証明書を添
えて転入届をしてください。
(3)1年以内に従前の住所地に転出する者については、転出証明書にその旨を記
入する。
第5 その他
1 通知
住民基本台帳に関する事務に関する通知は、次のとおりである。
ア 転入通知(法第9条第1項)
イ 住民票記載事項通知(法第9条第2項)
ウ 戸籍の附票記載事項通知(法第19条第1項)
エ 戸籍照合通知(法第19条第2項)
オ 本籍転属通知(法第19条第3項)
カ 選挙人名簿の登録に関する通知(法第10条、第15条第2項)
キ 都道府県知事へめ本人確認情報の通知(法第30条の5第1項)
ク 住民票コードの通知(法第30条の7第1項)
ケ 職権記載等通知(令第12条第4項)
コ 転出確定通知(令第13条第4項)
なお、キ、ク及びコの通知は、電気通信回線を通じて行うものとし、その他の
通知は、住民票、届出書その他の文書の写しを利用する方法により行なうことが
適当である。
ア 転入通知
転入地の市町村長が転出地の市町村長におおむね次の事項を通知する。
(ア)転入をした者の氏名
(イ)出生の年月日
(ウ)男女の別
(エ)転入地の住所および転入をした年月日
(オ)転出地の住所
(カ)住民票コード
イ 住民票記載事項通知
その市町村の住民以外の者について、戸籍に関する届書等を受理し、又は職
権で戸籍の記載又は記録をした市町村長が、その者の住所地の市町村長に、お
おむね、次の事項を通知する。
(ア)出生の場合
A 出生をした者の氏名およびふりがな
B 出生の年月日
C 男女の別
D 世帯主の氏名および世帯主との続柄
E 本籍および筆頭者の氏名
-------------------------------(124)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 125
F 住所
(イ)死亡の場合
A 死亡をした者の氏名
B 死亡の年月日
C 住所
(ウ)その他の住民票の記載事項に変更があった場合
A 本人の氏名
B 変更した事項、その原因およびその変更の年月日
C 住所
ウ 戸籍の附票記載事項通知
住所地の市町村長が本籍地の市町村長に、おおむね、次の事項を通知する。
(ア)住所を変更した者の氏名
(イ)本籍および戸籍の筆頭者の氏名
(ウ)新住所およびその住所を定めた年月日
(エ)旧住所
なお、転出届に基づき住民票の消除をした場合にあっては、国外に転出をし
た者についてのみ通知すればよい。
エ 戸籍照合通知
本籍地の市町村長が住所地の市町村長に、おおむね、次の事項を通知する。
(ア)本人の氏名
(イ)本籍および筆頭者の氏名
(ウ)住所
(エ)照合の結果
オ 本簿転属通知
原籍地の市町村長が新本籍地の市町村長に、おおむね、次の事項を通知する。
(ア)本人の氏名
(イ)住所およびその住所を定めた年月日
(ウ)在外選挙人名簿に登録された者については、その旨及び当該登録された市
町村名
カ 選挙人名簿の登録に関する通知
(ア)市町村長が満年令19年以上の者について記載等をしたときは、市町村の
-------------------------------(125)----------------------------------------
126 住民基本台帳事務処理要領について
選挙管理委員会に、おおむね、次の事項を通知する。
A 氏名
B 生年月日
C 男女の別
D 住所
E 本籍
F 届出年月日または記載等を行なった年月日
(イ)選挙管理委員会が住民基本台帳の記録が事実と相違することを知ったとき
は、その市町村長に、おおむね、次の事項を通知する。
A 本人の氏名
B 住所
C 事実と相違する事項
D 選挙人名薄から抹消した年月日
キ 都道府県知事への本人確認情報の通知
(ア)市町村長は、住民票の記載、消除又は氏名、出生の年月日、男女の別、
住所若しくは住民票コードについての記載の修正を行った場合には、本人
確認情報を電気通信回線を通じて都道府県知事に通知する。通知する本人
確認情報は次のとおりである。
-------------------------------(005)----------------------------------------
A 住民票の記載を行った場合
(A)氏名、出生の年月日、男女の別、住所及び住民票コード
(B)住民票の記載を行った旨
(C)記載の事由(「転入」、「出生」又は「職権記載等」)
(D)その事由が生じた年月日
B 住民票の消除を行った場合
(A)氏名、出生の年月日、男女の別、住所及び住民票コ-ド
(B)住民票の消除を行った旨
(C)消除の事由(「転出」、「死亡」又は「職権消除等」)
(D)その事由が生じた年月日
C 氏名、出生の年月日、男女の別又は住所についての記載の修正を行った
場合
(A)住民票の記載の修正を行った旨
(B)記載の修正の事由(「転居」又は「職権修正等」)
(C)その事由が生じた年月日
D 住民票コードの記載の修正を行った場合
(A)住民票の記載の修正を行った旨
(B)記載の修正の事由(「住民票コードの記載の変更請求」又は「住民票
コードの職権記載等」)
(C)その事由が生じた年月日
(D)当該住民票の記載の修正前に記載されていた住民票コード
(イ)指定情報処理機関に法第30条の10第1項に規定する本人確認情報処
理事務を行わせることとした都道府県知事(以下「委任都道府県知事」と
いう。)は、(ア)の通知に係る本人確認情報を電気通信回線を通じて指
定情報処理機関に通知する。
ク 住民票コードの通知
(ア)都道府県知事は、当該都道府県の区域内の市町村の市町村長ごとに、当
該市町村長が住民票に記載することのできる住民票コードを指定し、これ
を当該市町村長に通知する(法第30条の7第1項)。この場合における
指定は、都道府県知事が当該都道府県の区域内の市町村の人口等を勘案し、
(イ)により調整を図った住民票コードのうちから無作為に抽出すること
により行う(規則第8条)。
なお、市町村長は、住民票に記載することのできる住民票コードが不足
すると見込まれるときは、当該市町村を包括する都道府県の知事に対し、
当該不足すると見込まれる数の住民票コードについて指定及び通知を求め
ることができる。
(イ)都道府県知事は、住民票コードの指定を行う場合には、あらかじめ他の
都道府県知事と協議し、市町村長に対して指定する住民票コードが当該指
定前に当該都道府県知事若しくは他の都道府県知事が指定した住民票コー
ド又は他の都道府県知事が指定しようとする住民票コードと重複しないよ
う調整を図る(法第30条の7第2項)。この場合における協議は、住民
票コードの指定を行おうとする都道府県知事から、他の都道府県知事に対
して、指定しようとする住民票コード及び指定しようとする年月日を示し
て行う(規則第9条)。
(ウ)委任都道府県知事にあっては、(ア)及び(イ)の都道府県知事の事務
は指定情報処理機関が行う。
ケ 職権記載等通知
職権で住民票の記載等をした市町村長がその記載等に係る本人に、おお
むね、次の事項を通知する。
(ア)本人の氏名
(イ)その他の職権で記載等をした内容
コ 転出確定通知
転入通知を受けた市町村長が都道府県知事におおむね次の事項を通知する。
(ア)住民票コード
(イ)転出したという事実
(ウ)異動年月日
2 住民票および戸籍の附票等の保管
(1)住民票および戸籍の附票の保管
住民票および戸籍の附票は、火災、盗難その他の災害により、亡失、滅失、
汚損または破損することのないように、その庁舎の構造等に即した安全な方法
で保管しなければならない。
(2)保存(令第34条)
ア 消除された住民票(世帯票の場合、全部が消除された住民票〉又は全部が
消除された戸籍の附票は、その消除された日から、5年間保存する。
住民票又は戸籍の附票を改製した場合における改製前の住民票又は戸籍の
附票についても、その改製された日から5年間保存する(令第34条第1項)。
イ アにかかわらず、戸籍の附票に住所の記載の修正によって国内における住
所の記載をしていない者(以下このイにおいて「在外者等」という。)に関
する記載(記載の消除を含む。以下このイにおいて同じ。)をした戸籍の附
票の全部を消除した場合における消除された戸籍の附票は、その消除された
日から80年間保存する。
-------------------------------(126)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 127
在外者等に関する記載をした戸籍の附票を改製した場合における改製前の
戸籍の附割についても、その改製された日から80年間保存する。
ただし、死亡したことにより戸籍から除かれた在外者等(以下このイにお
いて「死亡在外者等」という。)に関する記載をした戸籍の附票であって死
亡在外者等以外の在外者等に関する記載をした戸籍の附票でないものの全部
を消除した場合における消除された戸籍の附票又は死亡在外者等に関する記
載をした戸籍の附票であって死亡在外者等以外の在外者等に関する記載をし
た戸籍の附票でないものを改製した場合における改製前の戸籍の附票は、そ
の消除された日又は改製された日から5年間保存する(令第34条第2項)。
ウ 届出書、通知書その他の書類は、その受理された日から1年間保存する
(令第34条第3項)。
3 本人確認情報の保存
(1)本人確認情報の適切な保存
都道府県知事又は指定情報処理機関は、本人確認情報を漏えい、滅失又はき
損等を防止するため、適切に保存しなければならない。
(2)保存期間
都道府県及び指定情報処理機関における本人確認情報の保存期間は次のとお
りである(令第30条の6及び令第30条の11)。
ア 住民票の記載(転入、出生等)又は記載の修正(転居等)が行われたこと
により通知された本人確認情報は新たな本人確認情報の通知を受けた日から
起算して5年を経過する日まで保存する。
イ 都道府県において、住民票の消除(転出等)が行われたことにより通知さ
れた本人確認情報は、当該通知の日から起算して5年を経過する日又は次に
掲げる日のうち最も早い日のいずれか遅い日まで保存する。
(ア)新たな本人確認情報の通知を受けた日
(イ)当該本人確認情報に係る者に係る転出確定通知を受けた日
(ウ)当該本人確認情報に係る者がいずれかの市町村において住民基本台帳に
初めて記録されたことを知った日
(エ)当該通知の日から起算して80年を経過する日
なお、(ウ)は、都道府県の区域外の市町村で海外からの転入又は職権記
載があったときに、開示請求等を通じて本人からの申出があった場合等が考
えられるが、市町村において(ウ)に該当する事例が判明した場合には、当
該都道府県に適宜の方法で連絡を行うことが適当である。
ウ 指定情報処理機関において、住民票の消除(転出等)が行われたことによ
り通知された本人確認情報は、当該通知の日から起算して5年を経過する日
又は次に掲げる日のうちいずれか早い日のいずれか遅い日まで保存する。
(ア)新たな本人確認情報の通知を受けた日
(イ)当該通知の日から起算して80年を経過する日
エ 住民票の消除(死亡)が行われたことにより通知された本人確認情報は、
当該通知の日から起算して5年を経過する月まで保存する。
4 本人確認情報の提供
(1)都道府県知事が行う国の機関等への本人確認情報の提供
都道府県知事は、法別表第1の上欄に掲げる国の機関又は法人から同表の下
欄に掲げる事務の処理に関し、住民の居住関係の確認のための求めがあったと
きに限り、電気通信回線を通じた本人確認情報の送信又は本人確認情報を記録
した磁気ディスクの送付により、本人確認情報を提供する(法第30条の7第
3項及び令第30条の7)。
(2)都道府県知事が行う当該都道府県の区域内の市町村への本人確認情報の提供
都道府県知事は、当該都道府県の区域内の市町村の執行機関であって法別表
第2の上欄に掲げるものから同表の下欄に掲げる事務の処理に関し求めがあっ
たとき又は当該都道府県の区域内の市町村の市町村長から住民基本台帳に関す
る事務の処理に関し求めがあったときは、電気通信回線を通じた本人確認情報
の送信又は本人確認情報を記録した磁気ディスクの送付により、本人確認情報
を提供する(法第30条の7第4項第1号及び第3号並びに令第30条の8)。
都道府県知事は、当該都道府県の区域内の市町村の執行機関であって条例で
定めるものから条例で定める事務の処理に関し求めがあったときは、条例で定
めるところにより本人確認情報を提供する(法第30条の7第4項第2号)。
(3)都道府県知事が行う他の都道府県への本人確認情報の提供
都道府県知事は、他の都道府県の執行機関であって法別表第3の上欄に掲げ
るものから同表の下欄に掲げる事務の処理に関し求めがあったとき又は他の都
道府県の都道府県知事から法第30条の7第10項に規定する事務の処理に関
し求めがあったときは、電気通信回線を通じた本人確認情報の送信又は本人確
認情報を記録した磁気ディスクの送付により、本人確認情報を提供する(法第
30条の7第5項第1号及び第3号並びに令第30条の9)。
都道府県知事は、他の都道府県の執行機関であって条例で定めるものから条
例で定める事務の処理に関し求めがあったときは、条例で定めるところにより、
本人確認情報を提供する(法第30条の7第5項第2号)。
(4)都道府県知事が行う他の都道府県の区域内の市町村への本人確認情報の提供
都道府県知事は、他の都道府県の都道府県知事を経て、他の都道府県の区域
内の市町村の執行機関であって法別表第4の上欄に掲げるものから同表の下欄
に掲げる事務の処理に関し求めがあったとき又は他の都道府県の区域内の市町
村の市町村長から住民基本台帳に関する事務の処理に関し求めがあったときは、
電気通信回線を通じた本人確認情報の送信又は本人確認情報を記録した磁気デ
ィスクの送付により、本人確認情報を提供する(法第30条の7第6項第1号
及び第3号並びに令第30条の10)。
都道府県知事は、他の都道府県の都道府県知事を経て他の都道府県の区域内
の市町村の執行機関であって条例で定やるものから条例で定める事務の処理に
関し求めがあったときは、条例で定めるところにより、本人確認情報を提供す
る(法第30条の7第6項第2号)。
(5)市町村長が行う他の市町村への本人確認情報の提供
市町村長は、他の市町村の市町村長その他の執行機関であって条例で定める
ものから条例で定める事務の処理に関し求めがあったときは、条例で定めると
ころにより、本人確認情報を提供する(法第30条の6)。
(6)都道府県における本人確認情報の利用
都道府県知事は、次に掲げるいずれかに該当する場合は本人確認情報を利用
することができる(法第30条の8第1項)。
ア 法別表第5に掲げる事務を遂行するとき。
イ 条例で定める事務を遂行するとき。
ウ 本人確認情報の利用につき当該本人確認情報に係る本人が同意した事務を
遂行するとき。
エ 統計資料の作成を行うとき。
都道府県知事は、都道府県知事以外の当該都道府県の執行機関であって条例
で定めるものから条例で定める事務の処理に関し求めがあったときは、条例で
定めるところにより、本人確認情報を提供する(法第30条の8第2項)。
(7)指定情報処理機関の事務
委任都道府県知事にあっては、(1)~(4)の都道府県知事の事務(条例
で定めるものを除く。)は、指定情報処理機関が行う。ただし、(2)の事務
(条例で定めるものを除く。)については、委任都道府県知事も行うことがで
きる(法第30条の10第1項)。
委任都道府県知事は、指定情報処理機関が行う本人確認情報の提供に係る手
数料を指定情報処理機関の収入として収受させることができ、この場合におけ
る情報提供手数料の額は、都道府県の条例で定めるところにより、あらかじめ
都道府県知事の承認を受けて、指定情報処理機関が定める(法第30条の10
第4項及び第5項)。
(8)報告書の作成等
都道府県知事(委任都道府県知事を除く。)又は指定情報処理機関は、毎年
少なくとも1回、本人確認情報の提供状況に係る次の事項について、報告書を
作成し、都道府県の公報又は官報に公告し、かつ、事務所に備えておき、5年
間、一般の閲覧に供する(法第30条の7第8項、法第30条の11第6項、
規則第14条及び規則第21条)。
ア 本人確認情報の提供先
イ 本人確認情報の提供を行った年月
ウ 提供した本人確認情報の件数
エ 本人確認情報の提供の方法
5 本人確認情報の開示、訂正
(1)本人確認情報の開示
ア 請求の受理
本人確認情報の開示を請求する者に対し、氏名、住所並びに住民票コード
又は出生の年月日及び男女の別を明らかにさせることが適当である。
なお、これらの事項は、事務の適正・迅速な処理に資するよう定型的な請
求書様式を作成し、原則としてこれに記載させることとするのが適当である。
イ 請求の際に提示させる書類
請求者が本人であることを確認するための書類を提示させることとし、そ
の取扱いは、第2-2-(4)-ア-(イ)に準じて取り扱う。
ウ 開示(法第30条の37及び第30条の38)
都道府県知事又は指定情報処理機関は、開示請求があったときは、開示請
求を受理した日から起算して30日以内に開示請求をした者に対し、書面に
より本人確認情報を開示する。ただし、開示請求者の同意があるときは、出
力された帳票を提示する、デイスプレイの画面を見せる等書面以外の方法に
より開示することができる。
エ 郵送による開示の請求については、第2-2--(4)-ア-(イ)に掲
げる書類(これらの書類を複写機により複写したものを含む。)等を添付さ
せることにより本人確認を行う。この場合において、必要に応じ、適宜、電
話等により質問を行って補足する等慎重に行うことが適当である。
オ 本人確認情報の開示請求については、本人からの請求により、当該本人に
対して開示する制度であるので、本人自らが請求をするべきであるが、未成
年者や成年被後見人のように自ら請求することが困難な者もあることから、
未成年者及び成年被後見人の法定代理人に限り、本人に代わって請求するこ
とができることとするのが適当である。その場合の取扱いは、第2-2-
(4)-エに準じて取り扱う。
(2)本人確認情報の訂正
ア 申出の受理
(1)の開示を受けた、本人確認情報の本人又は法定代理人から、開示に
係る本人確認情報についてその内容の全部又は一部の訂正、追加又は削除の
申出があった場合は、当該者に対し、次に掲げる事項を明らかにさせること
が適当である。
(ア)氏名、住所、並びに住民票コード又は出生の年月日及び男女の別
(イ)申出の内容
(ウ)開示を受けた年月日
なお、これらの事項は、事務の適正・迅速な処理に資するよう定型的な様
式を作成し、原則としてこれに記載させることとするのが適当である。
イ 訂正(法第30条の40)
都道府県知事又は指定情報処理機関は、遅滞なく調査を行い、その結果を
当該申出をした者に対し、書面で通知する。通知においては、訂正、追加又
は削除を行った場合はその旨、訂正、追加又は削除を行わない場合はその旨
を記載するとともに、調査結果の内容をできるだけ示すことが適当である。
調査に際し、訂正、追加又は削除の申出があった都道府県は、その嘗を関
係市町村及び指定情報処理機関に通知し、通知を受けた市町村は、住民票の
記載の訂正の要否等について遅滞なく調査を行い、その結果について都道府
県に報告する。
また、訂正、追加又は削除の申出があった指定情報処理機関は、その旨を
関係都道府県を経由して関係市町村あて通知し、通知を受けた市町村は、住
民票の記載の訂正の要否等について、遅滞なく調査を行い、その結果につい
て都道府県経由指定情報処理機関に報告する。
ウ 訂正の申出については、郵送により行うことができる。
6 都道府県知事による勧告等
ア 都道府県知事は、法第30条の43第2項及び第3項に規定する住民票コ
ードの利用制限に違反する行為が行われた場合において、当該行為をした者
が更に反復してこれらの規定に違反する行為をするおそれがあると認めると
きは、当該行為をした者に対し、当該行為を中止すべきことを勧告し、又は
当該行為が中止されることを確保するために必要な措置を請ずべきことを勧
告することができる(法第30条の43第4項)。
イ 都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わない
ときは、都道府県の審議会の意見を聴いて、その者に対し、期限を定めて、
当該勧告に従うべきことを命ずることができる(法第30条の43第5項)。
ウ アの勧告又はイの命令は、関係するいずれの都道府県知事からも行うこと
ができる。勧告又は命令を行った都道府県知事は、他の関係する都道府県知
事に対して、勧告又は命令を行った旨を通知する。
エ 都道府県知事は、ア又はイの措置に関し、必要があると認めるときは、そ
の必要と認められる範囲内において、法第30条の43第2項又は第3項の
規定に違反していると認めるに足りる相当の理由がある者に対し、必要な事
項に関し報告を求め、又はその職員に、これらの規定に違反していると認め
るに足りる相当の理由がある者の事務所又は事業所に立ち入り、帳簿、書類
その他の物件を検査させることができる(法第34条の2第1項)。
オ 立入検査をする都道府県の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係
人に提示しなければならない(法第34条の2第2項)。身分証明書の様式
例は、7の様式例を参考と、されたい。
7 調査
市町村の吏員が、法第34条の規定に基づく調査を行なうにあたって関係人に
対して質問をし、または文書の提示を求めるときは、その身分を示す証明書を携
帯し、関係人の請求に応じこれを提示しなければならない。
参考までに身分証明書の様式例を示ば、おおむね.次のとおりである。
-------------------------------(127)----------------------------------------
128 住民基本台帳事務処理要領について
(表)
┌───────────────────────────────────┐
│ 第 号 │
│ │
│ 身 分 証 明 書 │
│ │
│ 勤務課 │
│ │
│ 職 名 │
│ │
│ 氏 名 │
│ │
│ 生年月日 │
│ │
│ │
│ 上記の者は住民基本台帳法第34条の規定による調査に従事する吏員 │
│ であることを証明する。 │
│ │
│ 昭和 年 月 日 │
│ ┌─┐ │
│ 市(区町村)長 氏 名 │印│ │
│ └─┘ │
└───────────────────────────────────┘
-------------------------------(128)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 129
(裏)
┌───────────────────────────────────┐
│ 住民基本台帳法(抄) │
│ │
│ (調査) │
│ 第34条 市町村長は、定期に第7条に規定する事項について調査をするも│
│ のとする。 │
│ 2 市町村長は、前項に定める場合のほか、必要があると認めるときは、い│
│ つでも第7条に規定する事項について調査をすることができる。 │
│ 3 市町村長は前2項の調査に当たり、必要があると認めるときは、当該吏│
│ 員をして、関係人に対し、質問をさせ、又は文書の提示を求めさせること│
│ ができる。 │
│ 4 当該吏員は、前項の規定により質問をし、又は文書の提示を求める場合│
│ には、その身分を示す証明書を携帯し関係人の請求があったときは、これ│
│ を提示しなければならない。 │
│ (秘密を守る義務) │
│ 第35条 住民基本台帳に関する事務に従事している者又は従事していた者│
│ は、その事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。 │
│ (罰則) │
│ 第45条 第35条の規定に違反して秘牢を漏らした者は、1年以下の懲役│
│ 又は30万円以下の罰金に処する。 │
└───────────────────────────────────┘
8 選挙管理委員会への協力
市町村の選挙管理委員会において9月1日現在における住民基本台帳に記録さ
れている者で年令満19年の者(「第5-1-カ-(ア)」により通知のあった
者を除く。)の調査、整理を行うに当たって、市町村長に協力の要請があった場
合には、市町村長は住民基本台帳又は住民基本台帳の写し若しくはその一部の写
しを利用させる等の適当な方法により調査について積極的に協力する(公職選挙
法施行令第11条)。
9 違反事件の通知
(1)法第22条から法第25集までに規定する届出の期間を経過した届出事件に
-------------------------------(129)----------------------------------------
130 住民基本台帳事務処理要領について
ついては、その理由のいかんをとわず、すべて住所地を管轄する簡易裁判所に
通知する。
届出期間を経過した届出については、受理の際期間経過の理由書を提出させ
通知書にこれを添附するのが適当である。
(2)法第50条又は法第51条第1項の規定に該当する場合の取扱いも(1)に
準ずるものとする。
(3)法第42条から法47条まで、法第49条または刑法第157条等に違反す
ると思われる場合は、事実の性質、軽重等を考慮したうえ、告発するかどうか
を決定し、その取扱いは慎重に行なわなけばならない。
第6 法施行に伴う経過措置
1 住民票の作成
市町村長は、法附則第4条第1項の規定により、昭和44年3月31日までに、
法の施行目の前日現在における住民につき、次の例により、旧住民登録法の規定
による住民票(以下「旧年民票」という。)および各種台帳を照合のうえ、住民
票を作成する。
この場合において、住民票および各種台帳間に相違のある場合その他その記載
が事実に反する疑いがあるときは、これらを調査して確認のうえ作成する必要が
ある。
なお、全住民について調査を行ない、その結果ならびに旧住民票および各種台
帳を基礎として住民票を作成することは、その正確性を期する意味においてより
望ましい方法である。
(1)現に存する各種台帳からの転記
ア 旧住民票からの転記
旧住民票から法第7条第1号から第8号までに規定する事項について転記
する。この場合には、旧住民票において消除または更正された記載の転記は、
省略する。
なお、旧住民票の行政欄に記載されている法定記載事項以外のものについ
ても、必要に応じ転記する。
イ 米穀頼の消費者である者に係る事項の記載
住民票と配給台帳の住所氏名、生年月日等の共通記載事項について照合し、
合致した者の住民票に配給台帳から所定の事項(生産、消費の別、登録小売
販売業者名)を記載する。
なお、記載事項が相違する場合においては、事実を確認したうえ、その事
-------------------------------(130)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領について 131
実に基づき記載するものとする。
ウ 国民健康保険の被保険者である者に係る事項の記載
イに準じて照合確認のうえ、被保険者の資格を取得した年月日を記載する。
なお、世帯主が相違する場合には、調査のうえ、その事実に基づいて記載す
る。
エ 国民年金の被保険者である者に係る事項の記載
イに準じて照合確認のうえこ被保険者の資格を取得した年月日、国民年金
手帳の記号および番号ならぴに任意加入被保険者については、その旨を記載
する。
オ 選挙人名簿に登録されている者に係る事項の記載
当該市町村の選挙管理委員会の選挙人名簿とイに準じて照合確認のうえ選
挙人名簿に登録されている旨を記載する。
(2)旧住民票の利用
旧住民票の用紙を次のような方法により法の規定による住民票として用いる
こともさしつかえない。
ア 旧住民票の行政欄等に個別事項を記載する。
イ 住民票を複葉とし、旧住民票と個別事項を記載したカードとを統合管理す
る。
2 届出
(1)転出証明書の交付を受けなかった者に係る転入届の受理
法の施行日前および法の施行日から7日を経過する日までに転出をした者に
ついては、転入届の際に転出証明書の添附を要しないこととされているので
(法附則第6条第2項)これらの者の転入届の受理にあたっては、従前の例に
より取り扱うことが適当である。
(2)選挙人名簿の登録の申出
選挙人名簿の登録の申出は、転入届と同一の文書で行なうものとされている
ので(公職選挙法施行令第17条第1項後段)、転入届のあて名は、市町村長
のほか、選挙管理委員会委員長とする必要がある。なお、登録の申出をする旨
の記載は、登録申出の欄を設け、該当者の欄に押印すること等の方法によるこ
とが適当である。市町村長がこれを受け付けたときは、直ちに選挙管理委員会
に申出のあった旨を通知するものとする。
3 転出証明書
(1)法附則第4条第2項の告示がされるまでの間は、転出証明書に、国民健康保
険および国民年金の被保険者に関する事項の記載を省略することができること
-------------------------------(131)----------------------------------------
132 住民基本台帳事務処理要領について
とされているが(令附則第6条)、それまでの間においても、従来から、食糧
管理法の規定による転出の証明書に国民年金手帳の記号および番号を記入して
いた市町村はもちろん、その他の市町村においても、国民年金手帳の記号およ
び番号ならびに国民健康保険の被保険看である旨をできるだけ記入することが
適当である。
(2)年齢満20年以上の者から転出届があったときは、その市町村の選挙管理委
員会は、転出証明書とあわせて選挙人名簿登録の証明書または選挙人名簿未登
録の証明書を作成し、交付する(公職選拳法第17条第3項)こととされてい
るので、転出証明書の様式を定めるに当っては、公職選挙法施行規則第4号様
式の3および第4号様式の4所定の事項を記載しうるよう、あらかじめ十分検
討しておく必要がある。
〔備考〕
この要領において定めるもののはか、住民票および戸籍の附票の記載要領、
通知書の様式等については、従前の例によって処理してさしつかえない。
-------------------------------(132)----------------------------------------
住民基本台帳事務処理要領の一部改正について 133
○住民基本台帳事務処理要領の一部改正について
昭和59年9月7日保発第84号 自治振第71号
厚生省保険局長、自治省行政局長から
各都道府県知事あて通知
健康保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(昭
和59年9月7日政令第268号)による住民基本台帳法施行令(昭和42年政令第
292号)の一部改正に伴い、住民基本台帳帳事務処理要領(昭和42年10月4日
保発第29号、自治振第150号等厚生省保険局長。自治省行政局長等から各都道府
県知事あて通知)の一部を下記のとおり改正したので、貴管下市町村に示達の上、
よろしくご指導願いたい。
記
第1 住民基本台帳事務処理要領の一部改正〔略〕
第2 運用にあたっての留意事項
1 住民票の記載事項の改正に伴い住民票の様式の改正を行う必要があるが、当分
の間は、既存の住民票の余白にゴム印等で記載欄を設けたり、付箋に記載するよ
うな方法により処理しても差し支えないこと。ただし、必要事項が明確に記載さ
れるよう配慮されたいこと。
2 住民異動届の様式についても、1に準じて取り扱うこととしても差し支えない
こと。
3 住民異動届を転出証明書として利用する場合、国民健康保険の資格に関する欄
について、当該者が国民健康保険の被保険者であっても退職被保険者等に該当し
ない場合には、退職被保険者等である旨を記載する欄には斜線を引く措置をとる
ことが適当であること。
4 退職者医療制度が実施される昭和59年10月1日現在において退職被保険者
等に該当している者の住民票中の退職被保険者等の該当年月日は、昭和59年
10月1日と記載すること。
5 市町村長が職権により住民票に退職被保険者等に関する事項を記載する場合に
おいては、国民健康保険を主管する課、係等と住民基本台帳を主管する課、係等
との間で密接な連係を図り、住民基本台帳の記録の正確性の確保に努められたい
こと。
-------------------------------(133)----------------------------------------
134 請求者識別カードによる請求に基づく住民票
の写し等の交付に係る留意事項等について
○請求者識別カ-ドによる請求に基づく住民票の写し等
の交付に係る留意事項等について
平成2年6月19日自治振第60号
自治省行政局振興課長から各都道府県総務部長あて通知
最近改正 平成7年2月1日自治振第19号
磁気テープへの記録、その利用並びに磁気テープ及びこれに関連する施設又は設備
の管理の方法に関する技術的基準(昭和61年自治省告示第15号)の一部が平成2
年6月19日自治省告示第103号をもって改正され、また、同住民基本台帳事務処
理要領(昭和42年10月4日付け自治振第150号通知)の一部改正にっいて自治
振第58号をもって自治省行政局長から都道府県知者あて通知されたが、これらの改
正は、住民票の写し、除票の写し及び住民票記載事項証明書(以下「住民票の写し等」
という。)について請求者識別カードによる請求に基づく交付を行うことができるよ
うにすることを目的として行われたものである。
しかしながら、住民票の写し等の請求者識別カ-ドによる請求に基づく交付は、最
近の高度情報処理技術を活用した新しい住民基本台帳事務の執行方法であり、実際に
導入するに当たっては、下記の諸点に留意する必要があるので、貴管下市町村に対し
て適切な指導をお願いする。
なお、本通知における、「請求者識別カード」、「請求者識別カードによる請求」
等の用語は、住民基本台帳事務処理要領第2-3-(2)-③におけるものと同一の
意味である。
また、住民票の写し等について請求者識別カ-ドによる請求に基づく交付を行うこ
とができることとされた基本的な考え方等については、別添(略)の「住民票写し及
び印鑑登録証明書の交付事務へのOA機器及びその能力の活用方索研究会報告書」中
「本論 2 コンピュータ端末からの自動交付について」を参照されたい。
記
1 請求者識別カードの交付を受けた者は、窓口において又は郵便により住民票の写
し等の交付の請求をすることを妨げられるものではないこと。
2 請求者識別カードによる請求に関し、請求者識別カードの交付手続等のほか、本
人が住民票の写し等の交付を受けるという目的以外の目的に使われないように請求
者識別カード及び請求者暗証番号を責任をもって管理すべき旨を規定した条例を制
-------------------------------(134)----------------------------------------
請求者識別カードによる請求に基づく住民票 135
の写し等の交付に係る留意事項等について
定することが適当であること。
3 請求者識別カードの盗難又は紛失、請求者暗証番号の忘失の際の対応策について
定めておくこと。
4 請求者識別カードによる請求に対して交付を行う端末機の管理方法について定め
ておくこと。
5 住民票の記載事項には、本籍の表示や世帯主との続柄といったプライバシーに深
く関わるものが含まれており、プライバシーが不法に侵害されることのないよう、
配慮する必要があること。
6 請求者識別カードによる請求に基づく住民票の写し等の交付においては.住民票
の写し等と原本との照合をプログラムの実行の過程で行うため、原本たる住民票を
磁気テープをもって調製していることが必要である。
このため、原則として、磁気テープの調製に係る電算処理を民間に委託している
場合には、請求者識別カードによる請求に基づく住民票の写し等の交付を行うこと
はできないものであること。
7 当面は、請求者識別カードによる請求に対して交付を行う端末機の設置場所は、
設置を行う当該市町村の庁舎内又はコミュニティセンター等の公共施設内に限られ
るものであること。
8 請求者識別カードによる請求に基づく住民票の写し等の交付については、導入を
行った市町村は、①導入日、②端末機の設置場所、③端末機の設置台数、④端末機
の稼働時間、⑤住民票の写し等の他に交付を行う証明書の種類等及び⑥証明書等の
交付以外の機能について、都道府県を経由して当職まで連絡することとされたいこ
と。
-------------------------------(135)----------------------------------------
136 郵便局に設置したファクシミリによる住民票の
写し等の交付の帝求に係る留意事項等について
○郵便局に設置したファクシミリによる住民票の写し等
の交付の請求に係る留意事項等について
平成4年1月2日自治振第10号
自治省行政局振興課長から各都道府県総務部長あて通知
住民基本台帳事務処理要領(昭和42年10月4日付け自治振第1500号等通知)
の一部改正については、同日、自治振第9号をもって自治省行政局長から都道府県知
事あてに通知されたが、この改正は、市町村が郵便局に専用のファクシミリを設置し、
これを利用して住民票の写し等の交付の請求を行うことができることを目的として行
われたものである。
しかし、ファクシミリを利用した請求については、新たな住民基本台帳事務の執行
方法であり、実際に導入するに当たっては、別紙のような仕組みによるほか、下記の
諸点に留意する必要があるので、貴管下市町村に対して適切な指導をお願いする。
記
1 ファクシミリの設置場所は当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)の区域内に
おける郵便局に限られること。
2 ファクシミリについては、市町村長が郵便局のロビ-の一部の使用許可を得て、
自ら設置するものであり、住民票の写しの交付に係る事務の一部を郵便局に委託す
るものではないこと。
3 本庁には専用ファクシミリを設置し、郵便局に設置したフナクシミリとのみ通信
できるよう必要な措置を講じること。
4 取扱いの対象となる住民票の写しは、本人又は本人と同一世帯に属する者に限ら
れること。
5 郵便局に設置したファクシミリのそばには、取扱いの方法をわかりやすく記載し
た掲示板を備えるなど、誤操作を防止するために必要な措置を講じること。
6 請求書及び納入済証明書の原票はファクシミリ操作後自動的に格納でさるように
することとし、市町村の職員が当該原票を定期的に回収すること。
7 郵便局に設置したファクシミリについては、管理方法を定めておくこと。
8 郵便局に設置したファクシミリの故障等の事故の場合には、請求者等の通報によ
り市町村の職員が対処できる体制をとること。
9 住民票の写しの発送にかかる郵便料については請求者の負担とすること。
-------------------------------(136)----------------------------------------
郵便局に設置したファクシミリによる住民票の 137
写し等の交付の請求に係る留意事項等について
10 当分の間、導入を行おうとする市町村は、導入計画書を添付の上、都道府県を
経由して事前に当職まで連絡することとされたい。
(別紙)
郵便局に設置したファクシミリによる住民票の写しの交付請求の仕組み
(例:A市)
1 概要
《 JPG図 》
2 手続き
① 請求者は、A市が郵便局に設置したファクシミリによりA市に住民票の写しの
交付を請求する。
② A市は、電話により請求者に受理する旨を伝えるとともに、ファクシミリによ
り住民票の写しの交付手数料及び郵送料の納入の通知をする。
③ 請求者は、住民票の写しの交付手数料及び郵送料を公金に関する郵便振替の方
法により郵便局の窓口で払い込む。
④ 郵便局は、公金に関する郵便振替の受領書及び納入済証明書を請求者に交付す
る。
⑤ 請求者は、郵便局から交付された納入済証明書をファクシミリによりA市に送
付する。
⑥ A市は、住民票の写しを作成する。
⑦ A市は、住民票の写しを請求者の住所に郵送する。
3 対象範囲
取扱いの対象となる住民票の写しは、本人又は本人と同一世帯に属する者に限ら
れる。
-------------------------------(137)----------------------------------------
138 住民票における世帯主との続柄の記載方法の変更に伴
う事務の取扱いについて
○住民票における世帯主との続柄の記載方法の変更に伴
う事務の取扱いについて
平成6年12月15日自治振第233号
自治省行政局振興課長から各都道府県総務部長あて通知
住民基本台帳事務処理要領(昭和42年10月4日付け自治振第150号等通知)
の一部改正について、本日付けで自治省行政局長から各都道府県知事あて通知された
ところであるが、その運用については、さらに下記の事項に御留意の上、遺憾のない
ようにされたい。
記
1 今般の「世帯主との続柄の記載方法」の改正は、近年におけるプライバシー意識
の高揚等社会情勢の変化に即し、世帯主の嫡出子、特別養子及び養子並びに世帯主
である父に認知されている嫡出でない子について、住民票における世帯主との続柄
の記載の区別をせずに、一律に「子」と記載するものであり、嫡出子についても長
幼性別に関する記載は行わないものとするものである。
なお、参考として、改正後における世帯主との続柄の表示の例を示すと別紙のと
おりである。
2 今般の住民基本台帳事務処理要領の一部改正が平成7年3月1日に実施されるこ
とに伴い、市町村長は、平成7年2月28日までに、同日現在における住民にかか
る住民票のうち、世帯主との続柄の記載変更が必要となるものについて、その改製
を済ませておくものとする。
3 今般の改正に関する住民への対応としては、今回の住民票における世帯主との続
柄の記載の変更が、住民に係るプライバシーの保護を目的とするものであり、これ
までの親族関係に何ら影響を及ぼすものではないこと等を、必要に応じ窓口等にお
いて説明を行う等により、改正の趣旨について住民に理解を求めることが適当であ
る。
4 改製前の住民票の写しの交付請求があった場合については、プライバシーの保護
を図る観点から、市町村長の判断により.当該改製前の住民票の写しの交付につい
て、合理的な制限をすることができるものとする。
5 「民法等の一部を改正する法律の施行等に伴う住民基本台帳に関する事務の取扱
いについて」(昭和62年11月27日付け自治振第115号当職通知)は、平成
7年2月28日限り、廃止する。
-------------------------------(138)----------------------------------------
住民票における世帯主との続柄の記載方 139
法の変更に伴う事故の取扱いについて
また、今回の改正内容に反する当職通知又は回答は、本通知によって変更又
は廃止する。
(別紙)
住民票における世帯主との続柄の記載例
┌────────────────────┬────────┬───┐
│ 区-分 │ 改正前 │改正後│
├────────────────────┼────────┼───┤
│嫡出子 │長男、二女等 │子 │
├────────────────────┼────────┼───┤
│特別養子 │長男、二女等 │子 │
├────────────────────┼────────┼───┤
│養子 │養子 │子 │
├────────────────────┼────────┼───┤
│摘出でない子 │子 │子 │
│(世帯主である父に認知されている場合) │ │ │
├────────────────────┼────────┼───┤
│嫡出でない子 │妻(未届)の子 │同左 │
│(世帯主である父に認知されていない場合)│ │ │
├────────────────────┼────────┼───┤
│妻の連れ子(世帯主が夫である場合) │妻の長男、二女等│妻の子│
├────────────────────┼────────┼───┤
│夫の連れ子(世帯主が妻である場合) │夫の長男、二女等│夫の子│
├────────────────────┼────────┼───┤
│事実上の養子 │縁故者 │同左 │
└────────────────────┴────────┴───┘
-------------------------------(139)----------------------------------------