6連敗に共通しているのは、必ず先に点を奪われているところだ。うち5試合は本塁打。今回の広島戦でも23日はバティスタ、24日が西川(先頭打者)ときて、この日は三好に移籍1号を打ち込まれた。3試合で7本、球宴明け10試合で11本も被弾している。
「マツダは狭い」も「ナゴヤドームは広い」とよく言われる。その通りだとも思うから、僕は他球団との比較よりチームの収支を見る。チームの投と打は、常に同じ条件で試合しているのだから、打った数と打たれた数に大差がついてはいけない。しかし、現実のドラゴンズは巨額の赤字にあえいでいる。12球団ワーストの53本塁打に対して、95被本塁打は巨人と並んで3番目に多い。何よりも「マイナス42」という数字は、2位の日本ハム(マイナス21)を大きく引き離している。
昨季がマイナス52、2年前がマイナス16…。最後に黒字を計上した2013年(プラス1)から、チームの連続Bクラスは始まっている。今季、12球団でプラスなのはソフトバンク(プラス32)、DeNA(同31)、巨人(同21)、西武とロッテ(ともに同12)の5球団。本塁打に限らず四球、盗塁、得失点…。こうした部門ごとの収支は、トータルの勝敗と決して無関係ではない。
日本屈指のピッチャーズパークで約半分を戦える利点を考えれば、95本は打たれすぎである。逆にいくら打者には不利な本拠地といえども、53本は打てなさすぎである。このゆゆしき問題に関する質問を、首脳陣や選手の誰にしようか考えたが、やめた。もはやその日の配球や狙い球で何とかなる話ではないからだ。
この根はもっと深い。仕入れ(ドラフト)、コーチの育成、本人の努力があって初めてスコアラーなどのサポートが生きる。そこに強い球を投げきれる投手。最悪は回避する配球ができる捕手。遠くへ飛ばす意欲をもつ打者と周囲の環境。現時点での「マイナス42」は、組織全体につきつけられた命題だ。