「闇営業」問題に端を発する騒動に揺れる吉本興業が、所属タレントと原則として契約書を交わす方針を決めたことが25日、分かった。同社はこれまで多くのケースで芸人らと口頭での契約しか交わしてこなかった。また、同日、第三者を交えた「経営アドバイザリー委員会」を設置し、タレントとの契約の在り方などをテーマに来週にも第1回委員会を開催するとしている。
委員会は国際医療福祉大の川上和久教授(政治心理学)が座長を務める。吉本側は、反社会的勢力への具体的な対策や、マネジメント体制、契約書の内容などについて助言を求めるという。
すべてのタレントとのリレーションシップ強化の方策では、タレントとの契約の在り方、マネジメント体制、悩み相談、ギャランティーなどの諸課題に取り組む。
吉本が従来のビジネススタイルをやめ、契約書を交わす方針にかじを切った。こうした背景には、公正取引委員会の山田昭典事務総長が24日、吉本の契約形態を念頭に「契約書がないことが直ちに問題になるわけではない」としながら、「契約内容が不明確なことで、独占禁止法に違反する優越的地位の乱用などを誘発する原因になり得る」「競争政策上、問題だ」などと指摘していたことも関係あるものとみられる。
一連の騒動を受けて22日に会見した吉本の岡本昭彦社長(53)は、希望者に書面で契約書を交わすことについて問われた際、「タレント一人ひとりと話をしていった場合、希望する子がいれば検討していきたいと思います」としていた。