2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会で環境対策などを協議する有識者の諮問会議は26日、聖火台や聖火リレーのトーチに水素やバイオ燃料などを採用すべきだと決議した。三菱総合研究所の小宮山宏理事長は環境負荷を低減する「持続可能」な大会を目指す中で「燃えているのが化石資源ではまずいのではないか」と指摘し、温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)を燃焼時に排出しない水素などの活用を訴えた。
福島県で世界最大級の水素工場の建設が進んでおり、会議では同県で製造された水素を使う案も意見として出た。
東京五輪の聖火はトヨタ自動車が大会での採用を目指し、燃料電池車の技術を活用してプロパンガスの代わりに水素を燃やす聖火台や聖火トーチの開発に取り組んでいる。五輪聖火の燃料に水素が使われれば初めてとなるが、関係者によると、絶対に消えない仕組みを整えられるかといった点に課題があるという。
組織委はリサイクル金属でメダルを制作するプロジェクトも推進している。小宮山氏は注目度の高い聖火でも環境配慮の取り組みが必要とし「象徴的な取り組みをしつこいぐらいに埋め込んでいくことが不可欠」と述べた。
〔共同〕
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