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【スポーツ】

[競泳]瀬戸、パーフェクト・シルバー 200バタ銀、東京五輪へ弾み

2019年7月25日 紙面から

男子200メートルバタフライ決勝で2位となり、優勝したミラク(右)と握手を交わす瀬戸大也=韓国・光州で(沢田将人撮影)

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◇世界選手権

 【光州(韓国)川村庸介】水泳の世界選手権第13日は24日、当地で行われ、競泳男子200メートルバタフライ決勝で瀬戸大也(25)=ANA=が自己記録を更新する1分53秒86で銀メダルを獲得した。前回大会の銅に続くメダル獲得で、今大会の競泳日本勢のメダルは2個目。クリシュトフ・ミラク(ハンガリー)が1分50秒73の世界新記録で優勝した。男子200メートル個人メドレー準決勝では1分57秒10の全体3位となり、25日の決勝へ進んだ。

 全力をぶつけ合い、偉大さを最も間近で感じたからこそ相手を心の底から敬えるし、自らの結果に悔いもない。怪物フェルプスを超える異次元の世界記録を目の当たりにした瀬戸は、新王者ミラクを「速すぎるよ。アメージング」とたたえ、そして言い切った。「自己新記録と銀メダルを取れた。完璧。言うことない。200の個人メドレーも良かったので100点満点」。曇りのない笑顔だった。

 自らのレースを貫き、そして鍛えてきた成果を発揮した。先行したロンドン五輪金メダリストのルクロス(南アフリカ)に冷静に狙いを定め、150メートルをターンしてから猛然と追い上げる。「150メートルを耐えて、ラスト50メートルはきつかったが、練習の成果が出て勝てた」。今季ずっと意識してきたラストの粘り強さが大一番で生きた。

 東京五輪開会式までちょうど1年。「200メートルバタフライは、あれが世界の頂点。かなり力の差があって、1年間であそこまでいくのは、ちょっと弱気な発言だけど時間が足りない。目に見えているので」。5月の来日時に、すしをともに食べた仲でもあるミラクの強さを認め、潔く胸の内をはきだした。それでも、ファイティングポーズは崩さない。「200メートルバタフライではしっかりメダルを目標にしたい」。最も近くで見た世界新との距離感が、次への目標を明確にさせた。

 もちろん、絶対に譲れない種目もある。「(発表された東京五輪の)あのメダル、めちゃめちゃ欲しい。待ち受け画面にしようかなと思うぐらい」。だが、待ち受け画面はまだ変えない。リオ五輪直後、4年間は東京五輪のエンブレムにすると決めたからだ。

 「すごくいいメダルなので、400メートル個人メドレーで一番いい色のメダルを取れるよう、まずはこの大会でできることをしっかりやりたい。メダルは取った後に待ち受け画面にしたい」。その日は2020年7月26日。男子400メートル個人メドレー決勝、金メダルを自らの手でつかみ取る。 (川村庸介)

 

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