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【神奈川】

高校生平和大使・横浜の橋本さん 来月、国連欧州本部で「思い」発表へ

広島市で行われた結団式で他の平和大使らと記念撮影する橋本さん(後列左から5番目)=高校生平和大使派遣委員会・神奈川提供

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 1年間にわたって、国内外で核兵器廃絶などを訴える「高校生平和大使・神奈川」に柏陽高2年の橋本穂花(ほのか)さん(16)=横浜市港南区=が選ばれた。全国の平和大使が集まる結団式を6月中旬に広島市で終え、現在は、8月中旬にスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪れて提出する署名集めに取り組んでいる。 (福浦未乃理)

 平和大使の活動が始まったのは、核拡散防止条約(NPT)に加盟していないインドとパキスタンが核実験をした一九九八年。非核化に逆行する動きに危機感を募らせた国内約五十の平和団体が、広島と長崎の声を世界に届けようと、若者を国連などに派遣するようにした。

 橋本さんは小学六年の時、国語の授業で調べたのを機に、国連の平和活動に関心を持った。十八歳未満の兵士「子ども兵」や、家族を養うために学校に行けない子どもがいると知った。「何不自由なく暮らしている自分と懸け離れすぎていて信じられなかった」と振り返る。

 中学二年になると、自分の目で確認しようとカンボジアの孤児院を訪れるスタディーツアーに参加。それ以来、国連で働くのが目標になり、昨年は県の代表として米メリーランド州を訪れ、地元の高校生や州知事と接した。北朝鮮のミサイル発射について聞かれても何も答えられず、「ニュース一つ一つにちゃんと向き合わなければ」と感じたという。

 今回平和大使に応募したのは、中三の頃の体験がきっかけ。当時活動していた先輩から署名を求められ、「これなら自分もできる」と感じた。就任後は、米国やカナダ、ベトナムの友人とチャットで連絡を取り、賛同してくれた人にはネット署名をしてもらった。

 国連欧州本部では、自身の平和への思いを発表するという橋本さん。「他国の誰かが傷つくかもしれないのに、自国を守るために核兵器を保有するのはおかしい。国ではなく世界の単位で平和を考えるべきではないか」と語った。

 

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