第101回全国高校野球選手権大会岩手大会は24日、盛岡市の岩手県営野球場で準決勝を行い、163キロ右腕、佐々木朗希投手(3年)を擁する大船渡は一関工を5―0で破って決勝に進出、1984年以来35年ぶりの甲子園に王手をかけた。12イニングで194球を投げた盛岡四戦から中2日の佐々木は2安打、15奪三振で完封。この日の最速は157キロだった。
立ち上がりこそ制球に苦しみ、盗塁を仕掛けられるなどしたものの、味方の先制点に助けられ、徐々に調子を上げて5回以降はノーヒット投球。22日の久慈戦は出場なしだった佐々木は「ほかのピッチャーに助けてもらったんで、だいぶ回復した。いい状態で投げられた」。決勝の相手は花巻東。「次に勝たないと、1回戦で負けたのと同じ」と決意を込めた。
この日は、中日、阪神、ヤンキース、ブルージェイズなどのスカウトが視察。巨人の長谷川スカウト部長は侍ジャパンのエース格、巨人・菅野の高校時代との比較を聞かれて「佐々木と(菅野)智之を比べたら、10対1ぐらい」と素材の高さを表現した。
連覇を狙う花巻東のプロ注目150キロ右腕、西舘勇陽投手(3年)は「佐々木君は素直にすごいとしか言いようがない。スピードだったり、変化球のキレでは勝てないが、(自分は)配球とかでかわしていければいい」と奮闘を誓った。(小原栄二)