ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

夢食堂の料理人~1964東京オリンピック選手村物語~ 高良健吾… ドラマのキャスなど…

『特集ドラマ 夢食堂の料理人~1964東京オリンピック選手村物語~』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. チャド
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  19. ティラピア
  20. 仕事

 

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『特集ドラマ 夢食堂の料理人~1964東京オリンピック選手村物語~』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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特集ドラマ 夢食堂の料理人~1964東京オリンピック選手村物語~[解][字]

1964年東京オリンピック選手村食堂に集められた若き料理人たちが、見たこともない各国の料理と格闘しながら、選手たちへの真心こめたおもてなしに挑戦していく。

詳細情報
番組内容
1964年オリンピック選手村を舞台に、東京五輪を陰で支えた若者たちにスポットをあてたもうひとつのオリンピック物語。選手村食堂には、7000人の選手団のために日本中から300人の料理人が集められた。三郎(高良健吾)も秋田からやってきて、西洋料理のみならず見たこともない各国の料理や選手たちの注文と格闘。トラブルを乗り越えながら、選手たちへの真心こめたおもてなしに挑んでいく。
出演者
【出演】高良健吾松本穂香宮舘涼太,渋谷謙人,小平大智,迫田孝也岸井ゆきの村松利史黒田大輔須藤理彩徳光和夫市川猿之助,【語り】小堺一機
原作・脚本
【作】鈴木聡

 

 


(太丸)来年 いよいよ東京オリンピック

全世界の選手が この日本を訪れます。

その食事を どうするか。

おいしくない。 食欲がわかない。
栄養が取れない。

そんなことになったら これは大問題です。

この難事業を いったい誰がやるか。

この我々でしょう。

日本のホテル 料理界 この実力を
世界に見せてやろうじゃありませんか。

ねえ 諸君!

はい 以上。 やりましょう!

拍手!

(拍手)

<というわけで
オリンピックを1年後に控え

料理界は大騒ぎとなりました>

<93の国と地域から
7, 000人の選手団が やって来るのです。

フランス料理 中華料理をはじめ

世界中の料理を作る準備を始めました。

そして ざっと数えて
300人の料理人が必要と分かり…>

(村山)おたく 何人 出せますか?
(福田)これぐらいかなぁ。

(入谷)うち これぐらい。
(馬尾)足りないねぇ…。

いい案があります。

(3人)えっ?

<かくして
日本中に呼びかけが始まりました>

都道府県から 2名ずつ
優秀な料理人を推薦してくださ~い!

<その声は ここ秋田の小さな町の

小さな洋食屋さんにも届いたのです>

(三郎)選手村の食堂か…。

おやっさん やっぱし わがってんなぁ
俺が勉強熱心で料理人の才能あるって。

(仁志)思い上がんなよ。
半人めえだがらだ。

えっ? 仕事のできる俺が
ひとつきも 店あげてみれ。

おやっさん困るだろ。
俺が いねぐても 困んねえがらか?

そんただ。
ちぇっ。

がんばりよ。 好きなんだろ。
そんたことねえ ただの幼なじみだ。

なんだか!

お待ちどおさま。

(道子)なに? この目玉焼き。
失敗したの?

わがってねえなぁ。 ターンオーバーだよ。

ターンオーバー?
世界には いろんな目玉焼きがあるんだ。

これ アメリカなば 人気なんだって。

んだから
道子さ作ってやろうと思ってさ。

私 こったの好きでねえ。
普通の ちゃんとした目玉焼きがいい。

俺が思う目玉焼きは こったなんだ。

ほれ ここにも書いてあって。 ほれ。

いやんた 出来損ねえなんて。

いいがら食べてみれって。
俺が言うんだがら 間違えねえ。

(勝治)三郎! おめえ 引っ込んでれ!

道子ちゃん ごめんな
すぐ作り直すがらな。

べ~。
べ~!

べ~。
いいがら食べてみれって!

大丈夫だがねぇ オリンピック。

(町長)オリンピックさ行く
坂田三郎くんの前途を祝して

バンザーイ!
(一同)バンザーイ!

<そして 日本中の町から

若き料理人たちが
東京の選手村へと向かったのです>

坂田三郎くん 出発です!

でっかくなって 帰ってこ~!
東京さ負げんでねえど!

負けねえど!

みっちゃ~ん!
さぶちゃん けっぱれや!

負けねえど!

<それぞれの夢とプライドをかけて。

これは もう一つのオリンピックの物語>

♬~

<オリンピック選手村は
今の代々木公園の辺り

東西800メートル
南北1, 400メートルに及ぶ

広大な敷地に整備されました。

それは まるで 東京の真ん中に
こつ然と現れた 「世界」でした>

ドミトリー。
ドミ…?

あ~ いや… わがんねえ。 ソーリー。

♬~

(高木)うんにゃこら
つが~んね ひったまげた。

まっで 日本中 がいこっじゃんなぁ。

こげん わっぜえか がいこっじんぬ
見たこちゃ おい 初めてじゃっど。

わいは どげんよ? 見たこちゃあっか?

ソーリー。

おい… 日本語よ。 かごんま弁じゃっど。

かごんま弁。

<4つある食堂の中で
配属されたのは 富士食堂です。

料理長の村山さんは 選手村の
給食業務を取りしきる

リーダーの1人でした>

皆さん この仕事を誇りに思ってください。

世界中から来てくれた
7, 000人もの選手の食事を

我々が 一手に引き受けるんです。

日本の料理は すばらしい。

戦後 日本という国は
ここまで立派になりました。

世界の人に見てもらいましょう。

選手たちだけじゃありません。
ここにいる皆さん全員が 日本代表です。

我々は 料理で
金メダルを目指しましょう。

(一同)はい!

(多田)それでは 早速 よろしく
お願いします。 (4人)お願いします!

かごんまから来た 高木 弘じゃ。

(杉浦)高知から来た 杉浦 徹や。

秋田から来た 坂田三郎だ。

なるべくよ わかりやすく しゃべるが。
お互い 外国語みたいじゃっでよ。

んだ。
ほうやにゃあ。

(山田)失礼します。
ご挨拶 遅くなりました。

帝国ホテルより派遣されました
山田和雄と申します。

よろしく お願い致します。
(多田)山田 ちょっと。

はい。
仕込みを始めるぞ。

この材料そろえてくれ。
はい。

東京のエリートだなぁ。

つきあいにっかなぁ。
やにゃあ…。

ちいと でかくなかか?
いいんだが 俺のやり方で。

こっちのほうなば 食いであんだよ。

坂田 言われたとおりに やりなさい。
だけんど うちの店では こうやってて。

効率 スピード 食べやすさ。
カットもレシピも

村山さんたちが
工夫に工夫を重ねたものなんだ。

言われたとおりに やりなさい。
はい…。

面白くねえな。 工場の大量生産みてえで。

やれって言われりゃ できるけんどよ。

へぇ~ お前 上手じゃんなぁ。

だけんど こっちのほうなば
食いであんだよな。

おい… おい!

まずいな…。
英語 わかっとか。

フランス語です。
ケッ。

世界から見たら
まだ遅れてる国なんでしょう。

♬~

みんな 続けて。
(料理人たち)はい。

カットしなさい。

規定どおりに。

「とてもいい。 ドレッシングが
一番からむサイズです」。


(拍手)

<10月に入り 続々と
各国の選手団が到着し始めました。

選手村は ますます
国際色豊かになりました>

(恵子)ハロー ウエルカム トゥ ジャパン。
(選手たち)サンキュー!

♬~

(カディナ)オウ… ソーリー。
あいやぁ こっちゃこそ ソーリー。

ウエルカム ジャパン!

サンキュー。

♬~

<選手村の人口が増え 料理人たちは
早朝から夜遅くまで 立ちっぱなし。

働きづめとなりました>

(杉浦)ミディアム あがったで~。
あいよ!

レア あがりました!
あいよ!

モア ウエルダン。 えっ?
もっと焼いてくれっちよ。

これ以上?
もっとよ。

モア ウエルダン。

えっ?

オーケー。

やりすぎじゃなかか?

いいんだが これで。
モア モアって しゃべるんだから。

チャドの人らしいですよ。
チャド? アフリカの小国です。

フランス領だったから
フランス語を話すんですよ。

モア モア モア モア モア… ウエルダン。

サンキュー!

なんだよ あいつ。

チャドか。 ミスター・ウエルダン。

フランス語 言いゆうきに
ムッシュ・ウエルダンよ…。

じゃっとん ぜいたくな話じゃんなぁ。
ステーキを 毎日 食えるなんて。

ああ おらんくの家族は
いっぺんも食うたことないわ。

やっぱい進んじょるなぁ 外国は。
だがらこそだよ。

いつばん うめえステーキ
焼いてやりてえのに。

俺に任せりゃいいんだが。
好みじゃっで しょうがなかが。

あ~ 面白くねえ。
好きなように できねえなんて。

俺ぁ 面白いけんどにゃあ。
毎日が初めてのことばっかりやき。

世界は広いにゃあ。

黒豆と豚肉の煮込みを用意します。

豚肉の用意を お願いします。
はい。

段取りは はよなったな。
オリンピック選手並みだ。

ありゃ? ありゃ…。

ありゃ!
なんとした?

水が出ないんですよ。
出んがよ!

♬~

あれ? あれ?
(重田)どうした?

出ないんです。 ちょっと見てきます。
あと お願いします。

ヘイ… ヘイ。 ヘイ!

♬~

芳江さん。
(芳江)あっ 恵子ちゃん。

どういう状況ですか?
本番が近づいて 村の人口が増えて

みんなが 水 使うから
水圧 下がっちゃったんだって。

どうなってるんですか?
こっちも 水 出ねくて。

人口が増えて
水圧が下がっちゃったんだって。

ああ…。
今 専門の人が直してるみたいよ。

食堂の人ですか?
んだ こっちも 野菜 洗ってて。

私は お客さんのシャンプーしてたの。
ああ 理髪師さん。 そう。

こっちは 洗濯できなくて困っちゃって。
シーツや枕カバーをね。

こちらは オリンピックママの芳江さん。
オリンピックママ?

お母さんみたいに お裁縫や
アイロンがけをするの。

だから 選手に すごい人気なの。
やめてよ てれるわよ。

(高木)三郎! 水 出た。
ほんとか。

(小林)菅原さん! 菅原さん! 菅原さん!

調整できました。
順次 元どおりになるはずです。

(歓声と拍手)

(高野)まだ直ってないようです。
トイレが大変なことになってるみたいで。

大変なこと?
つまり 水洗が流れなくって。

まだ直ってないって。

♬~

プリーズ。 サンキュー。

♬~

終わりました~! 終わりました!

(拍手)

終わりました。
すいません 終わりました!

♬~

おっ。
おぉ~!

♬~

(多田)軽率だ。
料理人としての自覚がなさすぎる。

いいか このオリンピックは

立派になった日本を世界に見てもらう
絶好の機会なんだ。

そこには 当然 衛生面も含まれる。

料理人が 調理服を着たまま
便所のバケツに触るとは何事だ。

すぐに服を着替えろ。 風呂に行って
全身くまなく洗ってこい。 わかったか!

(2人)はい…。

あんな言い方ないやろうがや。
大活躍しよったに。

いや 当然です。 これは クビだよ。

<開会式の前日となりました。

競技の調整に余念がない選手。

代表としての重みを
改めて確認する選手。

さまざまな思いが 交錯します>

さいなら。

あっ。 あの~!

食堂の…。

あいやぁ お疲れさまです。

服が つがうがら 見違えた。
帰りですか。

私は 三鷹。 彼女は 板橋。

東京のこと
いぐ知らねえがら。 どちらから?

秋田です。 坂田三郎って言います。

島田恵子です。 私は うちが理髪店なの。

へぇ~ それなば 家業を継ぐの?

まだ わかんない。 仕事は好きだけど。
だけんど 腕は いいんだが?

店の代表として
オリンピックに来たぐれえだから。

逆よ。 いても 一番役に立たないから
お前が行ってこいって。

あいやぁ… 俺と同じだ。

三郎さんも?

がんばろうな。
半人めえ同士。 うん。

芳江さん?

ちょっとね あっちが競技場だなと思って。
思い出があるのよ。

競技場にだが?

21年前よ。 昭和18年の10月。

今は建て替えて
「国立競技場」になったけど

当時は 「明治神宮外苑競技場」って
言ったわね。

そこで 私… 学徒出陣を見送ったの。

ああ。 兵隊さんが足りねぐなって
学生が出征したんだよな。

うん。 私も女学生だった。

今の恵子ちゃんより若かったのよ。

東条さんが 何か勇ましいこと
しゃべってね

楽団が 「海ゆかば」を演奏したの。

雨が降っててね

ゲートルを巻いた学生さんたちの足元は
泥んこだった。

「バンザーイ バンザーイ」って
みんなが言った。

私 泣いちゃったの。

おめでたいことなんだから
泣いたらいけないって思ったんだけど

涙が止まらなかった。

♬~

その 同じ場所で…

明日から始まるのね~ 平和の祭典が。

私 何を思うんだろうか。

♬~

(歓声と拍手)

…あがった?
もうちょっと。

ドレッシング。

(ラジオ)

(アナウンサー)いかにも民族色豊かな

白いガウンのようなものを
まといました チャド。

レンガ色の…。

(ラジオ)

(アナウンサー)そして いよいよ 開催国。

しんがりは 94番目
日本選手団の入場であります。

男子は 真っ赤なブレザー。

女子も 真っ赤なブレザー。
女子は 白のプリーツスカート。

(テレビ)

立派だね…。


堂々としてる。

♬~

みんな 笑ってる。

芳江さん…。

平和が来たんだね。

♬~

(歓声と拍手)

<競技が始まりました。

競技が近づき 選手たちは
今まで以上に栄養を求め

注文が細かくなってきました>

ユア ステーキ ミディアム。
サンキュー。

ああ… オーケー オーケー。

なんでかなぁ 昨日は
うめえ うめえって 食べてあったのに。

焼き方も注文どおりじゃっどなぁ。

塩だよ。
塩?

毎日 たくさん
汗をかいている人たちだから

塩を利かしたほうが
おいしいと感じるはずだ。

もう少し 塩を増やしてごらん。
はい。

レアと ミディアム。

なるほど~ 気付かんかったな。

♬~

サニーサイドアップ

シュア。

わかる? ターンオーバー。
わがるよ 両面焼きだが。

オーバーイージー
やわらかめのターンオーバー。

かたいのが オーバーハード。
中間が オーバーミディアム。

いろんな好みあるなぁ
目玉焼き一つにも。

あ… ウエルダン…。

ユア オーダー。

卵も ウエルダンなんだよ。

一貫しちょいなぁ。

作りがいねえよな
味の わがらねえやつなば。

新鮮な食材が いつでも手に入る。
そんな国ばかりでもないだろ。

衛生のためには 火をよく通す。

その味が ごちそうだと感じる文化も
あるはずだ。

面白いね。
料理は 人間の生活が つくるんだ。

♬~

へぇ~ 面白いね。

そんなこと 考えたこともねがったよ。

俺なば 俺が 一番うめえと思ったもんを
食べてもらうのが

料理だと思ってたがらさ。

食べる人の体のことも
考えてやらねばなんねえ。

汗をかいた体なば 塩を利かせたほうが
うめく感じるんだよな。

それに あど 食べる人の生活っていうか
文化っていうか お国柄っていうか

そういうのも 考えてやらねばなんねえ。

難しいね 三郎さんの仕事って。
だけど面白い。

んだ。 注文どおりに焼くと
喜んでくれるんだよ。

そりを うめそうに食うんだよなぁ。

人が喜んでくれると
やっぱし うれしいよ。

恵子ちゃんは? 仕事どう?

私は… 三郎さんが ちょっと羨ましい。

忙しくて バリバリやってて。

ヒマなんだが?

お客さんが なかなか座ってくれないの。

なんとしたこと?

(重田)プリーズ。

オーケー。

外国では 女の理髪師が少ないから
敬遠されるんだって。

下手くそだと思われて。

そんだが…。

だけど 今の話 聞いて 元気 出た。
人に喜んでもらえるように がんばる。

んだ 自信 持てよ。
恵子ちゃんは 笑顔がいいもんな。

そうかな。
そんだ。

けっぱれ。
うん?

ああ。 あ~ 秋田の言葉。
がんばれってこと。

ああ。 うん けっぱる。

じゃあ また明日。 さようなら。

また明日。

(重田)いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。

どうぞ。

オーケー。

恵子ちゃん この人
オランダのヒディンク選手だ。

柔道の金メダル候補だよ。 がんばれ。

はい。

ソーリー。

サンキュー。

♬~

あ… ありがと。

どういたしまして。

ありがとうございました!

サンキューベリーマッチ。

♬~

<選手たちにとって オリンピックは

この日のために鍛え抜いてきた力と
技を発揮する 神聖な場所です。

真剣勝負の毎日が続きます>

♬~

よう食うなぁ 運動選手は。

おかげで こっちは目が回りよるわ。

(物音)

なんだ?

(選手たちの ざわめき)

ウエルダン…!

まさか…。
えっ 食中毒?

俺 医務室さ連れていきます。
頼む。

オーケー オーケー。 オーケー。
アイドゥ アイドゥ。

オーケー オーケー。
大丈夫か? 大丈夫か?

原因が はっきりするまで
メニューの提供は中止しよう。

国を背負う人たちに
万一のことがあっては いけない。

(一同)はい。

(徳永)診察 終わりました。
どんですか? 腹いたの原因は。

食べ過ぎです。
食べ過ぎ?

(安達)消化剤を お出ししました。

すぐに よくなると思います。
しばらく休んでいってもらいますよ。

いがったな。

アイム ソーリー。

お待たせしました~!
ウエルカム!

(田中)「僕の名前は カディナ。
チャドの800mの選手です。

選手は 僕を入れて2人で
がんばろうと思って食べ過ぎた。

国では あんなに おいしいものは
食べられない。

貧しい国です。 内戦もあります」と。

責任感 強いんだね。

(田中)国を出る時 みんなが
彼のことを応援してくれたそうです。

「その期待が 僕の肩にのっている」と。

俺も同じだよ。

重みは違えかもしれねえけんど。

みんなが 何度も バンザイして
送り出してくれた。

すんげえ熱気で
俺も 体 あっつくなった。

「チャドは4年前に
フランスから独立しました。

独立してから最初のオリンピックです。

僕が がんばれば
みんなが勇気づけられます」と。

確かに フランスの国旗さ似でるね。

(田中)「チャドはチャドです。
フランスは白だけど チャドは金です。

メダルの色です。 僕は金をとる」。

ユー ウィル ゲット。

サンキュー。

♬~

あ~ いて…。 いってぇ…。

わがった わがった…。

<あのオランダのヒディンク選手が
柔道無差別級で金メダルを獲得しました>

サンキュー。

(拍手)

サンキュー。 サンキュー。 サンキュー!

(歓声と拍手)

コングラッチュレーションズ。
ありがとう。

えっ…?

サンキュー。

あれ?

サンキュー。

(拍手)

♬~

<オリンピックは 選手たちにとって

それぞれの国を
背負った戦いでもあります。


国を代表するという名誉 はたまた
プレッシャーとも たたかいながら

競技に参加しているのです>

♬~

ウエルダンのやつよ…。

さっきから な~んか
様子が おかしかとよね~。

おなかの調子が
戻ってねえんでねぇの?

予選が近かで
緊張しよっとじゃなかか?

何か 食べてえものは ねえが?

ダラバ。

ダ… ラバ?

料理の名前みたいです。
どんな料理だ?

(山田)日本にはない…。

へば 俺たちが作って…。

カディナ…。

かえって
思い出してしもうたみたいやにゃあ

ダラバって料理のこと。

おいたちには どげんしようもなかが。
作り方も わからんで。

ほっときましょう。
厨房も大変な状況ですから。

ほら 明日の仕込みをやらないと。
ほうやにゃあ…。

わっ!
あいやぁ~!

どでした!

なに? なんか
いいことあったが? あった。

ヒディンクさんが
金メダル見せに来てくれたの。

すんげえ! 「あなたが リラックス
させてくれたおかげです。

ありがとう」って。
すんげえ。 やったな 恵子ちゃん。

うれしかった。 喜んでもらえて。

そんだな。 やっぱし
喜ぶ顔なば見でえよな。

何してたの? なんか ぼんやりして。

ちょっとな。 チャドのこと考えてた。

ああ 例のウエルダンさん?
食べ過ぎて おなかこわした人でしょ。

責任感の強ぇやつなんだよ。
国を背負って 一人で戦ってる。

そんだこと しゃべられてもなぁ…。

作ってあげればいいのに。
そのダラバってお料理。

えっ?

だって 食べたら元気が出るんでしょ。
三郎さん 料理人じゃない。

いぐら料理人でも
知らねえもんなば作れねえよ。

私 三郎さんに言われて
がんばれたんだよ。

三郎さんが言ったとおりだった。

人に喜んでもらうのって
すごく うれしい。

作れないなんて言ったら なんか寂しいよ。

けっぱれ。

♬~

お~とっとっと…。
おう 待っちょったど。

あれ? なして山田もいるんだ?

みんなの故郷から差し入れが届いたとよ。
そいで 山田も呼んだと。

僕 こういうの羨ましいんですよ。

ほい お前にも来ちょっど。
あいやぁ~!

(山田)三郎さん 秋田でしょ?
なんでしょうね?

いぶりがっこだ~。

(3人)おぉ~!

…で なんよ それは?
いぶり漬け。 干すかわりに いぶす。

まあ 漬物 がっこの燻製だ。

うんめえ! 秋田の味っこだなぁ。

いいなぁ ふるさとの味。
ちょっと ください。

こっちは オクラに かつぶし。

オクラが 薩摩の名産らあ
知らんかったわ。

指宿で とれるとよ。
こいで 白飯 何杯でも食える。

うんまか~!

うみゃ~八丁味噌つけて食うてやがぁ。

えっ? みゃ~?

おまん ひょっとして…。

生まれも育ちも愛知だがや。

6年前に上京して 東京に なじもうと
がんばってきたんだに!

(笑い声)

(杉浦)なんなや おまん ええやつやいか。

食え!
飲め 飲め!

食え!
はい。

うんめえ!

やっぱい よかなぁ ふるさとの味は。

忙しくて ヘトヘトでも
勇気が出るもんな。

この土佐の酒も おんなしよ。

俺ぁ 一人やない。 故郷の みんなが
ついちゅうっちゅう気になるちや。

うん うまか~!

カディナも きっと 同じだな。

あいつなば 今
ふるさとの味が必要なんだよ。

ダラバ 作ってやりでえな。

じゃっとん どげな料理かも
わからんがね。

できる範囲で調べてみようよ。
できんわや そんなヒマないがやし。

無理やって。
無理なんてことあるが。

選手たちを見でみれ。
毎日 不可能に挑戦して 新記録 出してる。

あん人たちは特別。 国 背負ってんだ。

おいたちみたいな
ただの料理人とは違う…。

そういえば 料理長も言ってましたよね。

「ここにいる全員が 日本代表だ。
我々は 料理で金メダルを目指そう」って。

まあ ヒマは ないですけどね。

目指そうよ。 けっぱるが!

♬~

♬~

<こうして カディナの ふるさとの味
ダラバ作りが始まりました>

いいですか 材料を確認しますよ。
まずは オクラ。

じっぱりあって いがっただ。
おいのオクラ。

トマト スイートポテト ピーナツバター。

担々麺用のピーナツ持ってきた。
それで…。

これをですね え~ まずは オクラを
一口サイズに切ってください。

あっ あっち。 あっち。

♬~

「なんですか これは?」。
ダラバ。

(山田)「全然 違う
これじゃ ただのスープです」。

スープでねえの?

想像とは まるで違っていだな。

フフに つけて食べるんです。
ディップスタイルで。 ディップ?

こうやって。 つまり もう少し
ペースト状のものなんですよ。

へば フフは?
雑穀で作るものらしいです。

僕の理解では 餅に近いんですけど
少し舌触りがあって…。

あいやぁ
きりたんぽに近いんでねえが?

なんですか? それは。
米だが。

飯粒を こったに つぶして…。

作ってける。

♬~

いんでねえが?
うん。

♬~

フフ?
(2人)ウイ。

「こんなのダラバじゃない」。
えっ?

(フランス語で話す声)

面白いね。
料理は 人間の生活が つくるんだ。

♬~

塩 利かせすぎたんだ。

そっちのほうなば
うめえはずだっていう思い込みで。

作れねばいげねえのは カディナが
一番ほっとできる ふるさとの味なのに。

できたがか。
んだ。 味見してけれ。

♬~

ぼんやりしちょるなぁ。
塩が足りんがじゃないかや。

いいんだが これで。 きっと ダラバの味は
アフリカの優しい自然の味なんだ。

♬~

ユア ステーキ。

け。 ベランガールさんなば
お墨付きもらったんだ。

(山田)「これはダラバです」。

「だけど うちのダラバではない」。

なんとして?

ティラピアが入ってない」。
ティラピア

ティラピアは チャド湖にいる魚で
彼のうちのダラバには必ず入っている。

ティラピアの入ってないダラバは
うちのダラバじゃない」と。

そんた魚 聞いたことねえよ。

九州には おらんど。
四国にも おらん。

(山田)日本には いない…。

「ふるさとの味ではありません」。

魚が おらんがやき しょうがないわや。

輸入品であるんでねえがな。
それ 市場で買ってきて。

衛生上 外部から持ち込んだ生鮮食品を
僕らが使うわけにはいきません。

でも なにか…。 これ以上
僕らに できることは ありませんよ。

諦めましょう。
カディナのダラバ 作ってやろうよ。

喜ぶ顔が見でえ。 それが料理人だろ。

なっ!

予選は あさってだ。
それまでに作ってやんねえと。

おい 三郎!

すみません。
村山料理長 見かけませんでしたか?

失礼します。

料理長。
おう 坂田くんだったね。 どうした?

教えてください。
ティラピアは ほんとに いねえですか。

どっかに売ってねえですか。

あっ 釣れるとこ教えてくれたら
俺 釣ってきます。

スズキ目カワスズメ科の淡水魚。

原産地は アフリカと中近東。
ナイル川やチャド湖にも生息をしている。

日本には いない魚だね。
なんとかなりませんか?

残念ながら 日本では手に入らない。

チャドのカディナって選手に
ダラバを作ってやりてえんです。

だけんど ティラピアがねえと
カディナのダラバにならねえから。

どうしても 作ってあげたいのかな。
どうしても!

マダイの味に似ているな。
マダイ?

ティラピアのほうが
もっと さっぱりしているけど

十分 代わりにはなるだろう。
あとは 工夫次第だ。

ありがとうございます。

だけんど うちの食堂で
マダイ使ってねえですよね。

ピエールがいる さくら食堂のほうは
どうだろう。

あそこは フランス料理をやっているから
マダイを使うことがあるだろう。

タイのポワレは おいしいよ。

頼んでみます。

勝手なことして すみません。
仕事は ちゃんと やります。

だけんど どうしても作ってやりてえから。

どうしてだろう? えっ?
そんな遠い国の選手のために。

もう二度と会わないかもしれないのに。

いやぁ… んだがらかな?

あいつにとっても オリンピックは

一生一度かもしれねえし

日本さ来るのも
一生一度かもしれねえし

俺の料理 食べるのも…。

んだがら 余計に 喜ぶ顔が見でえのかも。

国は関係ねえです。 俺と あいつの問題で。

ともかく 喜ばせてやりてえから。

わかってきましたね。

来たばかりの時は
多少 独り善がりだったかもしれないが。

このオリンピックの食事作りを
任されたのは 去年の春だった。

私を含めた4つのホテルの料理長が
担当することになったんだ。

まずは レシピ作りだ。

私たちは ノートを片手に
大使館を訪ね回った。

大使の奥さんや厨房のシェフに
作り方を しつこく聞いてね。

メキシコの チリコン・カルネ
アルジェリアのクスクス…。

初めて知る料理も たくさんあった。

そうやって 秋には
2, 000のレシピをまとめ上げた。

我ながら よくやったと思う。

どうして やれたか わかるかい?

食べる人の 喜ぶ顔が見たかった。

君と同じだよ。

食べる人の心に寄り添う。
それが 料理人の真心だ。

いい料理人に おなんなさい。

はい!

♬~

カディナ。

サブロウ…。

どうだが?

♬~

いがっだ~。 グッド。

♬~

(アナウンサー)「男子800m1回戦
第3組 スタートです。

先頭 ドイツの ラング。
その後ろに ソビエトのイバン。

アイルランドのグレイディ。

外から チャドのカディナ選手と
非常に いいペースで進んでいます」。

(アナウンサー)「さあ 最後の100m。
先頭は ドイツ ラング。

続いては アイルランドを抜き チャド。
2位は チャドです。

チャドのカディナが上がってきました。
間もなく ゴールです。

ドイツ ラング。 チャド カディナ。
ラング。 カディナ。

1位は ドイツ 2位は チャド
そのままゴールイン!

明日の準決勝に進みます」。

よっしゃ!
やった~!

(カディナ)「ダラバ」!

(アナウンサー)「チャドの選手の
雄たけびであります」。

<しかし…

カディナは
翌日の準決勝で敗退しました。

カディナのオリンピックは
終わったのです>

(高木)残念やったなぁ。
落ち込んじゅうろうにゃあ。

国を背負ってましたからね チャドに
帰りにくいんじゃないでしょうか。

サブロウ。

カディナ!

ああ…。 アー ユー ファイン?

ファイン。

「準決勝のタイムは
一回戦より 0.2秒 はやかった」。

(山田)「僕は全力でやった。
胸を張って チャドに帰ります」。

グッド!

(山田)「その前に」。

俺に プレゼント?

(高木)なんそれ?

ゴールドメダル。

おりがみで つくった。

おいしかった。 ダラバ ゆうきでた。

ありがと。

サンキュー。 ありがとう!

(拍手)

サンキュー!

ありがとう。

♬~

<そして 大成功のうちに

アジアで最初のオリンピックは
終わったのです>

♬~

帰るの なんか寂しいなぁ。

大変だったけんど 楽しかったがらな。
うん。

私 ずっと やることにした この仕事。

だって 人に喜んでもらうのって
うれしいから。

俺も 料理が もっと好きになった。

東京に来た時は 板橋に寄ってよ。
散髪してあげる。

へば 秋田さ来たら 店に寄ってけれ。
なんでも作ってけるがら。

うん。
(高木)三郎!

三郎 行っど。
おう。

今 話してたんですよ。 僕たちは また
次のオリンピックで会いましょうって。

あるかな 次。

そんころ 俺 銀座に店を出しちゅう。

おいは パリやな。
僕は ホテルの料理長になってます。

俺なば…

秋田で 一番の洋食屋。

一番 現実的じゃんね。
(笑い声)

じゃあ 元気で。

恵子ちゃんもな。 けっぱれ。

うん。 三郎さんも けっぱれな。

ほんなら 銀座でな。
パリでな。

じゃあ。
じゃあ。

♬~

さいなら。 ありがとさん。

♬~

頼もしくなったなぁ。

まいったなぁ… もう先輩ヅラできねえや。

あいやぁ~
さぶちゃん 帰ってきたんだって。

お~ みっちゃん! ただいま。
おがえり。

ああ… な~んか 大人っぽくなった。

ハハ… ばかげ。

ねえ オリンピック どうであった?
東京 どうだった?

せかすなよ。 あとで ゆっくりな。

よお みっちゃんに
なんか作ってやれよ。

あっ 私 目玉焼き。
んだ わがった。

今度は失敗しねえでよ。
しねえよ。

みっちゃんの目玉焼き作ってやるから。

金メダルみてえな。

♬~