さて、2年前に無事けものフレンズになったわたくし。けもフレ2放映と、けもフレ元監督のたつきの新作(自主制作のリブート)アニメ「ケムリクサ」を楽しみに録画していた。ある種同門対決というか、いろいろ出来など語れればいいなあと。
でまあ録画したのはいいが例によって多忙でこれまで消化できなかったわけだが、たまたまぱっくり時間が空いたので、ざっくり鑑賞してみた。
したらまあ、ケムリクサの佳作感に比べて、けもフレ2は「どうしてこうなった」しか言葉が出てこないよお母ちゃん。
いやそりゃけものフレンズはたつきの超絶能力あってのコンテンツとわかってはいたが、いくらなんでもここまで劣化するかね。
けもフレ1では、自分探しするニンゲン「かばんちゃん」が、放浪先で出会うフレンズを、その能力で助けつつ、みんな(や特に旅の仲間であるサーバル)と心のつながりを深めていくストーリーラインが主調だ。
だからこそ、クライマックスでのかばんちゃんとサーバルの自己犠牲での助け合いや、仲間が集合しての総力戦シーンに、とてつもなく感情移入できるし説得力がある。
悲惨な世界でも、なんとか前を向いて進もうという温かな意志を、キャラからも背後にいる脚本や演出からも感じ取れる。
けもフレ2では、このように心のつながりを獲得していく描写がほぼない(といって悪ければ、私には少なくとも感じられない)。フレンズとは出会うが、互いに非常によそよそしく、その回の役割をこなすと「はいさよなら」的に淡々と別れていく。本日のノルマ終了ーというか。
だから全員、人形劇の心無い人形のようだ。ただただ、脚本と監督に自由に動かされるだけの駒でしかない。
各話通してのストーリーラインも全体に、「けもフレ1」の表層をなぞっただけで終わってる感じ。投げやりに真似してる感がすごい。スタッフ全員、「一秒でも早く自宅に帰ることだけを考えて作りました」という、まことに働き方改革時代にふさわしいアニメだといえよう。
途中、サーバルが前作「旅の仲間」であるかばんちゃんやボスと出会うエピソードがあるが、鉄壁の無感情が崩れないという……。もう喧嘩別れした夫婦が子供の進学の件でいやいや会ってるみたいなエピソード。なんだこれ。大ヒットしただけに前作の視聴者が引き続いて観てるの自明なのに、視聴者の期待を全然考えてないのか。
最新話ではイエイヌが出てきて、前半はなかなかなごむ展開なのだが、後半残酷すぎてどうしてこうなった(アゲイン)。。。
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- 2019年03月13日 17:45
けものフレンズ2になれなかったわたくし
1/2- tokyo editor
- 出版社の編集者。出版業界の実態について執筆している。