はじめの一言
「それまでは、ヨーロッパは無敵であり、反抗不可能なものと認識されていた。彼らは途方もなく強く、優秀で、賢かった。われわれは、空に太陽と月と星が存在するかぎりは、イギリス人はマレーシアを支配し続けるだろうと考えていた。
しかし、そのイギリス人が粗悪品の代表と思われていた日本に負けたのである。この事実はわれわれの認識を百八十度変えた。ヨーロッパも、負けるのである。
(マハティール・モハメド 昭和)」
「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」
マハティール・ビン・モハマド(ウィキペディア)
マハティール氏はマレーシアの政治家で、いまは大統領をしている(2018年11月現在)。
欧米諸国ではなく、日本の経済成長を見習おうというルックイースト政策をはじめたことでも有名。
ソビエト連邦にあった強瀬収容所では、囚人がしなければならないノルマ(作業量)があった。
今の日本でもよく使われるこの「ノルマ」という言葉はロシア語だ。
ノルマ(〈ロシア〉norma)
《規範・規準の意》1 一定時間内に果たすよう個人や集団に割り当てられる標準作業量。
2各人に課せられる仕事などの量。
(デジタル大辞泉の解説)
ソ連の強制収容所は、ロシア語で「グラーグ」という。
このロシア語は単にソ連国内で使われていた言葉ではなくて、強制収容所をあらわす言葉として世界に広がった。
カンボジアのトゥールスレイン虐殺博物館)
1970年代のカンボジアで、ポルポト派による虐殺があった。
ポルポトは170万人を虐殺した人物として6位になっている。
休日のレジャー・音楽・映画、恋愛などは、資本主義的行為とされ全面的に禁止された。
国民に課せられた使命は、農作業や土木工事など、ただアリのように黙々と働き続けることだけだったのだ。機関銃で蜂の巣にされる運命。海外からわざわざ帰国した女子学生も殺された。男女の教員を、ひとり残らず、高い絶壁から突き落として殺してしまったこともある。
カンボジアの国王であったシアヌーク殿下は、ポル・ポト政権による大虐殺があったカンボジアはこのよな時代だったと言っている。
強制労働、あらゆる自由の剥奪、人類史上、比類のない不幸
(シアヌーク回想 中央公論社)
そしてシアヌーク殿下は、ポルポト政権はカンボジアという国を巨大な「グラーグ(強制収容所)」に変えてしまったと非難している。
巨大な〈グーラーグ〉(強制収容所)に変え、アウシュビッツそこのけの大規模な屠殺所(とさつじょ)
(シアヌーク回想 中央公論社)
そのことについては、この記事を。
そしてカンボジアは、地獄と化した「トゥールスレンとキリングフィールド」~ポルポト政権下のカンボジア人②~
今のカンボジア(プノンペン)
「強制収容所」として有名なところには、ソ連のグラーグやナチス=ドイツのアウシュビッツ収容所がある。
だけど、こうした強制収容所のモデルとなるものをつくったのはじつはイギリスだった。
1899年の南アフリカ戦争(ボーア戦争、南アフリカの植民地化をめぐるブール人とイギリスとの戦争)のときに、イギリスが敵だったブール人に対して収容所をつくっている。
じつはナチスの強制収容所というのは、このボーア戦争の収容所をヒントに作られています
(新・世界地図 福田和也)
この戦争で、ブール人のゲリラ作戦に悩まされたイギリスが、抵抗するブール人を一か所に集めて住ませるための収容所をつくったことが、ナチス=ドイツの強制収容所の始まりになったという。
でも、ナチス=ドイツやソビエト連邦での強制収容所では、目的が変わっている。
【強制収容所】
古くから戦争や征服の際に,他国民や被征服民族の一部を拘束する制度として設けられてきた。戦争中,住民の一部の敵対行動を防ぐために収容所に入れる例としては,ボーア戦争中にイギリスがトランスバール共和国等の非戦闘員を拘禁したことが知られている。
しかし強制収容所が政治支配の手段として重要な意味をもったのは,ファシズム国家とスターリン主義的社会主義体制のもとにおいてであり,戦争と革命・反革命が広く生じた20世紀の現代国家における統治の方法として注目すべき現象といえる。
(世界大百科事典内の収容所の言及)
スターリン(ウィキペディア)
今回の復習
・1970年代にカンボジアでおこなわれた虐殺の責任者は?
・ナチス=ドイツがユダヤ人虐殺のためにつくった強制収容所は?
・そののモデルとなった収容所をつくった国は?
答え
・ポルポト
・アウシュビッツ収容所
・イギリス
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