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【社会】

京アニ放火の容疑者 騒音巡り、近隣トラブルも

青葉容疑者が居住していたアパート=19日、さいたま市見沼区で

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 京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオで三十三人が死亡した放火事件で十九日、身元が判明した青葉真司容疑者(41)。さいたま市見沼区のアパートで一人暮らしをし、騒音問題を起こして警察が駆け付けたり、住人の胸ぐらをつかんで「殺すぞ」と脅したりしたことも。一方、火災現場ではファンらが次々に献花に訪れ、悲しみにくれた。 (森雅貴、小倉貞俊、奥村圭吾、浅野有紀)

 青葉容疑者の住むアパートは、東武野田線大和田駅から南西に約八百メートルの閑静な住宅街にある。アパートの管理会社によると、部屋は単身者向けで、青葉容疑者は二〇一六年七月に入居。家賃の滞納はなかった。

 近所の四十代の女性によると、昨年八月半ばの未明、青葉容疑者の部屋から大音量でアラームのような音が鳴り続けた。通報を受けた警察官数人が駆け付けても、同容疑者は三十分ほどドアを開けず、消防も出動。警察官はベランダから室内に入ろうとした。

 女性が最後に青葉容疑者を見たのは、放火事件前日の今月十七日午前七時十五分ごろ。マウンテンバイクに乗り、アパートに帰ってきたといい「変わった様子はなかった」という。

 同じアパートに住む二十代の男性は、今月十四日昼に青葉容疑者とトラブルに。階上の物音に腹を立てた同容疑者が壁を蹴ったのか、男性の部屋に衝撃があった。「やめてください」と同容疑者の部屋の呼び鈴を鳴らすと、胸ぐらをつかまれて「おまえ関係ねえんだよ。殺すぞ」と脅され、怖くなったという。

 一方、アパートの別の男性住人によると、駐輪場付近でマウンテンバイクを手入れしていた青葉容疑者から「お疲れさまです」とあいさつされたことがあった。「無口な印象で、部屋からは日常的にゲームの音が響いていた」と証言した。

 アパートの同じ階に住む男性は「たまに自転車を押して部屋に入る姿を見かけた。あいさつもしてくれて、悪い印象はなかった」。ニュースで事件を知った近所の三十代主婦は「怖いですね」と話した。

 埼玉県によると、青葉容疑者は一九九五年度から三年間、県文書課の非常勤職員として勤務していた。郵便物の仕分けなどを担当。勤務態度に問題はなかったという。また捜査関係者によると二〇一二年六月、強盗などの疑いで茨城県警に逮捕された後、さいたま市内の更生保護施設に入っていた時期もある。施設の関係者は「個別の案件には答えられない」としている。

 

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