トップ > 中日スポーツ > ゴルフ > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【ゴルフ】

小祝がツアー初V 黄金世代から8人目

2019年7月22日 紙面から

ツアー初優勝を果たした小祝=イーグルポイントGCで

写真

◇サマンサタバサレディス<最終日>

 ▽21日、茨城県阿見町、イーグルポイントGC(6601ヤード、パー72)▽曇り、23・9度、東2メートル▽賞金総額6000万円、優勝1080万円▽53選手(うちアマ1人)▽観衆5409人

 黄金世代から、また新たな優勝者が出た。2打差の2位から出た小祝さくら(21)=ニトリ=が7バーディー、ノーボギーで今大会ベストスコアタイの65をマークし、大会記録を更新する通算17アンダーで逆転優勝。これまで2位が4度、3位が2度と惜敗が続いていたが、ようやく栄冠をつかんだ。1998年度生まれの黄金世代では8人目のツアー優勝。マイペースが持ち味の道産子がイ・ミニョン(韓国)との競り合いで集中力を発揮した。

 優勝インタビューの第一声は「お疲れサマンサ」…。ツアー初優勝にも涙はなく、少し笑みを漏らして他選手と軽く抱き合っただけ。時に天然、時にマイペースの小祝は、悲願のツアー初優勝を達成しても普段と何ら変わった様子がなかった。

 ラウンドでは見事な集中力を発揮した。2打差を追ってスタート。前半の途中から事実上のマッチレースとなった。1打をリードされた10番では4メートルをねじ込みバーディー。今大会初のボギーをたたいたイ・ミニョンを逆転した。それでも心に揺らぎはなかった。

 20日夜、最終日は前半を4アンダー、後半を3アンダーで回ることをイメージして寝た。「そこに向かってプレーするだけ。7アンダーを出すことしか考えず、それで負けても悔いはないという気持ちだった」

 狙い通り前半は4バーディー、ノーボギーで折り返し。後半も13番までに3つスコアを伸ばした。1打リードで迎えた15番以降は重圧に負けず、淡々と逃げ切った。「今まで他選手のことは気にしないと言いながら頭にあった。今日は7アンダーのことしか考えずにやれた」。母のひとみさんは「去年とはメンタルが違う。ミスしてもカバーできるようになった」と成長を認めた。

 ようやく惜敗続きにピリオドを打った。初優勝は同年代の河本結や渋野日向子らに先を越されたが「勝ってもおかしくない技術を持った子が多く、やっぱり勝ったなと思いながら見ていた」と焦りはなかった。

 マイペースぶりは、ひとみさんが「小さい頃から3テンポくらい遅い子だった」と評するほど。優勝会見では天然ぶりも全開。「今までで最もうれしい瞬間か?」との質問に「去年の4月に行ったBTSのライブで前から2列目の良い席だったことの方がうれしかった」と照れながら返して爆笑を誘った。今後もプレーだけでなく、言動からも目が離せそうにない。 (堤誠人)

<小祝さくら(こいわい・さくら)> 1998(平成10)年4月15日生まれ、北海道北広島市出身の21歳。158センチ、58キロ。ニトリ所属。通信制の飛鳥未来高出。8歳で母のレッスンについていき、ゴルフを始める。2017年にプロテスト合格。ツアー本格参戦1年目の昨季は未勝利ながら賞金ランキング8位。今季の獲得賞金は約4480万円で同11位。

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ