朝鮮日報

OECD、韓国に規制緩和と労働市場改革を勧告

 経済協力開発機構(OECD)はこのほど発表した「2019年構造改革年次報告書(Going for Growth)」で韓国に経済活動に対する規制を減らし、労働市場を改革することを勧告した。報告書は「韓国はこれまで急速な成長で1人当たり所得でOECDの上位圏の国々との差を縮めたが、生産性はまだ半分にすぎず、労働投入量はOECD加盟国で最も高い」と指摘した。

 報告書は韓国の規制改革について、「経済活動に負担となる規制を減らし、規制改革の進展状況を絶えず点検する必要がある」とし、具体的な方策として、包括的なネガティブ規制システムの導入、国会が発議する法案に対する規制影響評価の実施、行政指導の自粛、サービス市場での大企業参入障壁の段階的撤廃などを勧告した。

 労働市場については、「正社員と非正社員を差別する労働市場の二重構造が所得の不平等を生み、生産性の向上を阻んでおり、女性の雇用にも悪影響を与えている」とし、正社員に対する過度の雇用保障を緩和し、非正社員に対する社会保障と職業訓練を拡大する必要があると提言した。

 市場にやさしい租税体系見直しとセーフティーネットの強化も求めた。報告書は「社会的支出に必要な財政を拡充するため、歳入を増やしつつも、成長に悪影響が少ない税目に集中する必要がある」とし、付加価値税や環境税を例に挙げた。また、OECD加盟国で最高水準である高齢者の貧困率を抑えるため、基礎年金、国民年金の保障範囲を拡大する必要があるとした。

 行き過ぎた農業補助金にも言及した。OECDは「韓国は農民に対する補助金がOECD平均に比べ3倍も多く、消費者に負担となり、農業の産業構造をゆがめている」とし、「農産物の輸入障壁を順次緩和し、市場の役割をもっと拡大することが好ましい」と指摘した。

 OECDや国際通貨基金(IMF)は、規制改革と労働市場改革を韓国にしばしば求めてきたが、進展状況については政府と企業で認識に大きな差がある。17日に開かれた「済州フォーラム」でも、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は「英国も驚くほど、(韓国)政府は思い切って規制を解消した」と自賛したが、大韓商工会議所の朴容晩(パク・ヨンマン)会頭は「誤った規制が新たに起業する若者を締め付けている。これまでとは次元が異なるアプローチを探るべきだ」と語った。

チェ・ギュミン記者
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