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【政治】

経産省「老後2900万円必要」 4月の審議会で独自資料

 経済産業省が「老後に約二千九百万円必要」とする独自試算を四月に開かれた審議会で示していたことが二十六日、分かった。金融庁の金融審議会がまとめた、二千万円必要とする報告書が国会で取り上げられ物議を醸している。金融庁に続き経産省の試算も明らかになり、公的年金だけでは老後資金は不足することが政府内で共通認識となっていた可能性が強まった。七月二十一日の参院選で争点になるのは必至だ。

 試算は、二〇一八年に六十五歳を迎える夫婦世帯で老後期間が三十年間の場合、公的年金収入から生活費を差し引いた不足額が二千八百九十五万円に上るとした。四月十五日に開催された産業構造審議会の部会で示された。

 経産省によると、資料は総務省の一四年の家計調査などを基に事務局が作成した。厚生労働省が年金財政の健全性を調べる五年に一度の財政検証シナリオのうち、最も厳しい経済見通しを前提にしたため、金融審議会の報告書より不足額が大きくなった。

 老後資金を巡っては、報告書に記載された「月に五万円の赤字となり、三十年で二千万円が必要」とする試算の根拠は厚労省の資料だったことや、金融庁も「老後に千五百万~三千万円必要」との独自試算を提示していたことが既に分かっている。

 経産省の試算は、外部からの指摘で図表の誤りが見つかり六月中旬から一時、ホームページで見られなくなっていた。現在は閲覧可能という。

 

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