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内田裕也はなぜニューヨークのハドソン川をスーツで泳いだのか『内田裕也 反骨の精神』

じつのところ、沢田研二をはじめタイガースの面々とは出会ったときから、その輝きやエネルギーには勝てないと思っていたという。それもあって内田は、29歳から30代にかけては裏方に回るようになる。こうして彼の手で世に出たミュージシャンは数多い。1973年からは多くのロックミュージシャンを集めて年越しライブ「NEW YEARS WORLD ROCK FESTIVAL」をスタートさせた。

映画にも俳優として出演するうち、神代辰巳監督に求められてアイデアを出したのがきっかけで、プロデュースや脚本を手がけるようになった。その代表作の一つ「コミック雑誌なんかいらない!」(1986年)は当初、東映に企画を持ち込んだが、社長の岡田茂から「そんなの映画になるかあ!」と断られたという。完成後もしばらく配給が決まらなかったが、ミニシアターでの上映をきっかけに評判を呼び、国内外で映画賞に輝くことになる。なお、同作で監督を務めた滝田洋二郎は、のちに内田の娘婿・本木雅弘の主演で撮った「おくりびと」で米アカデミー賞外国語映画賞を受賞している。

「女にも食わせてもらえない程度の人間だったら、ロックをやるな」


コンサートに、映画にと、内田は自分のアイデアを実現するためしょっちゅう金策に走っていた。後楽園球場でコンサートを開催したときには、結婚したばかりの樹木希林がマンションを抵当に入れてくれ、どうにか費用を工面することができたという。そんな体験からか、《女にも食わせてもらえない程度の人間だったら、ロックをやるな》と彼はうそぶいた。

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