反省を力に横綱相撲を取り戻し、6度目の優勝に王手だ。鶴竜は、御嶽海ののど輪にも慌てず、万全の右四つから寄り切って13勝目を挙げた。
13日目は初顔の友風の引きに対応できず、初金星を配給して連勝ストップ。「初日の気持ちでした。立ち合いの反省を生かし、しっかり相手を見ていこうと思った」と冷静に振り返り、切り替えもバッチリ。文句なしの状態で、千秋楽の横綱決戦に出陣する。
結びの一番で並走していた白鵬が敗れ、再び単独トップに立った。座布団の乱舞を背に、悠然と引き揚げて「ここまできたらやるだけ。肩の力を抜いていきたい」。3年連続途中休場した苦い思い出を振り払うためには、何が何でも名古屋で初の賜杯が欲しい。完全復活を宣言する舞台は整った。 (志村拓)