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シンガポールのリー・シェンロン(李顯龍)首相がタイ元首相プレーム・ティンスーラーノン氏の死去を受けて5月31日にフェイスブック(Facebook)に投稿した追悼メッセージが、ベトナムとカンボジアの両国を刺激する事態に至った。
リー首相はメッセージの中で、「プレーム氏の率いたタイがASEAN原加盟国(タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国)の前線に立ち、カンボジアを侵略・占領したベトナムと、クメール・ルージュから政権を奪ったカンボジア政府に対抗した」と発言した。
これに対してベトナム外務省のレ・ティ・トゥー・ハン報道官は4日、「歴史を客観的に見ていないリー首相の発言を残念に思う」と述べ、この問題をめぐってシンガポール外務省に抗議したことを明らかにした。
ハン報道官は、「ベトナムはカンボジアの人々と共に戦ってクメール・ルージュの大量虐殺を阻止した。カンボジア特別法廷(ECCC)もクメール・ルージュ政権の上級指導者・責任者に有罪判決を下した」と述べた。
カンボジアのティー・バン国防相はこれに先立つ3日、プノンペンの空港に到着したところで記者会見を開いた。ティー・バン国防相はリー首相の問題の発言について「事実を無視し、歴史を軽視している」とし、シンガポールの国防相を通じてリー首相に発言を訂正するよう求めたことを明らかにした。
カンボジアのフン・セン首相の息子で同国の国会議員であるフン・マニ氏はプノンペンポスト紙に対し、「国益や政治的見方が異なっていたとしても、大量虐殺を犯したクメール・ルージュの罪を見過ごしてはならない。手を差し伸べて助けてくれたのはベトナムだけだった」とコメントした。
なお、クメール・ルージュの大量虐殺では、知識人や資本家、旧政権関係者など約167~187万人のカンボジア人が殺害されたとされる。