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2019年7月21日 紙面から
DeNA-中日 4回表無死、平田が左越えに通算100号本塁打を放つ(平野皓士朗撮影)=横浜スタジアムで
8連勝の後、連夜の悔しい1点差負け…。それでも中日には頼もしい男がいる。20日のDeNA戦(横浜)、平田良介外野手(31)が4回に通算100号となるソロ本塁打。21日のカード最終戦では、好調の1番打者がバットで勝利を呼び込み、流れを引き戻してくれるはずだ。
痛恨の連敗。自力優勝の可能性も再び消えた。だが竜は最後までファイティングポーズを崩さなかった。1点差。与田監督が「負けはしたが、粘り強いチームになってきている」と手応えを口にした反攻劇。陣頭に立っていたのは平田だ。
4点を追う4回無死。1ストライクからの2球目だった。完全に抑え込まれていた先発・石田の146キロ内角直球を振り抜く。快音を残した打球は湿気を含んだ空気を切り裂き、竜党の待つ左翼席へ。プロ野球294人目の100号本塁打。「直球が速い投手だったので、その真っすぐを一発で仕留められたのがよかったです」。反撃ののろしを上げた。
プロ14年目でたどり着いた3桁の大台。「期間は全く気にしてないです」。本数という記録より、野球ファンに記憶に残る放物線を描いてきた。2試合連続サヨナラ本塁打の離れ業、東京ドームの看板にぶち当てる150メートル弾を放ったこともある。だが…。「あれから全てが始まりましたから」。やはり思い出に挙げたのは1本目だった。
3年目の2008年9月7日、相手はこの日と同じ横浜(ナゴヤドーム)。同点の9回に代打で出場、右中間席へサヨナラ本塁打をぶっ放した。自身も最も印象に残る一発。そしてあのときの記憶はいまだに鮮明だ。
スイングルームで代打の準備をしていたとき。「走者がいなければ狙ってこい」。声の主は当時打撃コーチを兼任していた立浪和義さん(本紙評論家)だった。あのときは無我夢中で振ったバット。だが今は違う。「今は立浪さんが『狙え』と言ってくれた意味がよく分かります」。試合の状況、流れ、相手投手との相性…。複雑に絡み合う要因を読み取ったレジェンドの意図が短い言葉に込められていたことを最近特に実感するという。
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