「西城秀樹のサインはダメ」と叱ったジャニー喜多川さん
今のような巨大な事務所ではなく、タレントの数も少なかった。ちょうどフォーリーブスが解散する頃で、たのきんトリオはこの後に出てくる。ひょっとしたらジャニーさんが最も楽しいと思っていた頃だ。
川崎によると、ジャニーさんに叱られたという記憶はほとんどないそうで、「カップ麺をフタを取らないで食べていたら、『ちゃんとフタを取りなさい』って叱られたくらいかな」と話す。芸能人だから、常に人に見られている意識を持ち、行儀よくしなさいということのようだ。
また、憧れの西城秀樹と番組で一緒になった時にサインをもらったそうで、「ユー、ユーも芸能人なんだから、他の芸能人からサインをもらっちゃダメでしょ」と苦言を呈されたこともあったそうだ。
ジャニーさんは、こと仕事の面ではダンスでも歌でも厳しく指導したが、頭ごなしに叱ることはなかったらしい。それは現在になっても同様だったと承知している。ジャニーさんは芸能活動に必要な技術面での指導もだが、一人一人の個性と本人の希望も受け入れ、きめこまやかに育成してきた。そして、まだ10代の少年たちを育てながら、将来的に容姿や能力が大きく成長していくのを“見抜く”力は凄かった。ほとんどジャニーさんの“カン”でユニットがつくられ、それを成功させてきたのだからこそ、「カリスマ」と呼ばれるわけだ。