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【高校野球】

帝京16強 前田監督、史上初の3元号聖地へ前進

2019年7月20日 紙面から

2回、厳しい表情で選手に指示する帝京・前田三夫監督(左)=神宮球場で(園田高夫撮影)

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 第101回全国高校野球選手権東東京大会は4回戦が行われ、平成元年の夏王者・帝京が江戸川に2-0で勝ち16強入り。7回無死二塁から加田拓哉外野手(2年)がバスターで決勝の左越え2ランを放ち、田代涼太投手(2年)も2戦連続で完封するなど2年生コンビが躍動した。それでも昭和、平成、令和と3元号での甲子園出場を目指す前田三夫監督(70)は、さらに手綱を引き締める考えだ。千葉大会では今春のセンバツ準優勝の習志野や八千代松陰が5回戦に進出した。

◇東東京大会 帝京2-0江戸川

 神宮の杜に快音が響いた。均衡を破る大きな2点がスコアボードに刻まれた。加田がバントの構えからバスターで放った打球は左翼席に着弾。意外な一撃が平成最初の夏王者を16強へ導いた。

 0-0で迎えた7回無死二塁の場面だった。当初のサインは送りバント。だが失敗してカウント2-2と追い込まれると、ベンチのサインはバスターへと切り替わった。

 「絶対に打たなくてはいけない」。重要な役目に責任を感じながらも、緊張はしなかった。強い気持ちで高めのボールを捉えると、打球は思いとともに左翼席へ届いた。

 「公式戦でのホームランは初めてなのでうれしい。気持ち良かった」と白い歯をこぼした加田。前田監督は「バスターの構えから打って入ったのは、自信になると思う」と目を細める。

 甲子園通算51勝をマークし、昭和、平成の高校野球界をリードしてきた名将。令和元年の今年、東東京を勝ち抜けば100年を越える歴史の中、史上初めて3元号で甲子園へ導くことになる。

 残り4試合は厳しい戦いが予想されるだけに「(きょうは)相手ピッチャーの球質が良くて、手元で伸びてる感じだった。全然打ててない。明日は練習で意識を変えてきます」とさらなる強化を誓った前田監督。8年ぶりの聖地へ、タクトは緩めない。 (田中亜実)

 

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