アニメーションの表現は、常に映像技術の進歩と歩みを共にしてきました。VHSからHDへ、HDから3Dへ…。その度に映像の未来とアニメーションの持つ表現の可能性に胸を踊らせてきた経験は、多くのアニメファンの心に残っていることでしょう。
映像技術と共に進化を続けるアニメーションですが、次のイノベーションがすぐ目の前にやってきているということを、皆さんはご存知でしょうか?
今日は圧倒的な映像美と臨場感をもたらす4K ULTRA HD(UHD)と呼ばれる技術、その魅力とアニメーション表現の未来について、『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』視聴会イベントを通じてレポートしたいと思います。
映像技術と共に進化を続けるアニメーションですが、次のイノベーションがすぐ目の前にやってきているということを、皆さんはご存知でしょうか?
今日は圧倒的な映像美と臨場感をもたらす4K ULTRA HD(UHD)と呼ばれる技術、その魅力とアニメーション表現の未来について、『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』視聴会イベントを通じてレポートしたいと思います。
4K UHDとは?
4K UHDを語る上で外せないのが「解像度:4K」と「明るさ:HDR」という2つの要素。これらは一体どういったものなのでしょうか? 簡単に見てみましょう。
ブルーレイの4倍きれい
明るさのメリハリがすごい
最近家電量販店のテレビコーナーへ行くと、必ず目にする4Kテレビ。4Kテレビとそれ以外のテレビの違いってなんでしょうか? 簡単に言うと、解像度が「通常の4倍」なんですね。解像度が高いと、それだけ繊細かつ圧倒的な映像美をもたらしてくれるのです。
こうした解像度の進化としてイメージして頂きたいのは、ブラウン管から液晶への進化。昔見た思い出の作品がBDリマスターされ、その進化に驚かれた経験は皆さんあるのではないでしょうか? そんな次の進化が目の前に迫っているのです!
こうした解像度の進化としてイメージして頂きたいのは、ブラウン管から液晶への進化。昔見た思い出の作品がBDリマスターされ、その進化に驚かれた経験は皆さんあるのではないでしょうか? そんな次の進化が目の前に迫っているのです!
次に、HDRとはどういうものなのでしょうか? まず下の画像を見比べてみてください。
画面左上の宇宙空間に注目してみてください。HDR映像にはデブリが黒い背景の中にくっきりと映っているのが見えますよね? 一方SDR(従来の明るさ)のものはデブリが背景で潰れてしまっています。この明るい部分と暗い部分の、表現の範囲がより広くなったのがHDRなのです。この技術が、アニメーションの表現力、演出の可能性に与えるインパクトは計り知れません!
まさに新たな時代へ辿り着いたと言っても過言ではないでしょう!
まさに新たな時代へ辿り着いたと言っても過言ではないでしょう!
久しぶりに感じる技術イノベーション
今日はそんな新技術を駆使して生み出された『機動戦士ガンダム サンダーボルトDECEMBER SKY』を4K HDR技術で拝見できると聞き、天王洲アイルのパナソニックさんのオフィスまでやって参りました。
詳しい技術説明をパナソニックさん、バンダイビジュアルさんの担当者の方からお伺いした後、本日のメインイベントとなる『機動戦士ガンダム サンダーボルト』4K UHD試写会へ。ガンダム作品はほぼ全て視聴し、『機動戦士ガンダムUC』のために4Kモニターも購入した編集部員はワクワクが止まりません。
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』のストーリーは、戦争の哀しみや敵味方双方に正義があるといった、重厚な人間ドラマを描き出しています。そんなガンダムの新たな世界観を前に、75分があっという間に過ぎてしまいました。
作品のストーリーの素晴らしさについてはもっともっと語りたいのですが、今日は本題である4K UHDにより再現される、圧倒的映像美について語らせていただきましょう。
作品のストーリーの素晴らしさについてはもっともっと語りたいのですが、今日は本題である4K UHDにより再現される、圧倒的映像美について語らせていただきましょう。
パナソニックさんの巨大4Kテレビに映し出される4Kザク。こちらのシーン一つ取っても、ザクの装甲に付いている傷やモノアイの動きなどなど、繊細すぎる描写力に驚きを隠せません。
そして戦闘シーンは圧巻の一言。輝度の高い映像は、大きな動きがあると光のちらつきやノイズが出てしまったりするものです。(暗い部屋で超絶作画のアニメを視聴している様子をご想像ください)
しかし4K UHDで表現されるモビルスーツ戦では、そんなものは関係ありません。最高に美しいMS戦が、光のちらつきもなくぬるぬると展開されます。目に全くストレスなく、圧倒的な映像美を堪能することは、もはや従来のアニメ視聴とは全く異なる体験と言えるでしょう。『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の松尾衡監督のおっしゃっていたという「技術のイノベーション」というものを肌で感じることができます。
驚きの本編75分のあとには、特典映像(5分)として『サンダーボルト』と同じ技術で4K HDRリマスターされたガンダムの過去作品が!
しかし4K UHDで表現されるモビルスーツ戦では、そんなものは関係ありません。最高に美しいMS戦が、光のちらつきもなくぬるぬると展開されます。目に全くストレスなく、圧倒的な映像美を堪能することは、もはや従来のアニメ視聴とは全く異なる体験と言えるでしょう。『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の松尾衡監督のおっしゃっていたという「技術のイノベーション」というものを肌で感じることができます。
驚きの本編75分のあとには、特典映像(5分)として『サンダーボルト』と同じ技術で4K HDRリマスターされたガンダムの過去作品が!
『機動戦士ガンダムUC』『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』と続き、なんと『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』そして『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』が最新の圧倒的映像美によって復活します!
この感動は言葉には表せません。思わず口をぽかーんと空け、4KHDRで映し出されるGP-01とGP-02の戦闘シーンに食い入ってしまった編集部員。ウイングガンダムゼロが飛翔するシーンの美しさは、まさに息を飲むほど、といえるでしょう。
この感動は言葉には表せません。思わず口をぽかーんと空け、4KHDRで映し出されるGP-01とGP-02の戦闘シーンに食い入ってしまった編集部員。ウイングガンダムゼロが飛翔するシーンの美しさは、まさに息を飲むほど、といえるでしょう。
気になるアニメの未来。4K UHDは果たしてアニメ業界を変えるのか?
アニメーションの表現力をまた上の次元へと押し上げる技術、4K UHD。次に気になるのが、「4K UHDでアニメっていつから見られるようになるの?」ということだと思います。
まず結論からすると、現在のアニメ制作で利用されている設備で、フルハイビジョンの4倍大きな4Kのアニメーション素材そのものを作り出すのは難しいとのことです。今回『機動戦士ガンダム サンダーボルト』も元々はアニメ業界の標準的な動画ではなく、劇場公開、4Kを意識したサイズで制作され、それを4K映像クラスに引き上げる、という作業がなされたとのこと。4Kクラスの大きな映像を描くというのは現実的ではないとのことです…。ここはまた新たな技術革新を待つしかないようですね。
まず結論からすると、現在のアニメ制作で利用されている設備で、フルハイビジョンの4倍大きな4Kのアニメーション素材そのものを作り出すのは難しいとのことです。今回『機動戦士ガンダム サンダーボルト』も元々はアニメ業界の標準的な動画ではなく、劇場公開、4Kを意識したサイズで制作され、それを4K映像クラスに引き上げる、という作業がなされたとのこと。4Kクラスの大きな映像を描くというのは現実的ではないとのことです…。ここはまた新たな技術革新を待つしかないようですね。
一方すごい明るさ表現のUHDは、アニメの演出上非常に重要な役割をこれから持つ可能性があるようですよ!
松尾監督曰く「フィルム時代の透過光の表現ができてしまう」とのこと。失われた技術がイノベーションによって復活し、そしてアニメの未来を照らす。こんなにワクワクすることはありません!
松尾監督曰く「フィルム時代の透過光の表現ができてしまう」とのこと。失われた技術がイノベーションによって復活し、そしてアニメの未来を照らす。こんなにワクワクすることはありません!
まさにアニメーションの未来の可能性を垣間見た75分となった『機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY』視聴会。4K UHDという新技術のこれからに期待しましょう!
(C)創通・サンライズ
- 取材・文ニジスタ編集部
【「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」4K ULTRA HD Blu-ray 商品概要】
発売日: 2016年12月22日(木)
価格: 8,000円(税抜)
映像特典: ガンダムシリーズ4KHDR トライアルフィルム(約3分)
発売・販売元: バンダイビジュアル
レーベル: EMOTION
発売日: 2016年12月22日(木)
価格: 8,000円(税抜)
映像特典: ガンダムシリーズ4KHDR トライアルフィルム(約3分)
発売・販売元: バンダイビジュアル
レーベル: EMOTION
クオリティが一際高いものを見た瞬間って、うおっ!って驚くよな
将来一般のアニメにも取り込まれる日が楽しみ!
劇場作品だからってのもあると思うけど