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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】10年前の立役者は藤井 真夏の進撃よ、続け!

2019年7月19日 紙面から

 打った。抜けた。と思いきや…。

 「とらえたとは思ったんですけど、もう大和が打球を待っていました」。8回、1死一、二塁。代打で起用された藤井は不運な遊直を嘆いた。しかし、わずかながら運は残っていた。帰塁が間に合わなかったと判定された二走の京田は、リクエストの結果、生き残った。2死から平田が四球でつなぎ、大島が突き放した。

 8連勝は10年ぶり。あのときも同じように蒸し暑い夜だった。2009年7月22日の広島戦(ナゴヤドーム)。球宴前最後の試合を3-2で競り勝った。出場したのは先発メンバーに9回を締めた岩瀬だけ。10人で相手をねじ伏せられるチームだった。

 「そうか10年なのか…。僕、4年目ですもんね。野手で試合に出ていたのって、もう僕くらいしかいないんじゃないですか? 投手力はすごかったですよね。打つ方もメンバーそろってましたしね」

 球宴明けに連勝は「9」まで伸びて止まったが、8連勝の立役者が「6番・中堅」で出ていた藤井だった。8回、2死から四球を選び、すかさず二盗。小池正晃の中前打で決勝のホームにかえってきたシーンを、当コラムで書いている。

 10年後も1軍にいる。これは簡単なようで難しい。当時は絶対エースが吉見、二遊間はアライバが守る。4番はブランコで福留や川上はメジャーリーグで戦っていた。10年前と今回の連勝のどちらも出場しているのは、堂上と藤井だけ。新しい芽が出ては入れ替わる世界にあって、藤井はしぶとく生き残っている。

 「10年ぶりなんですか? 僕、15歳ですね。中学生だ」。藤井のライナーで懸命に帰塁した京田は、笑っていた。連勝をあと2つ伸ばせば14年ぶり。藤井も入団しておらず、山井しか在籍していない。黄金期を知るベテランさえ未体験のところまで…。真夏の進撃よ、続け!

(渋谷真)

 

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