【高校野球】ノーヒッター佐々木、全米1位級だ! ストラスバーグだ!2019年7月19日 紙面から
◇岩手大会 大船渡10-0一戸第101回全国高校野球選手権岩手大会は18日、163キロ右腕で今秋ドラフト目玉の佐々木朗希投手(3年)を擁する大船渡が花巻球場で一戸に10-0の6回コールド勝ちして16強に進出した。和製ストラスバーグとまで絶賛された佐々木は参考記録ながらノーヒットノーラン、これで2試合8イニングを無安打無得点とした。次は舞台を盛岡に移して中1日で、甲子園経験もある盛岡四戦。準決勝で当たる可能性があった強豪・盛岡大付は姿を消した。 トーナメントのラウンドが上がって、ギアも一段上げた。大船渡の佐々木は、初戦の147キロを上回る最速155キロ。外野に飛ばさせず、直球はフェアゾーンにすら打たせず、すべて空振りで13奪三振のなで切り。6回コールド参考ながら1四球だけのノーヒットノーラン。「コントロールはずっと意識することなので変わらず、球速というか少しギアを上げました。ストレートで空振りを取れていたのが、三振が増えた理由。よかったと思います」 ダイヤモンドバックスなどメジャー3球団を含めて日米13球団27人のスカウトの視線を1回からくぎ付け。先頭の西野を151キロで空振り三振、後続も150キロ台で連続三振に仕留めた。一戸の打線が直球に合わせてきてからは、決め球にチェンジアップもまぜた。余力を残しての投球や変化球のキレをスカウト陣は大絶賛。ロッテの松本尚樹球団本部長は「現時点でもプロの1軍で投げられる力があると思う。マー君とかいいピッチャーはいろいろいたが、ちょっといない素晴らしさ」とうなった。 ワールドクラスの絶賛は、フィリーズの大慈弥功環太平洋担当部長。30歳にして94勝のナショナルズの若き奪三振王のイメージをダブらせた。「ストラスバーグと重なるところがある」。メジャー投手最大の栄誉であるサイ・ヤング賞獲得経験もあるアストロズの215勝右腕、ジャスティン・バーランダーの名前も挙げ「メジャーのドラフトでも全米1位になる可能性が十分。将来はサイ・ヤング賞を取れるポテンシャルもある。バーランダーみたいになってほしい」と期待を込めた。 バットの方は3打数ノーヒット1四球、併殺打もあったが、女房役の及川恵が6回にコールドを決めるタイムリーを放つなど野手が援護してくれた。「ほかのみんなが打ってくれて心強い。きょうはヒットは打たれなかったけどフォアボールを出してしまったので、次は気を付けたい」。8強入りをかけた次の相手はシードの盛岡四。甲子園経験もあり、今夏2試合で21得点の強打。19日の盛岡は雨の予報もある。93球を投げて中1日の不安もあるが、大会が順延すれば楽になる。勝っておごらない怪物の甲子園行きに追い風も吹いてきた。 (小原栄二)
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