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【大相撲】

白鵬、1敗死守 今場所退職する床山の床蜂に感謝届けたい

2019年7月19日 紙面から

白鵬(左)が寄り切りで御嶽海を下す

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◇名古屋場所<12日目>

(18日・ドルフィンズ アリーナ)

 横綱白鵬(34)=宮城野=は両上手を引いて関脇御嶽海を寄り切り、1敗を守った。横綱鶴竜(33)=井筒=は平幕の千代大龍を鮮やかなすそ払いで下し、初日から無傷の12連勝。平幕の友風は逸ノ城に寄り切られて3敗に後退。小結阿炎は遠藤戦でつきひざがあり、7敗となった。

 御嶽海の挑戦をはね返した。両上手を引きつけた白鵬が、次世代の若手をジリジリと寄る。「外四つですから慎重に。体重も同じくらいですからね」。つかまえた時点で勝負あったように思えるが、そこは終盤戦。横綱も確実に白星をつかみにいった。

 特別な思いを乗せて優勝へひた走っている。十両に上がる前からまげを結ってもらっていた宮城野部屋所属の特等床山の床蜂が、今場所を最後に定年退職する。

 春場所で右上腕二頭筋を負傷。夏場所は全休に追い込まれたが、懸命の治療、調整で出場に間に合わせた。「今場所、出られてよかった。いい報告ができるようにしたいね。(床蜂の存在は)仲間だね」と白鵬。最後に賜杯を抱く姿を見せたいと誓う。

 床蜂も白鵬には感謝の気持ちでいっぱいだ。10年ほど前に体調を崩したとき白鵬に助けられ「命の恩人」という。白鵬の髪質を一番よく知るのも床蜂。「柔らかくて腰がない。左側に変な癖がある」。そんな髪質を熟知しているからこそ、白鵬は美しい大銀杏(おおいちょう)で土俵に上がることができる。

 大関不在の場所。横綱の責任が試される場所でもある。「今のところはね、果たしているけどね」とうなずく。今月11、12日に母国ではナーダム(モンゴルの祭典)が開催され、モンゴル相撲では26歳の新横綱が誕生した。「ベテランが頑張ってほしいよね」と話していた白鵬だが、モンゴル相撲の世界でも次世代の活躍が目立ってきた。しかし、ここ日本では、まだ白鵬は揺るぎない存在感を示している。 (岸本隆)

 

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