【高校野球】花咲徳栄・中津原ノーヒットノーラン 韮沢、魅せた2安打1打点2019年7月19日 紙面から
◇埼玉大会 花咲徳栄9-0正智深谷第101回全国高校野球選手権大会の埼玉大会は18日、さいたま市の大宮公園などで3回戦が行われ、5年連続の甲子園出場を狙う花咲徳栄は先発の中津原隼太投手(3年)が正智深谷を相手に無安打無得点試合を達成した。同県高野連によると24人目。11三振を奪い、出塁を許したのは6回に1四球を与えただけだった。 埼玉大会では4年ぶりの快挙だ。花咲徳栄の左サイドスロー、中津原が無安打無得点試合を成し遂げた。6回に17人目の打者だった代打・島崎に四球を与えた以外は、相手を塁に出さない準完全試合。「四球がもったいなかったな、と試合が終わってから気が付きました。ノーヒットノーランは初めてです」と100球の快投を振り返った。 外の直球を軸に組み立て、早いカウントで追い込んだ。味方の追加点もあり、終盤はギアを一段階上げて付け入るすきを見せない。三振、ゴロはともに11で、投球の巧みさも光った。岩井隆監督(49)も「代えて打たれたら俺のせい。責任回避して全てお任せしました」と目を細めた。 もともと上手投げだった。転機は、春の県大会準々決勝。敗退したその日に岩井監督に命じられて転向した。「オーバースローにこだわりたかったけれどチームのためならと。前から腰がサイドスロー気味に回転するなと思っていたんで、しっくりきました」 ただ甲子園の5年連続出場がかかった夏が近づくにつれ、ほかの投手と同様に中津原もプレッシャーを感じてフォームが縮こまってしまった。そこで岩井監督は6月末の1週間、投手全員に遠投の特別メニューを課した。一塁から外野までの距離で毎日40球を投げさせ、思い切り腕を振る感覚を身に付けさせた。 今のチームは投手陣が課題とされたていたが、その懸念を吹き飛ばした。「春から背番号1で自分が投手を引っ張っていかないと、と思っていた。きょうみたいにチームに勢いを与える投球を続けたい」と中津原。試行錯誤を繰り返した日々が自信に変わった瞬間だった。 (平野梓) ◇ 今秋のドラフト候補、花咲徳栄の韮沢雄也(3年)が2安打1打点。第2打席までは快音が出なかったが、3打席目に三遊間を破る鋭い当たりが出て、打点もついた。「最初に審判のストライクゾーンが広く感じたので、そこは意識しました」と胸を張った。2学年先輩の西川愛也(西武)の打法をまねていたが、この夏からはタイミングの取り方などに工夫し、さらにダイナミックなフォームにバージョンアップした。 この日は昨年ドラフト2位で日本ハムに入団した1学年上の野村佑希(19)が応援に駆けつけた。「甲子園に出ることが1番のアピールになる。頑張ってほしい」とエールを送った先輩に、韮沢は「野村さんが来るとチームの雰囲気も変わる。うれしいです」と声を弾ませた。 (平野梓)
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