愛称「京アニ」人気アニメ制作 突然の悲劇 心配の声が
京都の空を焦がした炎と煙。
18日午前10時半ごろ、京都市にあるアニメ制作会社のスタジオから、爆発音とともに火の手が上がった。
火災が発生したのは、京都市伏見区の京阪電鉄六地蔵駅北側の閑静な住宅街にある京都アニメーションの第1スタジオ。
現場になった京都アニメーション第1スタジオでは、通報から2時間以上がたった正午すぎでも、3階部分の窓の中からまだ煙が出ているのがわかる。
さらに道を進むと、現場周辺の救急車がある辺りだが、はだしで逃げた人がいたという目撃情報もあったことから、これはおそらく血が付いた足の跡だとみられる。
近隣住民は、「付近に男性が全身やけどで真っ赤に、ちょっと皮下組織までやけどされているんじゃないかという、息絶え絶えの状態の方の男性が上向きで倒れていたので、あーもうこれは、何か火事だなと思って」と話した。
火災は、出火からおよそ5時間近くがたった午後3時19分にほぼ鎮火。
出火当時、スタジオには従業員およそ70人がいたとみられ、被害はさらに拡大している。
黒く焼け焦げた壁。
窓ガラスは全て吹き飛び、火災の激しさを物語っている。
警察は、ガソリンのような液体をまいて火をつけたとみられる41歳の男が、現場から数十メートル離れたところで、従業員に制止されているところを確保した。
男は、顔などにやけどを負い、京都市内の病院で手当てを受けているという。
付近の住民は、その男とみられる人物の様子を目撃していた。
男とみられる人物を目撃した住民は、「内容はわからないです。雰囲気で怒ってるのだけはわかって、入れ墨がおなかに見えました。両腕ともやけどで皮がめくれていました」と話した。
目撃者の話によると、男は犯行時、「死ね」と叫びながら火をつけ、現場には刃物も落ちていたという。
1981年創業の京都アニメーションは、「京アニ」の愛称で知られ、従業員の数はおよそ150人。
建物内の様子で、中にはコンピューターや机などが並んでいる。
京都アニメーションは、「けいおん!」や「涼宮ハルヒの憂鬱」など、人気アニメ作品の制作を手がけていた。
本社に安否を尋ねに来た人は、「知ってる人多いので、大丈夫かなと思って。今のところは、何も教えてもらえなかった」と話した。
ツイッター上にも、心配の声が寄せられている。
「君の名は。」などで知られる新海誠監督は、「京都アニメーションの皆さま、どうかどうかご無事で」と投稿。
また、京都アニメーション制作の作品に出演したことのある声優・種崎敦美さんは、「涙止まらん。どうしよう。みなさん無事でいてください。なんかできることないんかな」と投稿。
心配の声は、海外のアニメファンらからも。
海外のアニメファンからは、「スタッフや家族の方々のご無事を祈っています。今回の悲劇を聞き、とても心を痛めています」、「あまりにも衝撃的な便りに接して、わたしがとても愛したアニメーション制作会社なのに」などといった声が寄せられた。
警察は、41歳の男について、放火の疑いで捜査している。
(関西テレビ)