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【大相撲】

鶴竜、初日から負けなし11連勝 4大関不在の中、横綱の責任感

2019年7月18日 紙面から

鶴竜(奥)が突き倒しで琴奨菊を下す=ドルフィンズアリーナで(橋場翔一撮影)

写真

◇名古屋場所<11日目>

(17日・ドルフィンズ アリーナ)

 横綱鶴竜(33)=井筒=は平幕琴奨菊を突き倒して無傷の11連勝とし、単独トップを守った。横綱白鵬(34)=宮城野=は大関高安の休場による不戦勝で10勝1敗。昭和以降初めて4大関が不在となった。関脇御嶽海は明生を寄り切って7勝目。新小結竜電は遠藤に寄り切られて負け越した。

    ◇

 両足が俵に掛かるピンチにも鶴竜は、ひたすら落ち着いていた。立ち合いで先手を取られたが、最後は力強い突き倒しで琴奨菊に尻もちをつかせて11勝目。終盤戦の出だし、きっちり単独トップを守った。

 取組後の支度部屋で何度となく繰り返した「集中」が、一瞬の判断に生きた。相手得意の左四つのがぶり寄りしのぐ命綱になっていた右上手に、こだわらなかった。「慌てなかったのが良かったですね。切れたというか自分で離した。体が良く反応してくれた」と、完璧なタイミングの逆襲に納得の表情だった。

 高安がこの日から休場し、4大関休場という異常事態。自身の取組が結びの一番となる影響も受けたが、動じなかった。過去29勝22敗の大関経験者とぶつかったことが「大きかったですね」。地力も手の内も知り尽くす同世代だからこそ、刺激とさらなる集中力につながった。

 鬼門も突破した。10日目まで勝ちっ放しだった2018年初場所と同年秋場所、11日目に初黒星を喫するとそれぞれ、4連敗と5連敗で賜杯を逃した。初日からの11連勝は、4回目の優勝を果たした同年春場所以来、2度目。天王山を乗り越え、V率は100%だ。

 それでも、優勝への意識は「したくない。気持ちばかり先走るから」。浮かれずに、連勝街道を突き進む。

  (志村拓)

 

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