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遂に「あげまん菌」の存在が確認される! 西洋医学から民間療法まで、すべてミックス「和合医療」の陰山康成医師にインタビュー

遂に「あげまん菌」の存在が確認される! 西洋医学から民間療法まで、すべてミックス「和合医療」の陰山康成医師にインタビュー

遂に「あげまん菌」の存在が確認される! 西洋医学から民間療法まで、すべてミックス「和合医療」の陰山康成医師にインタビューの画像

 昨今、医療業界は目まぐるしい変化を遂げている。

 昨年5月11日より「医療ビックデータ法案」が施行され、医療分野でもAIを取り入れて患者のビックデータを分析した研究・創薬・新たな医療機器開発が行われている。また、一方では「バイオレゾナンス医学」(西洋医学と東洋医学を連携させる)を導入する診療所も増えている。

 かねてより、西洋医学と自然・伝承療法とは対立するものとして扱われることも多かったが、結局のところ双方に良い点と悪い点があり、それらを融合させることが患者にとってベストな治療法を見いだす近道だという指摘も聞こえはじめている。

 今回、筆者は変化する医療業界の実態について探るため、西洋医学と東洋医学の両者を取り入れた「和合医療」を推進している医療法人社団癒合会の医師・歯科医で株式会社メディカルの代表取締役も務める陰山康成氏にインタビューを試みた。

【その他の画像はコチラ→https://tocana.jp/2019/07/post_103010_entry.html】

 筆者と陰山氏との出会いは、株式会社ワンズベスト主催による世の中の最新情報をシェアするセミナーで医療法人社団癒合会が処方する遺伝子検査・腸内フローラの話題を取材した時だった。陰山氏は東京都内に5つのクリニックを経営しているが、今回は品川にある高輪和合クリニックでインタビューが行われた。西洋医学はもちろん民間療法などさまざまな医療に精通する陰山氏は、博識ながらも常に謙虚で大変丁寧にインタビューに答えてくれた。

■和合医療とは「肝っ玉母さん」だ!

――よろしくお願いいたします。まず、「和合医療」とはどのような医療なのでしょうか?

陰山康成氏(以下、陰山)  「和合医療」とは、語弊を恐れずに簡潔に言いますと、西洋医学と東洋医学、最先端の医療と伝承療法など、各患者にとって最善の治療法を探すための『何でもあり』な医療法です。

 従来の西洋医学では、目に見えないものを無視し、形のみを追いかける治療が行われていました。それは、キリスト教のような一神教的かつ男性性が強いもので、分散・分断やヒエラルキーを産みやすいものです。例えば、外科が一番偉くて、その下に精神科、さらに下に歯科が位置するというような。

「和合医療」は、目に見える世界も目に見えない世界も、ヒエラルキーではなく横のつながりで連携しようというものです。AIを活用するなどスーパーデジタルな分野から、医学の元となった古来のシャーマニズムまで、ありとあらゆるものを受け入れる「肝っ玉母さん」のように女性性が強い医療なのです。そして、日本人的な精神性である「和魂」の感覚も大切にしたものです。

――なるほど、本当に幅広いのですね!

陰山  現代医学は心身二元論が主流でした。しかし、細胞や遺伝子、さらに腸内細菌の研究など、研究の単位が極小化するほど、従来の分断された考え方ではなく、精神論まで考慮する必要性が出てくるのです。

――陰山先生のクリニックでは腸内細菌の検査を処方されていますが、腸内細菌について詳しく教えてください。昨今、腸内細菌が性格や脳に影響を与えるという研究結果もありますよね? 活発なネズミと臆病なネズミとの腸内細菌を入れ換える実験を行ったら、活発なネズミが臆病になり、臆病なネズミが活発になったとか。

陰山  はい、腸内細菌が性格や脳に影響を与える、という研究は確かに存在します。ネズミだけではなく人間についても、自閉症や鬱病の患者さんは腸内フローラのバランスが崩れています。また、昨今では、子宮ではたらく善玉菌である『あげまん菌』なる菌まで発見されました(笑)。

――それはスゴいですね! そんな部分にも腸内細菌が関わっていたとは(笑)。

■国によって全然違う、ホメオパシーへの考え方

――ところで、「和合医療」ではホメオパシーの考え方も取り入れているとの事ですが、昨今では特に医療業界でホメオパシーへの風当たりが強いですよね。陰山先生ご自身は、どのようにお考えですか?

陰山  日本は(不確かなものとして)批判されていますが、世界に目を向けると、ホメオパシーを「おばあちゃんの知恵袋」のように日常に根付いた知恵として考えている国も多いですね。

 私が留学しておりましたイギリスには、王立のホメオパシー専門病院が4つもあります。イギリスでは医療費が無料なので、ホメオパシーも無料で受けられます。ドイツでは「波動」の研究が進んでいて、「EAV」という人体の波動の流れを調べる機器の研究も進んでいます。 ちなみに「EAV」とは、「Electro Acupuncture according to Voll」の略で、ドイツ人医師のフォル(Voll)博士が1950年代に打ち立てた医療体系のことです。「EAV」による診断は、まず経穴(=経路に属する体のツボ)の電気伝導性(電気の流れやすさ)を測定します。それによって、弱っている経路や臓器がわかるのです。このEAVを扱う医師は、ほぼもれなくホメオパシー治療を用います。ヨーロッパの国々では、ホメオパシーが日本における漢方よりも日常的に処方されますし、風邪薬より効くと考える人も多いのです。

 ただし、私どもの医療機関では、レメディー(※)をダイレクトに処方しているわけではありません。その考え方に共感しつつも、安易に薬物に頼らず、個々人に最適なものを処方する医療を心掛けています。また、人間がもつ自然治癒力(医学用語ではないが)を最大限活性化することにも注力しているのです。

※ 植物・動物・鉱物・病原菌などを薄めてつくられるホメオパシー独自の薬

――世界に目を向ければ、日本の考え方のほうが珍しいのですね。

陰山  そもそも、ホメオパシーの考え方は少なからず近代医療に採用されています。代表格はワクチンです。ワクチンも病原体の抗原性を利用して体に耐性を作るものですから。

 ホメオパシー薬のほとんどは、海外にあるいくつかの業者で生産されます。しっかりした製造元でつくられたホメオパシーであれば、処方の選択枝の1つにするべきだと思います。少なくとも、医学界で権威をもつ組織が一刀両断にして拒絶するのはバランスが取れていません。ホメオパシーは、効果があることも効果がないことも科学的には証明されていないのですから。

――なるほど、日本では医師会の利権も強いですから、なおさら風当たりが強いのかもしれませんね。ところで、お酒やタバコ、大麻など(依存性があるもの)が心身の健康に与える影響に関するご見解をお聞かせください。

陰山  日本で大麻は違法ですが、健康に与える影響に関しては是とする論文も多々あります。ただし、精神的な依存心が強い方にとっては、さらに強い副作用のある薬物に依存するようになってしまう入口、つまりゲートウェイドラッグになるリスクがあります。基本的に大麻の良し悪しに関しては個人差が大きいと考えます。ただし、日本では違法薬物なのでディスカッションの土俵にはのりません。

 お酒に関しては、遺伝子検査をするとタイプが分かれます。1~3は飲み過ぎると死ぬ可能性がある方、4~6は赤くなりお酒に弱い方、そして7~9が適量なら飲んでも問題ない方です。タバコに関しては、一般的には有害ですが、ある種の遺伝子を持つ方はあまり影響を受けません。コーヒーなども含めて嗜好品は、健康増進に役立つものと邪魔になるものは個々人でかなり異なります。

■人類を救うのは新しい医学!

――なるほど。それでは、今後のクリニックの展望についてお聞かせください。

陰山  今後も「和合医療」は最先端の医療と伝承療法を「肝っ玉かあちゃん」の感性で巧みに選択または組み合わせながら進化を続けます。医療費や介護費用削減のために、和合医療学会では都内で健康増進セミナーを繰り返しています。そこで特に力を入れているのが、遺伝子・腸内フローラ・たんぱく質・代謝物を調べることで、個人に最適な予防法の戦略を練り上げ指導する「0次予防」の普及です。さらに、医療関係者に対しても遺伝子や腸内フローラを用いた医療システムの啓蒙活動を続けています。

 アメリカやオランダでは、健康な人の有用な腸内細菌を糞便とともに患者の腸内に移植し、腸内フローラの構成バランスを改善する治療法「FMT(Fecal Microbiota Transplantation)」が効果的であるとして話題になりましたが、実は血液でマッチングさせた腸内フローラ移植は、FMT以上に難病に効果が出ています。最近はこれらの日本での普及活動にも力をいれています。

 個々人の遺伝子や腸内フローラは多種多様なので、「0次予防」で集まる医療データは天文学的な数字になります。そこでAIを取り入れてビッグデータ化し、患者さん一人ひとりにベストな処方の精度を一気に上げる研究も進んでいます。それと同時に、AIロボットなどデジタルの世界が台頭するほど、バランスを取るためにも逆にアナログな医療が珍重されるべきだと私は思います。

――ありがとうございました!

 令和の時代に突入し、さらに目まぐるしい時代の変化を感じる昨今だが、医療業界も西洋医学・東洋医学に分断された状態から、陰山氏が処方するようなそれぞれの良い部分を統合した形へと進化するのかも知れない。そこに量子レベルの研究などの新しいアプローチも加わることで、今まで不可能だったことの多くに新たな可能性が見出だされることだろう。

(取材・文=深月ユリア)

※ 画像は、陰山康成氏