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【国際】

「有色人種への憎しみ正当化」 トランプ氏「国に帰れ」発言 非難決議

16日、ワシントンで、トランプ米大統領の非難決議について記者会見する民主党の下院議員ら=UPI・共同

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 【ワシントン=金杉貴雄】トランプ米大統領が、非白人の民主党女性下院議員たちに「国に帰ったらどうか」などと人種差別的発言をしたとされる問題で、与野党の対立が深まっている。野党民主党が多数の米下院は十六日、発言を非難する決議案を可決したが、トランプ氏は「発言は人種差別ではない」と反論、民主党攻撃を止めようとしない。

 「『国に帰れ』は人種差別による侮辱だ」。民主党議員たちはこの日の本会議で、口々にトランプ氏の発言への怒りをぶつけた。決議は「トランプ大統領の人種差別的コメントは、新たな米国人と有色人種への恐れや憎しみを正当化した」と指摘し「発言を強く非難する」とした。

 決議案への賛成は二百四十票、反対は百八十七票で、与党共和党四人もトランプ氏に「造反」して賛成票を投じた。ニューヨーク・タイムズ紙によると同種の決議可決は過去四回だけと米議会史でも異例で、この百年では初めてという。

 それでもトランプ氏は、ツイッターで「われわれの国を嫌いで幸せでないなら、去ることができる」と再び書き込んだ上で「これらは人種差別ではない。私に人種差別主義者の血は流れていない」などと主張。トランプ氏の発言対象の一人、民主党のオカシオコルテス下院議員は「人種差別主義者の血は流れていないかもしれないが、人種差別の考え方と心を持っている」と批判した。

 この問題では、与党共和党の立場も微妙だ。ワシントン・ポスト紙によると、上下両院の同党議員で、トランプ氏を非難しているのは十八人で、逆に擁護しているのは二十九人。民主党議員を含め双方を批判しているのは四十二人で、三分の二に近い百六十一人は態度を明らかにしていない。

 トランプ氏は十四日、非白人の女性下院議員四人を念頭に「犯罪がはびこる全壊国家に帰ったらどうか」とツイート。十五日にも「米国が嫌いなら出て行けばいい」などと語った。

 

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