球宴2戦連発の代打・原口を、140キロのストレートで空振り三振に打ち取った。9回を抑え、流れを呼び込んだ5番手・岡田がお立ち台に招かれた。今回は同点だったので勝利投手。次回はおそらくセーブシチュエーションで、9回のマウンドに上がるはずだ。
「きのう(15日)の試合後ですね。監督に言われたのは。名前を挙げていただいただけで感謝です。しっかり結果で恩返しできるように頑張ります」
R・マルティネスが朝のフライトで飛び立った。戻ってくるのは8月10日。代役に指名された。通算3セーブ。僕も彼も忘れもしないのが2013年6月15日の初セーブである。
「覚えていますよ。千葉のロッテ戦。延長12回にクラークがホームランを打って…」。6点リードを8回に追いつかれ、9回に突き放したら再び追いつかれた。そんな乱打戦を必死に締めたのが4年目で1軍デビューした岡田だった。
「あのころの僕と比べたら、気持ちの面で成長しているとは思いますよ。いろんな経験を積ませてもらっているので」
試合を締める重圧をはね返すのは、突き詰めれば度胸であり、それを生むのは経験だ。彼はそれを黙々と積んできた。無難なのはロドリゲス。鈴木博を戻す手もある。いっそのことロメロの配置転換なんてのは…。僕が考えつくどのプランでもなく、岡田。地味かもしれないが、今の僕は納得している。実は球宴前に、岩瀬仁紀さんに誰がいいかを尋ねてみた。レジェンドは即答した。
「僕は俊哉がいいと思いますよ。今の真っすぐは本当にいい。そして、自分が出したランナーでも人から引き継いだランナーでも、俊哉はあわてない。それって抑えをやるには大切なことですからね」
通算407セーブ。クローザーのすべてを知り尽くした男が推すのだ。岡田が5年ぶりにセーブを挙げる日は近い。