ここに1枚の写真がある。今から16年前の2003年秋場所後。24歳の安美錦関がサーフィンを楽しむ姿だ。闘牙関(現千田川親方)に声をかけてもらい、お相撲さんがサーフィンするとは面白いなと、2人に千葉・九十九里まで同行させてもらった。
当時の安美錦関は体重120キロちょっと。スラリとした体にウエットスーツがよく似合っていたのを覚えている。
すでに技能賞を2度獲得し人気力士となっていたが、サーフィンをするのはこの時が2回目。そう簡単に乗れるものではないよ、と教えていたサーファーの方が話していた。
ところが、あっという間に乗りこなしてしまった。巧みにボードを操ると、「立つ瞬間が面白いね。はまりそう」とニヤリ。この人並み外れたバランス感覚が、技能相撲にひと役買っていたのは間違いない。 (岸本隆)