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【ドラニュース】

平成の怪物・松坂、令和の第一歩 5イニング2失点 竜6連勝3位浮上

2019年7月17日 紙面から

今季初先発で5イニング2失点と好投した松坂(今泉慶太撮影)

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 平成の怪物が令和の第一歩を踏み出した。中日は16日の阪神戦(ナゴヤドーム)、9回に押し出し四球で今季2度目のサヨナラ勝ち。3年ぶりの6連勝で3位タイに浮上した。春季キャンプ中に右肩を痛めた松坂大輔投手(38)が今季初登板初先発し、5イニングを91球、4安打2失点。プロ21年目右腕の奮投後、救援陣が無安打無失点でリレーし、最後に歓喜が訪れた。

 サヨナラ勝ちの瞬間、ベンチの松坂に笑顔が広がった。自身に勝ち負けはつかずとも、チームを3年ぶりの6連勝と3位タイ浮上に導く5イニング2失点。背番号「18」をまとい、令和でも輝きを放った「平成の怪物」はホッとした表情を見せた。

 「なかなか満足できる投球ではなかったけど、チームの連勝を止めずに良かった。すんなり試合に入りたかったけど、自分でも力んでいるのがあった。(初登板は)何年やっても難しいものだなと改めて思った」

 直球の最速は142キロ。4安打を許し、4四死球も与えた。それでも多彩な変化球を駆使し、要所を締める。同点に追い付かれた3回、なおも2死満塁では陽川を外からのツーシームで見逃し三振。5回2死二、三塁では大山を内角直球で中飛に仕留めた。

 昨季は6勝を挙げ、カムバック賞を獲得。オフは肩周りの筋肉を強化し、自主トレも順調にこなした。「今年はどれだけできるのかなと、自分でも楽しみな気持ちがあった」。しかし、満を持して迎えた2月の沖縄キャンプで暗転する。

 ファンに右腕を引っ張られて右肩痛を発症。患部は炎症だけでなく、水もたまっていた。沖縄を離脱して、ナゴヤ球場でリハビリの日々。「もう2月のことはいいです」と語りたがらないが、「起きた直後は正直、しんどかった」とも明かす。

 支えたのは同世代への思い。昨季の最終登板となった9月13日の阪神戦(甲子園)。38歳の誕生日を白星で飾り、先に引退を決めた仲間に「僕はもう少し頑張るよ」と決意表明した。「立ち止まることはできない。前に進むしかない」。第一人者が約束を違えるわけにはいかなかった。

 力ももらった。6月には左肩痛に苦しんできたソフトバンクの和田が1軍復帰。「投げている姿も見ていたし、うれしいです」。自分のことのように喜び、「改めて、自分も早く戻りたいという気持ちになりました」と刺激を受けた。

 

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