クローズアップ現代+ 「オウム死刑の舞台裏▽取材1年・新事実が!執行時の死刑囚」

『クローズアップ現代+』(クローズアップげんだいプラス、英語: Today's Close-up)は、1993年からNHKで放送されているニュース・報道番組。放送開始時の番組名は『クローズアップ現代』。火曜日 - 木曜日の放送でNHK総合テレビジョンとNHKワールドTVおよびNHKワールド・プレミアム(2008年9月29日放送分からノンスクランブル放送)で放送されている。略称は『クロ現』。

出典:goo Wikipedia

放送日 2019年7月16日(火) 22:00~22:30
放送局 NHK総合

番組概要

オウム死刑執行1年 見えてきた真相 (ニュース)
22:00~

1年前、平成を象徴する大事件を起こしたオウム真理教は、短期間で13人が執行された。死刑囚の遺骨は今も東京拘置所に置かれている。情報公開された死刑執行速報では死刑囚の遺言が真っ黒に塗りつぶされ、後継団体の道場には今も死刑囚の写真が置かれている。

地下鉄サリン事件の遺族は、死刑囚の最期が知りたいと今も法務省に出向いて情報の開示を求めていた。死刑執行に立ち会った人物によると「腰を抜かして立てなくなる死刑囚もいたが、自分が立ち会った死刑囚はお礼を言っていた。別室ではガラス越しに死刑が執行される様子が見られた。首に縄をかけられて落ちていくが、死亡が確認できた。死刑囚は潔く死刑を受けている感じだった」などと話していた。11の事件に関与した死刑囚の1人の妻は、7月6日に面会のために拘置所を訪れていたが、刑務官に会えないと言われたと述べていた。その後、拘置所から妻へ「刑の執行を行ったので遺体の引取はどうするか」という電話があったという。妻は夫の亡骸と対面し、触れた時に温かかったと話す。

死刑執行にあたり、法務省は13人の執行が理解を得られるのか、海外から批判されないか懸念していた。法務省は大臣の外遊日程が8月に予定されていたが、執行直後だと批判の的にさらされると日程をずらしていた。秘密裏に進んでいた死刑執行は、法務省幹部が「平成の事件は平成のうちに」と急いでいた。さらに幹部は死刑存廃死刑制度を将来議論する際、オウムの死刑執行をそのままにして、議論が勧められるのかという懸念も持っていた。そして、去年7月6日に7人、26日に6人のオウム死刑囚の死刑が執行された。

地下鉄サリン事件で娘を亡くした遺族は死刑執行について「あの人たちは人を殺したんだから自分が償いをするべきだと思います」などと語っていた。

オウム死刑囚の中でも1人、再審を求めていた人がいた。その再審を求めていた事件とは、信者の親族だった男性の監禁致死事件だった。被告は1審では無期懲役で2審で死刑判決となった。しかし、その後本人の電話記録が犯行状況と矛盾していると裁判のやり直しを求めていた。執行の3日前、被告は裁判所などと具体的な打ち合わせをしていた。しかし、その日に上川大臣は執行を認める書類にサインをしていた。

黒塗りの文書には執行時刻や執行状況や遺言などが記されている。オウム真理教の代表は死刑執行直前、遺体の引き取りについて「四女」と答えていた。そしてサリンの製造などにかかわっていた元死刑囚は、コップでお茶を2杯飲んで刑務官へのお礼と被害者への謝罪をしていた。7月6日の死刑執行までどのように進められたかについては、2018年1月にオウム裁判が集結したことにあった。そして3月には13人のうち、7人を地方の拘置所へ移送した。そして4月末から5月中旬ごろにかけて当時の上川法務大臣に執行の打診があり、直前まで大臣は悩んだがサインしたという。そして7月6日、26日と2回にかけて死刑が執行された。

4月1日の新元号発表を複雑な思いで見た遺族は、死刑囚との立ち会いを求めてきた。彼らが罪とどう向き合ったのか知っておきたかったからだと話す。

オウム元死刑囚の1人は「事件は救済のためだった」と最期に話していたという。その妻は死刑囚の「もっと別の人生があったんじゃないか。教祖1人をあがめる人生ではなく自分を信じることが大事だという人生。誰かに全部委ねるそういう生き方は誤りだった」という日記について「普通の男の人に戻ったんだと思ったと話していた。

坂本堤弁護士一家殺害事件にかかわった元死刑囚は、信者を家族のもとに取り戻す活動をしていた。大学時代の友人でもある弁護士は、死刑囚についてなかなか会話を終わらせなかったという。弁護士は当時、オウムに入った友人を奪還しようとしたが自らもオウム真理教に心酔していったという。弁護士は元死刑囚から心の問題に関する本や、メガネを遺品として受け取っていた。元死刑囚は「弁護士の事を尊敬していた。良き人生幸せで有ることを願うぜ」という言葉を残していた。弁護士は黒塗りの文書の情報公開を求めている。死刑執行に立ち会った人物は「オウムの場合一歩間違えれば、誰でも死刑囚になり得たと思う」語っている。

オウム元死刑囚が残した言葉は一般人は愚か、遺族にも公開されない。地下鉄サリン事件の遺族は「死刑囚の言葉が明かされれば心に開いたアナがひとつ、またひとつと塞がっていく」と話している。日本の司法制度は秘密主義が徹底していると国内外から指摘されている。国際的な人権団体によると、アメリカでは遺族や報道関係者も立ち会いが可能となっている。日本の法務省では、執行に関わる行政文書と、刑事裁判記録を永久保存する方針を明らかにしているが、今後閲覧が認められるかは不透明な状況となっている。オウム真理教の後継団体は、未だ各地で若者への勧誘も行っている。だからこそ、黒塗りの文書を明らかにすることは教訓を次の世代に受け継ぐことになると永田さんは話す。

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上川法務大臣(当時)
令和
坂本堤弁護士一家殺害事件
早稲田大学
アムネスティ・インターナショナル

エンディング (その他)
22:29~

クローズアップ現代+の次回予告。社会復帰に新展開!再審のうつ病治療

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