ざっつなオーバーロードIF展開 作:sognathus
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色んな所で偶にネタとして見ることがあるソリュシャンの風呂ネタの話です。
アインズは本来の姿が日本人である関係か風呂が好きであった。
現実の世界ではスチーム風呂にしか入ってなかったので、転移後の世界で大浴場に浸かった時の感動は
ところで今のアインズの姿は骨である。
この姿では生身であったならマナーや恥じらいから腰にタオルを巻いたりしたのだが、骨の状態とあってはそもそも覆いたい部分が消失しているためタオルは必要ないと思うのは思考としては自然の流れと言える。
まぁそれ以前に骨の状態では腰にタオルを巻くこと自体が面倒でやり難いという理由もあったのだが。
だがアインズは思った。
『これはこれではしたないな』と。
故にタオルを巻く代わりにバスローブを入浴の前後に身に着ける事を思い付く。
結果としてそれは正解であった。
入浴前からバスローブを着ているのは若干違和感はあったが、タオルを巻く事と比べたら遥かに容易であったし、バスローブが衣服の体を成している事もあって裸の状態で彷徨くのと比べたら遥かにマシであった。
「これはアインズ様……これからご入浴ですか?」
バスローブを着ているアインズの姿を目にしたソリュシャンが主人の行動を察して挨拶の代わりに声を掛ける。
「ああそうだ。ちょっとスライム風呂にな」
「え……?」
『スライム』という単語にピクりと反応するソリュシャン。
それは一体どういう事だろうかとアインズに問う前に彼の方から機嫌の良い声で教えてくれた。
「私は一度スライム風呂に浸かって身を清めてから普通の湯に浸かるのを入浴の手順にしていてな。今から丁度最初の行程に入るところというわけだ」
「……なるほど」
アインズのその後に続く説明でソリュシャンは彼の考えを理解する。
肉体がある生物と違って骨の状態のアインズが身体を洗う場合、剥き出しになっている全ての部分を洗おうとすると非常に手間がかかり、かつ細かいパーツの集合体とも言える状態故なので自力での完璧な洗浄は困難であるという。
そこで思い付いたのがスライムに頼るもので、その目的を聞いたソリュシャンも成る程と納得した。
確かにスライムであるなら主人の意に沿って清めたい箇所に移動ができるし湯を使ったり自分でするより遥かに効率的で適切だと言えるだろう。
故にである。
同じスライム族として、そして至高の存在に仕える者として、ナザリックの中でも最下層の者からしたら上位に位置しているともいえる彼女が主人の役に立ちたいと思うのは当然であった。
故にソリュシャンは乞うた。
「そのお役目、是非私に務めさせて頂きたく思います」
「えっ」
アインズは予想外のソリュシャンの願いに驚き戸惑うが、スライムに身体の洗浄を頼んでいるのなら同じ種族の自分にもできるし、させて欲しいという彼女の考えも解らないでもなかった。
だがである。
(いくら俺の役に立つのが幸せだからといって、
僅かな背徳感と男としてのプライド、そしてソリュシャンの想いの間に思い悩むアインズだったが、そこでソリュシャンから魅力的な押しの一言が入る。
「私なら今使っているスライムよりきっと満足がいく気分をアインズ様にご提供できると確信しております」
「なに?」
聞くとなるほどと思える内容だった。
スライム族の中でも上位に位置する自分ならただアインズの身体を清めるだけでなく、その最中に自分の性質を変化させることによって、
これは風呂好きなアインズにとって確かに魅力的な内容であった。
「ふむ……そうか。ならば、一度試してみて気に入ったならば今後お前をこの役目に任ずるとしよう」
「!!! 有難うございます!」
アインズの返事に心の何処かで却下される事を予想していたソリュシャンは輝くような笑顔と明るい声で喜び礼を言う。
その表情と声は、常に冷静で落ち着いている印象のある彼女の初めて見るものであり、彼はソリュシャンのそんな意外な一面が見れたことを嬉しく思った。
そして……。
果たしてソリュシャンに自分の入浴の世話を頼んだのは正解と言えた。
だが自分が入浴を楽しんでいる時に、彼の身体を取り込んで奉仕に励んでいるソリュシャンから快感と悦びに満ちた嬌声のような声が時折響くのは何とかしてほしかった。
自分は入浴を楽しみ、ソリュシャンは主人に仕えられて幸福という win win の結果の筈であったが、何か厄介な事がこれから起こりそうな予感がアインズはした。
一度でいいから原作者様の手によるこういう微笑ましいソリュシャン嬢の描写が見てみたいと思います。
ウェブ版では市場の場面で似た雰囲気の描写を読んだことある気がします。