広告

  • この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。
  • 以下の方法で非表示にすることが可能です。
    • ・記事の投稿、編集をおこなう

アニメ談義が熱いぜ!

私はアニメーターなんですね。
こんな言い方もおかしいけど、
アニメーターです。絵描きです。
今は目を悪くして休業中ですが、
やっぱり絵描きなんです。

絵が好きです。
アニメが好きです。
それって本音です。
だから若い人がアニメーターになりたいって言うの、
聞くだけでうれしくなっちゃう。
素敵な絵を描いてください、って思っちゃう。
画像


ただ、それをもろ手を挙げて喜べない状況もある。
アニメーターって貧乏なんです。
アニメーターで豪邸に住んでいる人なんて、
まずいない。
原作とか、監督とか、
または有名人になって、新聞や雑誌にコラムをのっけて、
その原稿料なんかが入る人は別だけど、
それにそれはアニメの収入ではないし、

たいていの人は、まっとうな生活もできません。
特にアニメーターになって、数年は悲惨です。
そこを乗り越えても、まっとうな生活からは遠いです。
作画監督とか、それも常時やれる人ならば、
そこそこの生活ができるけど、
そうじゃないと、かなりきつい。
若い人が目を輝かせてアニメーターになりたいといってくると、
舞い上がっちゃうくらいうれしくて、
でも生活していくの、大変だよって、
心の中では思っちゃう。

アニメーターが貧乏なのは、今に始まったことではない。
私がアニメーターになった時も、
貧乏でした。
でも、楽しかった。夢があった。
みんなで夜中の12時過ぎに、
ワイワイ、アニメの話をしながら、
ファストフードの安売りのシェイクを食べに行ったり、
大きな薬缶でお湯を沸かして、
カップ麺をすすりながら、
ああだこうだと、アニメの話をしていた時、
私は幸福でした。

実際、若い男女が夜中に一つ部屋でワイワイしていたのに、
問題が起きなかったのは、不思議なくらいですが、
アニメのことしか目に入っていなかったのですね。

でも将来はもっと変わると思っていた。
それなのに、あまりにも変わらない。
貧乏は貧乏のままだし、
時間の無さは拍車がかかっている。
疲れたアニメーターたちは、新人にやめた方がいいと、
忠告してしまう。
私がアニメーターになりたいと、スタジオZに見学に行った時も、同じことを言われた。
今、私の同僚たちは同じことを言っているという。

アニメが世界に認められるコンテンツになっているというのに、
アニメーターの生活はまだまだ貧乏なまま。
それっておかしいじゃないですか。

私がアニメーターになった時は、
まだ世界にそれほどの発信をしていなかった。
でも今は、宮崎駿さんの名前は世界に知られているし、
世界各国でアニメのコスプレが盛んだ。

海外旅行でテレビをつけたら、私の絵が映った時はビックリ仰天したが、
話を聞いてみると、世界各国で放映されている。
その利益は現場には還元されない。

誰が潤っているのか、
誰がその利益を自分の懐に収めているのか、
それはおおよそ見当がつくけれど、
まかり間違っても、アニメーターではない。

きらきらした目で、熱くアニメを語る若い人たちの熱意を無にしないためにも、
今まで先人が築いてきたアニメの文化を壊さないためにも、
せっかくクールビューティと言われて世界に浸透した日本のアニメのクォリティを落とさないためにも、
アニメの現場がもっと豊かになることを、切に願う。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック