氷浦朱鷺の不都合な世界

パチンコ、嫌いなんです。
煙いし、うるさいし、
それにお金がかかっているギャンブルだし、
しかも、それが法的におかしいんじゃないの、
って感じで、前々から問題になっているのに、
一切、解決していないのです。

大人で、お金に余裕がある人が、
たまに遊ぶのだったら、
そんなに問題はないかもしれない。
だからそこに対して目くじらを立てるのもどうかと思うのです。

ただ、パチンコにハマる人は、低所得者に多いという。
そして簡単にお金をすって、
ますます生活を苦しくさせる。

そこでもまだ、その人が大人だったら、
その人の自己責任として、
傍から何を言ってもしょうがない。

パチンコにはアニメの絵が張り込んであるのです。
私はかつてその絵を描いていた。
全力をかけて描いていた。
描くという行為には、最大限の力を出したいと、
いつも思っていた。
そして自分的には今一つの絵を描いているときは、
気分が悪くて、つらかったから、
特に作画監督をしているときは、
持てる力を出し切るつもりだった。

で、パチンコの仕事だからって、
それは変わらなかった。
子連れ狼の仕事、
楽しかったです。
自分のキャラクターだし、
自分で作画監督したし、
一緒に仕事をした原画マンさんも、
上手な方が多かったし、
動きや、キャラ、それも時代物だし
剣術なんて気に入って、
楽しくて、
頑張ったのです。
お蔭で時間をかけてしまったので、
スタジオには迷惑をかけちゃったけど、
制作会社には受けがよかったそうで、
いい仕事をしたと、満足感があったのですが、
でもパチンコ。
その絵を見て、楽しんで、
そしてお金をすってしまう人がいる。

で、そうして描いた絵につられて、
もし若い人が、
未成年が、
パチンコをしたとしたら、
私はその人たちに何を言ったらいいのか、
後悔がつのるのです。

アニメーターとして、子供に夢を与えられると信じて描いていたのに、
それがそうでもないとなったとしたら、
何のために数十年もアニメを描いていたのでしょう。

後悔です。
時にパチンコじゃない仕事だと思って、
テレビシリーズをとったら、
後でパチンコに使いまわすと聞いた。

もう、何もできなくなりました。

一年間、アニメから離れて、
でもアニメがはめ込まれたパチンコは、
相変わらずです。

アニメがそこにはめ込まれるのは、仕方がないから、
できれば、いや、どうあっても、
パチンコがきちんと合法的に、
換金するシステムなしに、
単にパチンコゲームとしてだけ、
存在してほしい。
景品交換だけ、
お菓子や、文房具とかと交換するだけで、
絶対にお金に交換できない、
もし、交換したら、賭博法でさばいてほしい。
そんなゲームとして存在するならば、
いくらアニメがはめ込まれても、
アニメーターはつらくないと思うのです。